MRJの製造ライン増強を検討/ボンバルディアCSeriesの状況/ATRが新型の90席ターボプロップ旅客機の検討を終える/ダイヤモンドエアクラフトがDA42でFBWの試験を行う

MRJの製造ライン増強を検討

http://www.mrj-japan.com/j/news/news_121213.html

http://www.flightglobal.com/news/articles/skywest-firms-deal-for-100-mrj90s-380176/

12月13日、スカイウェストのMRJ導入で調印の後、製造ライン増設を検討という発言が出ている。

http://www.flightglobal.com/news/articles/mitsubishi-aims-to-ramp-up-mrjs-planned-production-rate-380278/

広報部長代理の桜井氏によると、このクラスの需要が予想より高まっていると見ており、現計画の月産5機から10機まで引き上げることが検討されているとのこと。
製造ラインを増設するとして、小牧南工場とは別の場所、あるいは米国などの外国も考えられている模様。ただしそれを具体化するのは2015年Q4の型式証明取得後となるので、最終的な判断はまだ先の話となる。小牧南工場のラインについても、試験機の部品製造は進められているものの、まだ完全な状態ではないので、初飛行の頃(2013年Q4)には円滑な稼働体制に持っていく予定とされている。
なお試験機の最終組立は間近だそうだ。

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CSeriesの状況

http://www.flightglobal.com/news/articles/supplier-issues-delay-cseries-first-flight-to-2013-378644/

ボンバルディアCS100(110席タイプ)の初飛行は、結局2012年内は断念されている。11月に入った段階で「サプライヤーの問題」により、2013年6月末までの初飛行延期が発表された。
詳細は明らかにされていないが、これまでにはParker Hannifin AerospaceのFBWシステムと、瀋陽が製造するのウイングボックス/中央胴体部分で問題が出た経緯あり。

今のところCSeries全体としての受注状況が芳しくないため、多少の遅れも影響はさほど無い、と見られている。

CS300は130席タイプで計画されているが、AirAsiaの受注競争で160席のA320neoに負けた例もある。

http://www.flightglobal.com/news/articles/bombardier-moves-cs300-into-detailed-design-with-high-density-variant-included-379612/

CS300の詳細設計が開始となっており、座席数を増やした160席タイプも視野に入れているようだ。これは基本的には単純に座席を増やすだけで済まし、設計変更としては、耐空性証明で要求される後部のドア増設などに留まる見込み。派生型なので、CS100よりも早く設計が完了すると予想されている。
160席になると、2強の旅客機と正面から競合することも可能になる。が、相手が悪いのは確かなので、事業としてどうなんかなあという気がしないでもない。

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ATRが新型の90席ターボプロップ旅客機の検討を終える

http://www.flightglobal.com/news/articles/atr-awaits-shareholders-go-ahead-for-90-seat-turboprop-project-380273/

ATRは、顧客からの強い要望を元に90席のターボプロップ旅客機開発を検討しており、開発前の作業を概ね完了、親会社のEADS及びアレニア・アエロマッキのゴーサインを待つばかりとなっている。
新型機は、従来の機体とは設計思想を共有するものの、別物の新規設計であり、全ての構成要素が一回り大きいとされる。またATRでは、開発の承認が得られれば5年で型式証明取得が可能と予想している。

ただしEADS傘下のエアバスがA320neoやA350に取り組んでいることもあるので、FGでは開発がすぐに承認される可能性は高くないと見ているようだ。

90席のターボプロップに興味を持っているキャリアとして、Lion Airのコメントが出てる。他にはマレーシア航空など。この辺がロンチカスタマーになる可能性はある。
ターボプロップの競合他社であるボンバルディアの出方次第という面も強い。こちらもQ400の派生型開発により、90席クラスで対抗する計画だけはある。

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ダイヤモンドエアクラフトがDA42でFBWの試験を行う

http://www.flightglobal.com/news/articles/diamond-tests-fly-by-wire-on-da42-380035/

EU出資のプロジェクト、small aircraft future avionics architecture (SAFAR)の一部として進行しているものだそうで、4重デジタルFBWをDA42に適用して試験を行っているとのこと。

パイロットの操作によって機体構造に過剰な負荷がかかったり、空気力学的な無理が生じないように制御するシステムであり、離着陸および飛行の自動化を目指す上での重要なステップとなっている。

