mini-ITXで一台組んだ。PC-Q11Aを衝動買いしたのはこのブログがスタートするより前で、多分5年ぐらい経っている。当時はメインPCにする事も考慮していたはずだが、今にして思えばtrinityがガッカリ気味だったりと計算が狂った部分も多いな。多分、パーツがもっと余っていれば違うことをやってた。
このケース自体は現在でも販売されており、処分値で買えたのは悪い選択でなかったと言える。

途中、ローパワー系のオンボードM/Bで安上がりに済ませる案も繰り返し浮上したのが読み取れるが、その手のプロダクトとしてSoCベースのx86が主流に躍り出た今となっては、C/Pもワットパフォーマンスも比べることすら無意味となっている。MSがOS無償化戦略に舵を切ったこともあって、タブレットにせよスティックにせよ何しろ安い。
趣味的自作に正解は無いが、世代の古いローパワー系で潰しが効くかというと厳しいところだ。精々ストレージ満載する位しか使い道がない。それもNASの高性能化(こっちにもSoC化の波が…)に押され気味。

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これまではメインPC2台体制に近く、FX-8300とX6-1055Tがそれぞれ入っていたので、後者を置き換えることにした。OSはVistaとWin8のマルチブート。2年前にM/Bを換装し、CROSSHAIR IV FORMULAになっている。
過去の買い物メモを見ながら、このPCからWindows8およびメモリ4枚のうち2枚を移植、電源は余っていたSFXの300Wを使うことにした。パーツの中でも値上がりが著しいやつは避けて、CPUとM/BとSSDを買う方向性。X6はVistaに戻す。

CPUはPentium G3258だがM/BはOCできないH97。電源の関係で無理したくなかったし、後は実売価格、機能とI/Fを見ながら選んだらOCできないMSIのやつになったというだけ。3258なのは20周年モデルだったから。将来Broadwellに買い換えても多分OCはしない。まあでもLGA1150が終息する頃にZ97が投げ売られてたら、別に買ってもいいかな。
SSDはSandiskの安いほうの240GB。TLCなのに速いと評判。そして実際に速い。FXのほうも買い換えようかなあと思うぐらい速い。三星に東芝系も来てるしCrucialの時代は終わったのか。そうでもないか。

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LGA775以来のIntel、初mini-ITXにしては大きなトラブルが無かったが、幾つかの事項についてメモっておく。

・リテールのCPUクーラーと冷却能力

プッシュピン式のローコストっぷりに驚愕。えらく軽いと思ったらヒートシンク全体がアルミで、接触部に銅の円柱みたいのがくっついている。これがついてる方がまだ高級らしいのだが、どっちにしても安っぽいのは変わらんと思う。
ここで引っかかったのがグリスの塗り方。ヒートスプレッダ全面に塗るという固定観念が打ち破られる。接触面の銅部分は、直径がヒートスプレッダの1辺の2/3かそこらしかなく、その外に塗っても無意味どころか有害だった。
そもそもCPUファンの制御が変なデフォ設定だったために、かなりの高温となったのだが、それにしても上がり方が急激すぎた。とりあえず外してみて、接触面の件にやっと気付く始末。こんなんで冷えるのかよと思いつつ、真ん中にだけ塗り直したら改善された。
MSIのUEFIはやけに階層が深くて見難い。ASUSの方が使いやすい感じだった。

環境設定が一通り終わってからM/Bファンコンの動作を見直し、アイドル時で40~50%、室温+25度あたりで最大に設定すると、1000~2000rpm前後で回るようになった。これだとアイドルから低負荷までは室温+10~15度以内、クロックが定格一杯の3.2GHzでも+25度付近まで上昇するのはごく短時間で、すぐ+20度以下に下がっていく。OCはともかくとして、EIST有効時なら十分な能力と言っていいだろう。安っぽい見た目に反してまずまずの性能である。消費電力の削減がどの程度あるかは、恐ろしいので調べていない。

・22nmのローエンドの性能

AMDと比べちゃいかんと思いつつ、VCoreが0.8とか0.9ならそりゃ何つけたって冷えるだろと言いたくならんこともないが、これでGPUも載ってるからなあ。それも、体感的にはHD5450と大差がない。2コアとは言えシングルスレッドが速いから、ブラウザ上の描画などはかなり効いてると思われる。
これで最弱とはマジで22nmプロセス恐るべし。SSDと組み合わせてメモリをケチらなければ本当に過不足ない性能(=何かを我慢する必要がほぼない環境)であり、「ローエンドで十分」という古くて新しいフレーズがついに現実のものとなった。ある意味Haswellが自作にとどめを刺したと言えなくもない。この世代ということならNUCのモバイルCPUの事もある。

