ぶらぶらパンドラ銃弾紀行

ボーダーランズの1作目が放置状態であり、2リマスタ全部入りをセールで買ったことから通しでプレイしてみようかと思った。それが今年の初め。
セールはPS4やスチームでも何回かやっているので、最近プレイした人も意外と多いのでは?わたくしシングルプレイなので全く以て状況見てねえけど。

MASS EFFECT : ANDROMEDAが出るまでに終わるかなと予想していたのだが、DLC込みのボリュームが結構あって現在に至る。セイレーンをメインで使って無印を一周したあと、二周目をちょっとやったら苦戦しそうな難易度だったので、一周目の続きでDLCをやって、その後2に行った。そっちも惰性でセイレーン。二周目のLV50を区切りに、他のキャラも少し触ってみたりしている。
2はさすがに現行機向けのリマスタとあって遊びやすい。フレームレートは、無印の固定30fに対し、2は可変ではあるが60f。内部解像度も一段は高い。システムとバランスの変更はそれなりにあるものの、全般的には完成度が高まった。もはや360互換モードの無印には戻れぬ感じだ。

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MEの方は案の定というか、日本語化絶望なので急いでやらんでもよくなった。もはやネタバレの心配とかないし。
ME第一作の日本語版が、EAJじゃなくてMSKKから出た経緯を知ってれば、十分予想できた展開ではあった。儲けが出ないから本家がやんないいつものやつ。ソニーにおかれましてはネトゲの囲い込みローカライズとかじゃなくて、こっちやってほしかったんだけど。ハードごと買ったのに。
どんな形であれ日本語化されるとしたら、GOTYとか獲ればもしかしたら、ぐらいかね?まあ、今の段階では全くわからないので単なる妄想ですけどね。まあそれはそれとして。

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無印は前世代のUE系に典型的な感じで、30fに固定し、解像度をスケーリングで補う代わりに、トゥーンシェードが凝ってる。前世代ではハード性能の都合で、何かにつけてグラフィクスの仕様がトレードオフの関係になりがちだった。例えばエフェクトやシェーダに凝ったらフレームレートと解像度を落とし、ディテール重視すると一画面内に出る敵が減る、といった具合だ。特にオープンワールド寄りのタイトルでは顕著だった。また最初から捨てられてた感じなのが色で、彩度が低い画作りのものが多数派だった。
2になると、まだ性能十分とまでは言えないものの、フレームレート、解像度、トゥーンシェーダ、彩度の高い画作り、派手な半透過エフェクト等が実現されており、どれかを捨てたようなところは見当たらない。敵キャラ以外のモブも増え、ちょっぴり賑やかに。性能向上の恩恵を受けやすいタイプのゲームだったことがよくわかる。

このシリーズで興味深いのは、画作りの違いが雰囲気の違いにもつながってるところで、やってることはほとんど一緒のブラックユーモア一色なのに、印象が結構違う。
無印はモノトーン寄りでディストピア感が強いが、2はカラフルで比較的明るい。これだけでブラックユーモアの毒の効き方が変わる。
原色バリバリの武器にもちょっと驚いたけど、そもそもがカートゥーン指向のビジュアルなんだし、2の雰囲気が正解に近いってことで間違いはないだろう。そういう明るさが、毒をややマイルドにしているのだ。

と思ったけど、国内版に関して言えば、音声まで日本語化されてるのも大きい。あれで、テンションおかしい英語音声+日本語字幕が、検閲済み洋画吹替レベルの安定感になった。全編を通して酷いセリフとかが洋ゲーっぽい濃さを醸し出しておるのだが、これは慣れてないと面白がるより引く人の方が多そうなので、それなりにうまくローカライズした方だろう。

もちろん、その分キャチャラアアァァァイのアホっぽさや、サイコな人々の何言ってるかよくわかんない不気味さはスポイルされてしまったので、2をスタートしてしばらくは、殺伐感が物足りない感じはあった。

であるとしても、中身は日本のゲームと大差ないというか、何せ強武器を求めて彷徨うゲームはみんな好きだし、基本システムはARPGの銃撃戦バージョンとも言えるものだから、これで遊べるプレイヤーが増えればそれでいいんでないの。みたいな。まあそれ言っちゃうと、ビジュアルからして酷いので、間口が広がったと言っていいのかどうかはよくわからない。 死体がそこら中に転がってる世界観だし。

ああ、でも2のDLCのはっちゃけ具合は本家の英語音声よりいいんじゃないかな。翻案・意訳・アドリブの香りが濃厚で、すごく吹替っぽい。
続編のローカライズはここまで豪華になんねえだろうなあ。

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続編は開発中だったかと思うが、ゲーム全体は2の時点で完成しているから色々と難しそうだ。半端だとDLCで良くねって言われるし、下手に変えたら蛇足呼ばわりされ、課金要素あったら大炎上しそう。完全なネトゲ化や通行人射殺システムとかだとコレジャナイ呼ばわりだろうか。
ストーリー的にはおそらくどうにでもなる。
武器合成とかやり出したら失敗しそうだなあ。ここはゲームバランスの根幹にも関わってるので。

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世界観についてはSF、それも古典的な風刺/パロディ系の雰囲気で、無印の後日談DLCは宇宙兵ブルースとかを連想させる。大雑把に言ってしまうとハリイハリスンにサイバーパンク風味のガジェットを盛りつけた感じというか。
敵味方問わないエキセントリックな人物造形や、VAULTの投げやりすぎる設定、無印におけるグダグダな道中はニューウェーブっぽい?(2は曲がりなりにもストーリーらしきものをまとめようとしているので、ちょっと違う)どっちにしても1950~60年代のもので、本当に大丈夫か?というぐらいには古い。しかしそのように考えると、フォールアウト3やバイオショックみたいな、レトロフューチャー流行りに乗った企画だったのかもしれない。