一般の固定翼民間機、つまりGA分野ではFBWを実用化した機体は存在しない。近年では、回転翼機でロシアの一部機種、ベル525がFBWを備え、エムブラエルもレガシー500でFBWを採用している。欧州においてはエアバスが1980年代に実用化したのはよく知られている通り。

アルジェリア向けMiG-29受領拒否にまつわる刑事裁判が終了/インド向けMiG-29UPGが引き渡される/ロシア空軍がSu-30SMを正式に受領する/PAK-FA/T-50の4号機が初飛行する/ロシア空軍兵員(パイロット含む)の訓練不足について

アルジェリア向けMiG-29受領拒否にまつわる刑事裁判が終了

http://en.rian.ru/military_news/20121204/177916582.html

アルジェリア向けMiG-29×34機の輸出契約が結ばれたのは2006年で、翌年になり15機が輸出された時点で、同国から仕様を満たしていないとして受領拒否され、正式キャンセル、Su-30へ振り替え導入と続いた。

意図的に仕様を満たさない低品質な製品を引き渡したのであれば、それは詐欺罪にあたるわけであるが、この12月4日、契約時点から6年が経過したことで、時効成立ということになったらしい。

この裁判で捜査の対象になったのは当時の副社長Sergei Tsivilev氏とその補佐役だったOleg Fadeyev氏の2名。であるが、この件にはポーランド向けのパーツにも波及しており、問題のコンポーネントを納めたAviaremsnabという企業の社長と副社長が既に有罪判決を受けている。

http://en.rian.ru/military_news/20090918/156171853.html

2005~2006年の契約で前払いで170万ドル受け取ったのに、新造ではなく1982年から1996年にかけて製造された部品を納めたとある。出荷や検査の証明を偽造したようなので、これはわかりやすすぎる不正だ。

こういうケースでは、元請の方の責任はやっぱり微妙な感じになるのだろう。政治的決着という奴だな。

訴えられたMiGの元副社長は辞めてるみたいだけど。

アルジェリアの受領拒否は当時もかなり話題になったが、ロシア国内ではミサイル作ってる工場がROSBORONEXPORTを訴えたりと、相当揉めている。

http://en.rian.ru/russia/20090914/156118433.html

こっちはどうなったのかよくわからん。

陰謀説まで飛び出したが、ダメだったという事実はかわらん模様。

http://en.rian.ru/analysis/20080530/108905942.html

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インド向けMiG-29UPGが引き渡される

http://www.flightglobal.com/news/articles/russia-delivers-indias-first-upgraded-mig-29s-380053/

http://en.rian.ru/military_news/20121211/178064533.html

インド空軍のMiG-29は、69機が近代化改修されることになっている(金額にして9億ドル程度)が、12月10日、RAC MiGは最初の3機をインドへ引き渡したと発表している。機体はAn-124に搭載されて運ばれたとのこと。

MiG-29UPGの概要については以前から公表されている通りであるが、レーダーとアビオニクスの換装、新型兵装のインテグレーションと40年までの寿命延長となっている。

MiGでの改修は6機の予定で、残り63機はHALにて改修を実施する計画。これらのエンジン、RD-33シリーズ3×120基は、2007年にロシア国内で製造許可が出ている。

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ロシア空軍がSu-30SMを正式に受領する

http://www.flightglobal.com/news/articles/pictures-russian-air-force-receives-first-su-30sm-fighters-380051/

12月5日、ロシア国防省はアフトゥビンスク空軍基地にて受入検査を行っていたSu-30SM×2機を、正式に受領したと発表。

11月22日に同基地に到着したこれらの機体は、2012年3月に発注した同型機30機のうち最初の2機にあたり、2015年までに全機が引き渡される予定。

9月21日初飛行だから、2ヶ月半ぐらい経過している。

機体には、赤い星以外のマーキングはほとんど見当たらない。

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PAK-FA/T-50の4号機が初飛行する

http://en.rian.ru/military_news/20121212/178100717.html

12月12日、スホーイは開発中のPAK-FA、T-50の4号機が、コムソモルスク・ナ・アモーレのガガーリン記念工場にて40分間の初飛行を実施したと発表している。なお、1号機が初飛行したのは2010年1月29日だった。当初2007年の予定だったと言われているので、計画は遅れ気味で進行している。遅延の大きな理由の一つに、エンジン開発の難航があった。

現在の計画では2015年からロシア空軍の評価用の機材として10機、続いて最初のバッチの60機が発注見込み。最初の10機がLRIPに相当するのか、試作原型の延長になるのかとか、位置付けはよくわからない。少なくともここまでの4機については、外見上の大きな変化はないように見える。