・Windowsの再認証

マルチブートのローダがWindows8だったので、ここから8を削除したらどうなるのかと思ったら、ローダはそのまま残るみたい。メニューにもWin8の項目は出続けるのだが、インストールディスクを入れないと何も起こらないので多分全部消えている。はず。他にいい手があるかもしらんけど放置。

今回、新規インストール時はプロダクトキー入力を削除した方じゃなくてインストール済みの方にしてしまい、訂正したつもりでそのまま再認証したらプロダクトIDが被ってしまった。どうなってるのかさっぱりわからんが、もう認証通らなくなるまでこのままでいいや…

・mini-ITX

PC-Q11Aは現在でも十分通用するケースと言えるが、側板だけは外観重視の皿小ネジが結構扱いにくく、閉める時も芯が出しにくくて、ずれたらちゃんと締まらない。まあこの種の問題は外観重視のケースには付き物か。
このケースはATX電源を使えるのが売りなので、SFXはそのままでは取り付けできない。スペーサのようなものが必要になる。自作する予定だったが、淀に500円そこそこで売ってたので買った。

今の雑品的なパーツ類は、実は淀が最も充実している。九十九は元々頼りにならんかったところに、山田と合体してからは定期的に捌けそうなパーツ(変換コネクタ・ケーブル類など)しか充実させてない。昔はツートップ/PC工房が掘り出し物を含めていろいろあったんだけど、今はパーツ主体の店が消滅してしまった。ドスパラは上海問屋ショップで明後日の方向の小物を売り出す始末。サードウェーブ関係ばっかりだった時期よりはいろいろあるけど規模縮小が痛い。九十九なんかもそうだが、もうショップのリアル在庫は持たず、ニッチなもんはネットで買えや的な立場なんであろう。
その点淀は未だに現物主義なところを残しており、品物は多く、時々在庫処分的な安売りもあっていい感じだ。そういうわけで、追加のパーツは全部淀で買った。中枢パーツは相変わらず割高なので、買ったことはないが。

ほかの追加分は、ネジセットとピン配列変換ケーブルとUSB3.0の内部ヘッダ用コネクタ。ピン配列変換は何かの陰謀か?というぐらい毎回使ってる。M/B上のスペースがもったいないにしても合わなすぎ。あとUSB3.0のはやっぱ割高ね。2.0対応の倍ぐらいするわ。
とりあえずこれでだいたい全部使えるようになった。

ケース内容積は、mini-ITXのM/B自体が小さいのでそこまで圧迫される感じではない。ATX電源対応が売りではあるが、実際入れたら結構なスペースを取りそうだ。もう一つの特徴である5インチ外部ベイも空のまんまなので、最初からこのパーツ構成前提なら別の選択肢があっただろう。だが大は小を兼ねるので特に問題はない。あんまり詰まってない方がエアフロー的にも余裕があるわけですし。

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今後はBroadwellが安くなったら載せ替えたりしたい。TDPはちょい増えて65Wだけど何とかなるじゃろ。

順調に滞っていますがWPは最新版にしてみた。手動で。
しかし管理画面からのエディタがうまく機能しないのはそのままだった。IMEの挙動も不審であり、やはりオフラインから投稿する他なさそうだ。あと、広告の自動挿入が効いてないみたいなんだけどそこもよくわからず放置。しかし他所の垢でも付いてないみたいなので、無料サービスとしては赤点滅状態じゃないのかこれ。そろそろ沈むのかもしれぬ。年末にInter7が消えたのは痛かった。

滞っている理由の一つに、インターネッツ空間が大々的に商売空間にされて居心地がよろしくないというのもあるが当面、ここが沈むまでは維持してゆきたい。

まあそれはそれとして、Win7から8にアップデートする前のバックアップデータを見ようとしたら、回復メニューがえらく簡単なものになっていて困惑。どうやら8.1から変わったということで、仕方ないので他の手段を調べたら、バックアップのイメージファイルが丸ごと仮想ドライブにマウントできちゃうという予想以上の便利仕様になっていた。アクセス権限の継承とやらが必要になって時間はかかったものの、普通に使える。
昔のMSなら絶対やらせなかっただろうが、アカウントおよびアクセス権限の継承とかの取扱いをめんどくさくした分、便利にできたって事になるのか。クリーンインストール作業までも機能として追加されているし、復元ポイントへのロールバックすらまともに動かなかった時代からすると隔世の感がある。
ただしVista以降のリモートアクセスやWWW系の機能追加によって、もはやクライアント側の知識だけで対応できなくなってきているのは確かだ。個人的には大分慣れてきたけども、まず用語がわからんというところから始まる。

