RAAFがホーク127をT2同等へアップグレードする計画
オーストラリア国防相は、RAAFのホーク127について、最新のRAF向けと同等のT2相当にアップグレードする計画を明らかにした。総額は2500万オーストラリアドル。
ホーク127の機数は33機で、すべて1999年から2001年にかけて引き渡されたもの。RAAFウィリアムスタウンと同ピアースに配備されている。
BAEシステムズによると、この改修はMLUにあたるもので、T2やサウジ向け165と同じ、OC2ソフトウェアスタンダードへの変更が計画されている。
*
MBDAが将来型の精密攻撃兵器システムを公開
7月9日のファーンボロにおける恒例イベント、Concept Visionにて公開されたもの。3回目の今年は、20年以内に実現可能な将来のUAV兵器システムというお題で、CVS301 Vigilusというのを公開している。
http://www.mbda-systems.com/files/docs/DS-vigilus-2012.pdf
http://www.mbda-systems.com/mediagallery/#/videos/2922
Caelusは監視用のUAVで重量は約100kg、最大で2時間滞空でき、1kgのペイロードには弾頭もしくは散布用センサが搭載できる。これと対になるGladiusは小型のPGMで、重量7kg、弾頭重量1kgで、最大射程は16nm(30km)とされる。
イメージ映像に出てくるのは飛行船タイプの無人プラットフォームで、4基のランチャーを下面に搭載している。これはArmatusと呼ばれ、独自機構のラッチを有し、無線で制御されるため配線などを必要とせず、様々なプラットフォームにインテグレーションできるのが特徴。
初期の概念の段階で、BAEシステムズやCassidian、SELEXガリレオ、またMBDAと取引のある各国軍とも話し合いを持って揉んだアイディアだそうだ。
20年後の戦場で、のんびり飛行船だの小型UAVだのが飛べるかどうかというと疑問も残る。そのくせ重装備の敵を相手にしてるあたりがまあ何というか、あくまでプロモですよねという感じだが、あくまで非対称戦の延長で考えられてるように見える。
古い意味の大戦争が一回あったら、そのときは携帯端末や衛星データリンクなんかが丸ごと使えなくなるようなケースも出てくるんじゃないかなあ。非対称戦が日常になりすぎてて忘れられがちだが、対抗策は常に研究されてるはずで、有事には衛星が落とされる可能性だって高い。
*
フィンメカニカグループがロシアにMPAのミッションシステムを提供
http://www.spacedaily.com/reports/Russia_and_Italy_to_jointly_develop_patrol_aircraft_999.html
ファーンボロにおいてフィンメカニカとRosoboronexportが、Il-38とBe-200のミッションシステム開発に協力することで合意とある。SELEXガリレオなど、フィンメカニカ傘下の3社の名前が挙がっている。第三国への輸出が考えられているようだが、まずは市場調査からスタートすることになる。
協力の形としては、イスラエルとロシアが協力したAWACSなんかと同様とされる。
先進的なMPAは伝統的な哨戒任務(ASW含む)のみならず、領海の監視や組織犯罪への対応(対海賊なども含むいわゆるローエンフォースメント)、環境および資源調査も可能であり、それなりの市場があるだろう、という見込みに基いている。
大型機はあんまり受けないんじゃないかと思わないでもないが、A-50EIとかがインド向けで進行したのと同じく、既に売る相手がいるのかもしれない。つーかインドの可能性も高いなこれ。
近年、イタリアとロシアの軍事協力が拡大する傾向にあるのは確かだ。Yak-130からM.346を開発した後も協力関係は続いており、またロシア非常事態省がアグスタウェストランドのヘリコプターを導入し、共同生産の予定もある。陸ではイヴェコLMVが採用されている。
他のファーンボロでのロシア関係の話題として、イリューシンファイナンスがパナマのSouth America Aircraft Leasingとの取引で、An-148/158×12機の引渡しが確定してるそうだ。
SSJ110を東南アジア某エアラインへ40機というのは成立したか不明。
UPIの記事の方が詳しい。
http://www.spacewar.com/reports/Finmeccanica_gains_multinational_deals_999.html
SELEXガリレオはATOSミッションマネジメントシステム、これは空中監視プラットフォームの核となる部分。WASSは軽量の航空魚雷を、SELEX Elsagは通信系をそれぞれ担当する。このうちSELEX Elsagは1990年代からロシアと協力関係にあったという。
契約条件は明らかにされていない。
あと、こっちはフィンメカニカグループ側の記事なので、NATO AGSにおいてSELEXガリレオが地上管制局を担当したことや、SELEX Elsagが広帯域データリンクを担当したことなどが書かれている。
*
EADSが銀行設立を検討
http://www.spacewar.com/reports/Defence_group_EADS_eyes_launching_own_bank_999.html
EADSグループの資産は100億ユーロぐらいあって、その辺の銀行に置いといたらどうなるかわからん、ということで、自衛のための銀行設立が(ある程度)現実味を帯びている模様。
欧州金融危機もここまで?という感じの話題。なお、最悪のケース、つまりユーロ圏崩壊の場合の影響は「予測不能」であり対策もへったくれも無いらしい。