また記事中、ノボシビルスクの方(NAPO)ではSu-34の製造が進行中であり、近日中に10機をロシア空軍へ引き渡す予定と書いてある。

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ロシア空軍兵員(パイロット含む)の訓練不足について

http://en.rian.ru/military_news/20121207/177979621.html

ロシア国防相は、ロシア空軍のパイロットとその他の専門的な技術者について、訓練が不足していると述べた。その対策として訓練大系の改善と最適化を進めるとしている。

装備の更新は進み始めたが、人員の面では甚だ心許ない状況という話だが、これはロシアが直面している急激な高齢化にも関連している。作戦機数の減少もあるが、冷戦終結からこっちの20年で退役したパイロットは数千人というから話がでかい。

http://en.ria.ru/analysis/20121128/177792414.html

記事中のリンク先は、11月28日付の論評記事になってる。ジューコフスキーの空軍工学アカデミーで、ここ3年、1人の生徒も受け入れてない事や、史上初の宇宙飛行士公募でも300人しか応募がなかった事に触れられている。ここから選抜された人数は8人だった。
同様のリクルートを行ったNASAには、応募者6000人が集まったということからも、ロシア国内での不人気が半端でないことが判る。

長らく続いた賃金・待遇の問題は改善の方向に向かっているものの、宇宙飛行士に関して言えば、長期的なビジョンの欠如が不人気に繋がっているとの見方がある。軌道輸送系と有人宇宙計画では大きな実績を残しているものの、一般国民には何が成果なのかよくわかんないというのが大きいようだ。

以下、セルジュコフ前国防相の空軍の機構改革が失敗して毛嫌いされた話に続く。興味深いがやたらと長いので略。

Celeron 847オンボードのmini-ITXマザーボードが増える/NUC発売/OCZ Vectorのレビューから最近のハイエンドSSD動向を考える/Opteronの2014年までのロードマップ

Celeron 847オンボードのmini-ITXマザーボードが増える

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20121206_577574.html

ギガバイトも発表したので、ECS、Biostar、MSIに続いて3製品目ということになる。
最初のが出たときTDP17W版Sandy Bridgeの在庫処分なのかと思ったが、この値段はAtom Dシリーズの後継みたいな感じ。TDP17WはAtom Dシリーズよりは高いものの、ACアダプタでも十分いける範囲だから、自作的にはファンの有無以上の大差はない。

D2700がLPIAで2.13GHz(2コアHTTあり)、Celeron 847がSandy Bridgeで1.1GHz(2コアHTTなし)。クロック的にはいい勝負かもしれないが、64bit対応や最大メモリ量やDDR3-1333デュアルチャネルへの対応を考えると、847の方が変なボトルネックは少なそう。
またGPUは、Intel HD Graphicsの方が、PowerVRよりはまとも。

E-450やその後継のJaguarコア(Temash、Kabiniなど)対策を早々に始めた感じなのかもしれない。
低TDPのこのクラスを拡充しようという動きも実際にある。

http://www.cpu-world.com/news_2012/2012120501_Intel_to_launch_10W_and_13W_Ivy-Bridge_processors_in_Q1_2013.html

NM70の仕様は7シリーズのドキュメントに記載されてた。23頁。

http://www.intel.com/content/dam/www/public/us/en/documents/specification-updates/7-series-chipset-pch-spec-update.pdf

チップセットの機能は必要最小限という感じで、USB3.0もeSATAも無し。モバイル向けだしな。
マウスコンピュータは同様の構成でVESAマウント装着型のPC完成品を出した。結構安い。

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20121130_576463.html

話をギガバイトのマザーボードに戻すと、IDEやPCIあり、PS/2、シリアルポートありで大分レガシーな作りになってる。光学ドライブを使い回したい人向けなのか?

