米陸軍がUAVからの迫撃砲弾発射をテスト
http://www.generaldynamics.com/news/press-releases/detail.cfm?customel_dataPageID_1811=18078
米陸軍ARDECは、ゼネラルダイナミクスと協力してUAVから迫撃砲弾を発射するテストを行った。小型UAVが搭載可能なPGMのデモンストレーションとされている。
使用されたUAVは、L-3のタイガーシャークUAVで、オクラホマ州フォートシルに近いレンジにて、高度7000ftから3発の迫撃砲弾を発射した。これらは標準的な81mm迫撃砲弾であり、GPSとINSを利用して目標に指向される誘導キットと組合せ、目標地点の7m以内に着弾したとのこと。
メーカーではAir Drop Mortar (ADM)と呼んでおり、この実験では10ポンドクラス誘導弾の例を示した形となった。なおタイガーシャークUAVのペイロードは30ポンド。
また誘導キットはゼネラルダイナミクスが特許を取得したもので、Roll Controlled Fixed Canard (RDFC)と名付けられている。
詳細は陸軍の資料にて。
http://www.dtic.mil/ndia/2012armaments/Wednesday13995habash.pdf
これの空中発射型がADM。普通のM821砲弾と信管で9.1ポンドのところ、RDFCを追加した重量は10.8ポンド。また120mm迫撃砲弾にも適用可能。
http://www.defenseindustrydaily.com/Mortars-from-Aircraft-The-Shadow-Knows-05226/
このクラスでは、レイセオンのSTMが12ポンド(製品名がPyroとなっている)でGPS/INS誘導またはSAL誘導の小型PGM。またLMがシャドウホークという11ポンドのSAL誘導の小型PGMのデモンストレーションを実施している。こちらはRQ-7を使ったデモンストレーションだった。
http://www.flightglobal.com/news/articles/lockheed-unveils-gravity-bomb-for-uav-371344/
コストでは81mm迫撃砲弾+誘導キットのADMが有利っぽいが、GPS/INS誘導のみなので精度はSALなどに比べて劣ると思われる。
このクラスになると大抵の小型UAVに搭載可能で、自衛隊が導入するRQ-21みたいのでも積めるはずだ。
これらに先行して、米海軍NAWCなどで開発されていたのがスパイクというやつで、重量は更に軽く5.3ポンド(試作原型時)、全長25インチだった。歩兵携行型の無誘導ロケットとATGMの中間にあたるもので、SAL誘導。小型UAVへの搭載も考慮されていた。
http://www.designation-systems.net/dusrm/app4/spike.html
http://defense-update.com/products/s/spike_laser.htm
推進システムを有するため、弾頭は1ポンドと小さい。射程距離は2200m程度。
主に低価値目標に対して用いられる安価な誘導兵器として開発が進められた。2003年末からSDD、2007年に実射が行われたようだが、その後の進展は不明。
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米海軍はUCLASSのRfP(草案)を2012年内に発出する見込み
UCLASSについては8月に一部の要求仕様(の草案)が開示されたという話が出ていたが、2012年末までにRfP草案が出る見込みとのことで、ここで全体像がはっきりする事になる。
2020年のIOC獲得に間に合うのか微妙な気もするが、その段階では艦上機として完成させる事は必須でない上、最初から発展性なりアップグレード余地を求められているので、当初の能力は、相当限定されたものに留まるのかもしれない。
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トルコがAerostar UAV運用を打ち切り?
http://www.flightglobal.com/news/articles/turkey-set-to-axe-aerostar-uav-deal-378532/
トルコは2005年、イスラエルのIAIからヘロンUAV(地上管制ステーションはエルビット)を調達する契約を締結したが、その後、計画の遅れによってAerostar UAVを繋ぎとして導入している。
ヘロンUAVの方は、二国間の関係悪化とは関係なく運用されている模様であるが、Aerostar UAVの方はここ数ヶ月間、運用に問題があるという情報が出ていたようだ。今回の報道もトルコ側から出ているもので、運用打ち切りと機体(3機)の返還を検討、となっている。メーカーのAeronautics Defense Systemはこれを否定した。
Aerostar UAVについては、10月にポーランド軍が2機の調達(約3500万ドル)をキャンセルしたばかりか、補償金の支払いまで求めている。
こちらも運用上の問題とされていたので、如何に二国間関係が悪化してるとはいえ、政治的にどうこうというよりは、何かしら問題がある装備なのか、セールスがよほど巧みだったのか。いずれにしてもいただけない話ではある。
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イラン空軍機が米国のUAVを攻撃
http://www.spacedaily.com/reports/Iranian_jets_fired_on_US_drone_in_Gulf_Pentagon_999.html
米国防総省は、ペルシャ湾の公海上空でイラン空軍の戦闘機が米軍のUAV、MQ-1を攻撃したと発表している。インシデントは11月1日に起こったが、大統領選挙の後で公式発表された。
位置はイランの海岸線から16海里のあたりで、攻撃を仕掛けたのはSu-25、警告ではなく撃墜を意図した発砲だったとされている。MQ-1に命中弾はなく、そのまま帰投した。以後、攻撃を受けるケースは発生していない。ミッション自体は、ルーチンとなっているイラン側の監視であり、今後も継続するとのこと。
米国はペルシャ湾方面に対して、2個CVBGの配備や、UAEへのF-22の展開といった形で軍事的プレゼンスを強めている。
またこれと別に米国務省は、国際衛星放送の妨害とインターネット接続における検閲を止めるよう要求しており、後者については検閲を外部から強制的に停止させるような言い回しをしているみたいだ。