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Windows10のロンチは7月29日に決まったようなので、まずは1台だけ入れて様子見としたい。

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20150601_704811.html

で、RTはやっぱり救われないみたい。Surface RTは2013年3月発表だったから、かなり短命に終わることになる。買ってないから他人事ですけど。

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20150520_702762.html

こんなこともあろうかとCCHはAndroid4.0で良かった(日本語変)。
しかしSurface3をLTEのみしかもワイモバ専売とか、MSJの無能さ更にヒートアップ。アレでCM打ってどうする気か。Windows Phoneもマウスコンピュータだけだしもうダメだあいつら。どれもこれも売れない前提の戦略しか立ててねぇ。

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4月の記事になるがハイレゾロゴ入りPCが発表されている。

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20150422_699002.html

ハイレゾオーディオという用語には業界団体の定義ができている(*)ので、PCオーディオがどれぐらいの時期から対応してきたかを調べてみた。サンプリングレートか量子化bit数のいずれかがCD品質(44.1kHz/16bit)を超えてれば何でもイイらしい。ということは、

http://home.jeita.or.jp/page_file/20140328095728_rhsiN0Pz8x.pdf

http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20140328_641885.html

Sound Blasterで言うと、サンプリングレート48kHzは比較的早く達成していたが、量子化ビット数16bitの時期が長かった。初めて24bitが可能になったのは、サウンドカードのMIDIが衰退期に入った2002年のAudigy 2で、プロセッサはEMU10K2.5、サンプリングレートは128kHzが上限だった。

http://en.wikipedia.org/wiki/Sound_Blaster

オーディオの側から見たSBシリーズの音質については様々な見方があるものの、基本性能的にはここでひとまず行き着くとこまで行ってしまい、これ以降はDAC/ADCの高性能化、s/nの向上、3Dサウンド性能強化など、付加価値路線に移行する。
かつてはCPU負荷低減のために必須という時期もあったサウンドカードだが(DX7あたりが境目か?)、CPUの性能が向上し、オンボードチップの仕様もAC97、Intel HD Audioと着実に進歩した結果、主要な増設カードの座から降りることとなった。似たような事はSCSIやUSBなどのI/Fカードにも言えるが、何でもオンボードで済むのが現在のPCで、使い勝手はともかくRAIDまで付いてるのが普通になっている。

HD Audioの場合、規格としては192kHz/32bitが上限だが、見た感じ32bitまで対応したチップはほとんど存在しない。蟹ことRealtekもだいたいが192kHz/24bitというところだ。ASUSのカードもだいたい同様。例外としてXonar PhoebusのCM8888は、CMEDIAのサイトで見る限りはMAXが192kHz/32bitのはずだが、カードの製品情報では24bitの表記。ドライバの都合かなんかで24bit止まりっぽい。

http://www.cmedia.com.tw/ProductsDetail/page-p/C1Serno-25/C2Serno-28/PSerno-54.html

というわけで2005年ぐらいから後に作られてHD Audioが入ったPCは、概ねハイレゾロゴを取得できる可能性がある、と言っても差し支えあるまい。シール代が幾らになるかは知ったことではないがナ。

 

(*)デジタル系はともかく、アナログ系の認定に関しては微妙じゃねえの?という指摘もあるみたい。

http://www.jas-audio.or.jp/jas-cms/wp-content/uploads/2014/06/doc14061201.pdf

 

以上を踏まえた上でアビーのハイレゾ認定PCを見てみると、心臓部とも言うべきサウンドカードはSE-90PCI。ENVY24MT自体の性能は並で、2chに特化した性能と回路が売り。だがスペック的には192kHz/24bitと平凡なので、拘るならDAC外付けが必須だろう。高い方には付属しているようだが。

こっちの記事がもう少し詳しい。

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20150422_699099.html

性能は、まあタブレットに毛が生えた程度。前もこんなんあったなあ。ファンレスが絶対条件だったとしても、もうちょいマシなの選べよって感じだが、額面通りに受け取るとケースに幾らかかってるのか。あとシール代。考えるだに恐ろしい。自作PC的に見ると突っ込みどころしか存在しないという。