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NUC発売

http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20121201/ni_cdc3217by.html

ベアボーンで売り出しているので、ストレージとメモリ足してOS買ったら6万ぐらいかね。

これに先立ってM/Bとアビーのケースが発売されたのがさすが秋葉原というか何というか。

http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20121124/etc_intel.html

http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20121124/etc_abee.html

あと、ドスパラは完成品としても売り出している。

http://www.dospara.co.jp/5shopping/search.php?tg=8&tc=457

Mac miniの方が安価で使いやすそうなんだよな。中身いじり難いけどUSB3.0いっぱいあるしi5だし。

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OCZ Vectorのレビューから最近のハイエンドSSD動向を考える

http://www.xbitlabs.com/articles/storage/display/ocz-vector.html

http://www.tomshardware.com/reviews/vector-ssd-review,3358.html

全体的には、サムスンといいOCZといい、内製のコントローラを使ってるところが速いのを出してる。
それとマーベルを使ったプレクスターのやつと、コルセアのNeutron GTXというやつ。この辺の中身の一覧がXbitの方の最後の頁に出てるのでわかりやすい。

プロセス微細化が進むと自前でコントローラまでやった方が性能を引き出しやすい、というのは確かなようだが、もう値段の叩き合いになってるから今後はかつてのDRAM市場みたいな展開に?

次買うのは240GBにするなり。

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Opteronの2014年までのロードマップ

http://www.xbitlabs.com/news/cpu/display/20121203164423_AMD_to_Release_Next_Generation_High_Performance_Microprocessors_in_the_Second_Half_of_2014.html

このロードマップからわかるのは、サーバ向けが2014年前半までPiledriverコアの製品というのと、2014年後半に製品ラインを統合して、2P以上鯖と1P/クライアントAPUの2本立てにしてることだけ。
アーキテクチャがどうなるか全く判らない。
この書き方だと、Piledriver改良のSteamrollerを飛ばして、アーキテクチャをローパワーAPUとも統合したExcavatorに進めるというのも、ありそうには思える(コードネームは多分もう変更されてるだろうけど)。

で、2014年の28nmプロセスの詳細は不明だが、GFはSTMicroelectronicsと共同で完全空乏型SOI(FD-SOI)に取り組んでいる。

http://www.st.com/internet/com/press_release/c2680.jsp

28nmの次は20nmがモバイル向けに提供という流れ。また2014年から製造するという14nm XMはFinFETだが、たぶん28nmには適用できない。

http://eetimes.jp/ee/articles/1209/21/news110.html

14nm XMは使えないので、まあ28nmなんだろうなあ。

やや気になるのはロードマップの凡例には20nmを示す赤があるのに、表には赤が現れていないこと。
まだ流動的な部分もあるんだろうが、正直なところスケジュール前倒しには期待できない。

28nm FD-SOIの出来がどうなるのかも謎であるが、とにかく動作電圧を下げるのには有利とされている。

https://www.semiconportal.com/archive/editorial/technology/process/110221-soi.html

試作である程度は目処が立ってるのかもしれん。

しかし生き残れるかはJaguarの出来次第だろうか。CESにて試作品が非公開でデモンストレーションという噂はある。

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ついでにHaswellからBGAパッケージが主流に云々の観測気球に対する反応がIntel、AMD両方から出てる。

http://www.xbitlabs.com/news/cpu/display/20121205214540_Intel_to_Support_CPU_Sockets_for_Foreseeable_Future_Company.html

http://www.xbitlabs.com/news/cpu/display/20121205231518_AMD_Vows_Not_to_Drop_Microprocessor_Sockets_in_Next_Two_Years.html

まあなんというか、日本から大々的に話題が発信されたケースは珍しいと思う。
最近は中国語だけじゃなくてトルコ語やら何やら、ソースはどこでもいい感じになってきてはいるが。

そんなことよりKaveriは何とか来年中に出して欲しかった。おわり。

Win8関連の製品レビューなど/シャープがIGZOで4K2Kで32型のモニタを発表/LGがカラマネ系モニタに本腰など

最近、鯖の調子が悪い。

というかインプレスの頁が縦長特化しやがってくれたので見難い。

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Win8関連

・Touch8

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20121206_577573.html

http://www.mvpen.co.jp/touch8/

ノートPCに増設するタイプのタッチペン。ペンの位置(距離)を検出するタイプのポインティングデバイスなので、かつてのライトペンとは原理が全く異なる。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%9A%E3%83%B3

線は付いてないし光らないけども、まあ使い方はライトペン。マルチタッチというわけでもないし。
ただし精度的にどんなもんだかよくわからない。

サイズの制約からノートPCでしか使えないが、17インチまでなら大抵のノートに使えると思われる。

・Iconia W700

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hothot/20121127_575331.html

i3のWin8タブレットで、i5製品よりはスペックを抑えた分安い。性能的にどんなもんかと思ったけど、64GBの割にストレージのスコアが高く、CPUの劣勢をある程度カバーできている感じ。問題は容量だろうか。エクスプローラで見たら残りは40GB程度らしい。

i5のUltrabookより電池はもつ感じかな。その辺のバランスを考えると、モバイル的にまあまあな構成と言えるのかもしれない。

・Aspire S7

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hothot/20121207_577630.html

Acerの変態日本語キーボード配列に触れるレビューは少ない。と思ったら、今回のはいつもより更に悪化しているのか。

CPUは速いものの電池は他と同じなので、TBかかるとどんどん稼働時間が減りそうな気はする。まあi5はみんなそうか。またRaid 0で64GBを2台積んでるが、あんまり優位性が感じられなかったりもする。