いずれにせよここはキ●●●と変態と性格破綻者しかいねえ素敵末法プラネットであるので、もうやりたい放題やってもいいよね?という雰囲気作りは秀逸なような。いやそうでもないか。

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アーケードゲーム的な中毒性は、敵射殺コンティニューシステムのセカンドウィンド!というのに負う部分が大きい。具体的には、HPゲージが0になるとカウントダウン開始で、完全に暗転する前に手近なやつを地獄へ道連れにすると生き返る、というもの。
これを活用しない事にはシングルプレイでの打開は覚束ねえのである。特にボス戦では同時に湧く雑魚がいた方がやりやすくなったり、またボス撃破でも復活できるので、動きが小さいボスであれば無理押しで密着削りに行くのも手だ。零距離ロケット作戦(通常は自分も巻き込まれてダメージを受けるが、HP0だから関係なし)も提唱されていて、ああなるほどと思った。

かように便利かつ巧妙なシステムであるが、セカンドウィンド!連発によるゴリ押しだけはできなくなっている。一定時間のクールダウンをとらないとカウントダウンの時間が短くなっていき、連発すると3回目ぐらいでほぼ即死したと思う。まあ、連発できる状況自体があんまりないのは確か。

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無印は序盤が苦しいゲームバランスで、古典的なLV1が一番難しいパターンに近い。装備が貧しいのでレベル上げにも難儀するというやつだ。
ファンタジーものだと多くの場合、武器は消耗しない事がお約束だが、このゲームは銃撃戦がメインなので、弾がないと何もできん。少ないHPだけでなく、携行弾数が少なく、武器も弱い。弱い武器では弾数も多く消費し、弾切れが頻発、という苦行サイクルである。
更に敵の復活が早いというのもあって、弾不足は深刻化しやすい。ボス戦手前のマップをちょっとずつ進んでいって、敵の処理に手間取ってると前後に敵、みたいな状況もしょっちゅうある。

弾の補充はマップ入り口とボス前に多い自販機がメインになる。弾薬のカテゴリは、拳銃(無印はリボルバ=大口径弾も別)、SMG、突撃銃、狙撃銃、散弾銃、ロケット弾、グレネードに分かれていて、それぞれが別のアイテム。敵を倒すと落とすこともあるのだが、弾の種類が合わないと使えないため運次第。余る時もあれば足りない時もある。当然ながら使える武器の種類が少ないほど消費する弾は偏るので、拾うだけじゃ足りなくなる可能性が高い。

では敵陣ど真ん中で弾切れだと立ち往生なのかというと、実はそうでもない。戻る時に関して言えば、走って突破できることが多いためだ。
まず、ほとんどの敵の移動範囲は固定されていて、死ぬまで追ってくるやつは少ない。また、ボス戦以外では、マップ構造が一方通行になっていない。さらに、プレイヤーキャラクターの走る速さは、だいたい敵と同じか上回る。つまり、シールドの回復を意識しつつ、即死級ダメージ(至近距離のショットガンやロケットの連射、マップ外転落死)と、障害物および敵キャラを避けて走り続ければ、マップ入り口まで戻るのは難しくないのだった。リスポンが中間地点でも走って戻れば関係ない。
とは言うものの、まだ勝手のわからん時はやっぱり全部潰してから進もうとしちゃうし、時間ばかりかかって弾がきつくなるのが人情ってもんよ。

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2になると、序盤のバランスは大幅に改善された。実質CHAPTER 4までがチュートリアルみたいなもんで、無理に突っ込まなければそうそうやられない。2全部入りの特典として、初期装備の武器が3種類付いてるから、弾切れにもなりにくくなっている。ただしボス戦は例外。武器の引きが悪いと弾切れあり得る。

また有料リスポンポイントのNEW-U STATIONも、2の方が優しい。余計なお喋りだけでなく、弾をオマケしてくれる。はっきり調べてないが、死亡時に落ちてる弾を回収してるのかな?
ともかく弾が切れて詰む可能性は大幅に減った。復活費用は所持金に応じてどんどん値切られていくので、実質的に無限コンティニュー可能かも。優良企業に生まれ変わったHYPERIONだがハンサムジャック死すべし。

また全キャラ共通でボーナスが付く、やりこみ要素的なBADASS LEVELが存在するので、複数キャラでプレイする事にも配慮されている。
無印にあったキャラクターごと、武器ごとのレベルは廃止。ボーナス値としてはBADASS LVの方が気休め程度な感じで、大分下がった。

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シリーズ共通の事柄として、武器は自動生成される。強化はできず、使用可能なプレイヤーキャラクターのLVが設定されている。実質的に武器のLVと同義で、これとレアリティの高さ、属性や付属品(照準器など)の有無によって、武器の性能が変化する。同レアリティならLV高い方が強く、同LVならレアリティ高い方が強い。
ということはPCのレベルが上がって武器LVと合わなくなると、高レアリティだろうとあっさりゴミと化すのであった。更に特殊な機能を有するユニークウェポンはこの限りでないが、間違いなく威力不足にはなる。
結果的に、これ一丁でおしまいみたいな究極武器はまず出ない。出るとしたらLVカンスト後になるので、そこからが本番みたく言う人もいるだろう。

下手に武器強化システムとか入れてないので、バランス崩壊するようなことはまず起こらない。究極武器防止の武器壊れシステムとかよりも潔くて良い…とは思うが、何かと武器の引き次第みたいな弊害もなくはない。

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長くなってきたので分割。