何にせよ、配信受けるだけで音源が手に入る時代に、ここまで大仰な代物が必要か、という時点で既に矛盾を孕んでおり興味深い。逆に、こんなんでいいなら普通のPCに(何ならファンレスのタブレットにでも)外付けDACを追加するだけで結構いけそうな気がしてくるぞ。

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新CPUの話としては、AMDが5月7日、次世代アーキテクチャの入ったロードマップを公開。登場は2016年。Zenというコードネームだけは伝えられていたが、発売時期に言及されるのは初めて。

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20150507_700689.html

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/20150507_700728.html

公式な情報としては記事にあるような内容で、ついにSMTが採用されたり、DDR4だったり、キャッシュの改良であったり、IPCが4割増だったりするらしいが、例によってリーク情報は豊富に存在する。

IPC改善に関してはずっと吹かしてるんで鵜呑みにはできない。SteamrollerでBulldozer比3割改善とか言ってたのは何だったのか。だがリークされたブロックダイヤグラムはK10に近い感じなので、多少はマシなのかもしれんマジで。

http://www.fudzilla.com/news/processors/37639-new-leaked-amd-zen-slide

製品の一例というか最大構成に近いOpteronもリークされていて、この図によると16コアにHBM直付けのGPUが統合されている。その後、GPU無しで32コアというのも出た。SMTだからスレッド数はそれぞれ32、64となるはず。

http://www.fudzilla.com/news/processors/37494-amd-x86-16-core-zen-apu-detailed

しかし16GBのHBMって、第2世代でも追いつかなそうな気がするんですけど。まあいいか。

その一方でキャンセルされたのが、後藤記事の最後の方にあるがSkyBridge。元々意味がよくわからなかったんだよな。

公式発表に戻ると、来年の製品ラインを示す図はこんな感じとなった。

http://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/700/728/html/9.jpg.html

デスクトップ製品のプラットフォームは、AM3とFM2+がAM4に統合される。4コアが1モジュールという構成をとるなら現行Aシリーズも代替可能になるはずだが、前のアーキテクチャ更新時期にはAはFXの一周遅れが基本だったから、中身KaveriのAM4とか出てきかねない。特に来年とかは間に合わなそう。
モバイルはいまいちわからんけどFP4だけになっている。Carrizo-L一本になるかのしらんが、AM1もアップデートするんかな。

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Intelの方は22nm以降、Haswellのマイナーチェンジを経てBroadwell、Skylake…と続く流れだがBroadwellのうちLGA1150版は、ギリギリまで発売中止される可能性が取り沙汰された。実際のところ、Skylakeが半年後に控える状況での投入となったので、一部OCのプロとかAPU的なものに固執する変態的ユーザ向けの限定的な展開となった。定格だとクロック下げた都合でi7-4790Kに対して不利だが、A10-7850Kを上回るiGPU性能とTDP65Wというところに価値がある。

http://www.tomshardware.com/reviews/intel-core-i7-5775c-i5-5675c-broadwell,4169.html

http://www.anandtech.com/show/9320/intel-broadwell-review-i7-5775c-i5-5765c

AMDのAPUに比べて値段は2~3倍するが、65W級ならACアダプタ+ファンレス運用も視野に入り、OCメモリも必要としない。自前で全部やるIntelならではの力技とは言え、eDRAM128MB大勝利だ。

ただし国内における初物価格は例によって高い。それでなくてもPCパーツ類は、体感的には円安の進行より遥かに急激なペースで値上がりしている(円高期の在庫品が捌けてきたせいでもある)。為替レートが影響するのは原価だけじゃなく仕入れコストに輸送費も、という理屈はわかるが、本国価格の円換算に2割以上乗っかってて、円高スタート前の商慣行そのまんま。思わず個人輸入したほうが安いわっていう懐かしいフレーズが飛び出しかねない。
特にi7-5775Cについては、Haswell-Eのi7-5820Kより高く値付けされてるところもあったりして、流石にやり過ぎじゃねえのかという気がしないでもない。値下げに期待しようにも、量販SKUというよりは明確にニッチ向けだから、在庫がダブついてくるのも当分先だろうしなあ。何のかんので今ならHaswell Refreshの在庫処分を買うのが賢い消費者というところであろう。でもi5の方が安くなったら買うかも。現状いつ入荷するのかもよくわからんが。

http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1506/06/news018.html

i7は来週6月18日の発売が決まっているようだ。