・Surface with Windows 8 Pro

http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20121130_576535.html

2013年1月発売予定で、スクリーンは10.6インチ、CPUはi5。64GBの899ドル、128GBの999ドルの2モデル、キーボードカバーは別売りだがタッチペンは付属する。

発売時期、値段と付属品関係の情報が初出かな。あと正式名称が長ったらしいので、結局Surface Proと呼ばれるのではないだろか。

特別に戦略的な価格というわけではないし、ハードの出来そのものを別にすると、あまり特筆すべき事はなさそうな印象だ。

なお11月末頃に次世代製品の噂も出ていて、

http://jp.techcrunch.com/archives/20121203microsoft-rumored-to-deliver-three-new-surface-tablets-in-2013/

RT2は8.9に小型化してクアルコムのCPUが採用され、Proは11.6にやや大型化してAMDのTemashが採用され、その上にSurface Bookなる14.6(マルチタッチ付きか?)のUltrabookのハイエンド製品が追加されるとされていた。
この情報が正しい前提で言えば、iPhone/iPadのような1モデル展開から上下のラインナップを揃える普通のPC的な製品展開に変わる。RT2以外は解像度を一段ずつ上げてくると予想しておこう。でないと競合との差別化も中途半端になるし。

発売時期は微妙なところだが、それぞれ現行モデル発売から1年後ぐらいに出てくると仮定すれば、TemashやHaswell搭載でスジツマは合ってくる。

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シャープがIGZOで4K2Kで32型のモニタを発表

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20121128_575609.html

弾になりそうな製品はとりあえず発表しとけ、という感じの最近のシャープ。

このクラスはもはや高いのか安いのかさっぱり判断付かないのだが、アドセンスのリンクからEizoの36型4K2Kモニタというのをクリックしていくと、

http://direct.eizo.co.jp/shop/c/cFDH3601/

FDH3601というのが出てきた。DuraVisionという産業用モニタのラインで、36.4型。こちらもバックライトはLEDだが消費電力は標準162W、最大350W。重量は27.9kg。

ハード自体は37型と32型のテレビの差ぐらいはあるとして、消費電力はシャープの方が低く、軽い。価格差は、こっちが252万するから、5倍以上違う。ただし表示品質の差は不明。
といったところ。他のデジタルサイネージ用?みたいのは、サイズがでかくても解像度1920×1080がほとんどで比較対象にならないため、結構安い感じではある。IGZOは製造コストも下げられるという話だったので、その辺が効いてるのかもしれない。

価格の30インチ以上のリスト。

http://kakaku.com/pc/lcd-monitor/ma_0/s1=30-/s3=2073600-/s2=1/

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LGがカラマネ系モニタに本腰など

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20121205_577352.html

27EA83-Dが27インチ2560×1440の10bitパネルでハードキャリ付属で7万とか価格破壊過ぎだろ…と思ったけどこれでも高いと感じる人が多いようで、どこまでデフレなんだという感が以下略。
某社とか某社が他に使い道が全くないキャリブレーションソフトまで別売りにしてきた歴史をしらんのかと。
しかし個人的にはムラ補正以下略。
23ET83V-Wは、多分同じクラスの23タッチパネルを使った製品がAcerからも出てる。

http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/news/news/20121206_577524.html

Dellのも23だった。全部中身が一緒かは定かでないが、今のところWin8以降のマルチタッチ液晶は23ばっかり。

そして29EA93-Pはシネスコの縦横比をどうすんのかという感じだが、ゲーム機を2台、D4で繋いで、モニタ1台で2画面対戦/coopという使い方はどうだろうか。

インド海軍向けMiG-29Kの艦上トライアル完了およびMiG-29UPGの進捗/HALがジャギュアのDarin III改修機を初飛行させる/インドの軽航空機レーダーシステム入札について/RAAFのC-130Hが正式に退役

インド海軍向けMiG-29Kの艦上トライアル完了およびMiG-29UPGの進捗

http://www.flightglobal.com/news/articles/mig-29k-carrier-trials-for-india-completed-378416/

ヴィクラマーディティヤの方は引渡しが更に延期となってしまったが、艦載機の試験は予定通り進行し、10月で一通り完了ということになったようだ。

また2008年3月契約の、空軍型MiG-29のアップグレード改修、UPG型は、RAC MiGのLukhovitsy工場にて最初のバッチとなる6機分の作業が完了した。今回の発表が行われたのはこの工場で、10月25日のことだった。
アビオニクスはMiG-29Kとだいたい共通となり、ロシアの技術協力のもと、インドで改修作業のうち90%を行うことになっている。

予定では、2017年末までMiG-29/35の製造がピークということで、金額にして合計60億ドル以上の取引が関係するという。
内訳は、まずインドおよびロシア海軍向けのMiG-29Kがあり、2013年には最初のロシア空軍向けのMiG-35を引き渡すことになっていて、2014年にかけてロシア空軍の追加発注を期待している。

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HALがジャギュアのDarin III改修機を初飛行させる

http://www.flightglobal.com/news/articles/hal-conducts-maiden-flight-of-upgraded-jaguar-fighter-379631/

インド空軍のジャギュア近代化改修は、Darin IIIと呼ばれる仕様で、ミッションコンピュータ、エンジン、コクピット計器とデジタルビデオレコーダ、INS/GPS航法システム、オートパイロット、RWRなどを一新、電源も強化される。

設計から改修までの全作業をHALが担当することになっており、オーバーホール部門が実際の改修を、Mission & Combat System Research & Design Centreが設計を行う。

現状ではエンジンはアドーア811のままだが、本命の代替エンジンはハネウェルF125INとする方向で交渉中。
F125INについてはハネウェルがメーカーサイトを開設している。

http://www.honeywellforjaguar.com/

ホットスクランブル時の離陸滑走距離は23%短縮、推力は17~40%の増加、航続距離は36%の増加、最大ペイロードは2000kg増加などと主張している。
改修機数は125機分なので、エンジンの数では250基以上ということになる。

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インドの軽航空機レーダーシステム入札について

http://www.flightglobal.com/news/articles/india-to-compete-follow-on-aerostat-radar-deal-378530/

インドでは、過去にラファエル製の軽航空機(気球)搭載レーダーシステムを2セット導入したが、2011年に運用上の問題と経費・修理費に関わる報告が出されている。
その後の詳しい展開は不明だが、インド側としては別のシステムの導入を検討する方針に傾いており、2013年中頃の入札という非公式な情報も出てきている。

このシステムは、低高度を飛来する脅威(航空機と巡航ミサイルを含む)の探知を主眼とするもので、新たに入札が予想されるメーカーには、BAEシステムズ、IAI、LM、ノースロップグラマン、タレス、ロシア(Rosboronexport)が挙げられている。さらにラファエルも、新型レーダーを含むタイプの提案で応じる模様。

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RAAFのC-130Hが正式に退役

http://www.flightglobal.com/news/articles/pictures-raaf-retires-c-130h-after-34-years-of-service-379634/

RAAFのC-130Hは、導入から34年が経過しており、東ティモール、イラク、アフガニスタンへ展開したほか、人道支援にも活躍した。バリ島やカンボジアからのオーストラリア国民の避難に用いられた事にも触れられている。

これらの機体のうち、4機がリファービッシュ処置後インドネシアへ譲渡され、2機はRAAFリッチモンドで訓練任務に就き、4機はポイント・クックの博物館に送られた。
2012年末で退役となるのは6機であるが、これらもインドネシアへ譲渡される方向で進んでいるようだ。

退役は当初のスケジュールよりも早いため、早期退役という形になっている。これにより節約できる4年間の維持費は、2億5000万オーストラリアドルとのこと。
C-130Hに代わる輸送機部隊としては、C-130J×12機とC-17×6機で、さらにC-27J×10機の追加も決まっている。

X-47B UCAS-Dが初のカタパルト離陸を実施する/USNが次期大統領専用機VXXのRfP(草案)を発出/米陸軍がUH-72Aを追加発注/国防総省の調達部門の長がBCAによる一律予算縮減措置に対して楽観的な見解を示す

X-47B UCAS-Dが初のカタパルト離陸を実施する

http://www.flightglobal.com/news/articles/video-x-47b-ucas-d-conducts-first-land-based-catapult-shot-379621/

11月29日、NASパタクセントリバーにおいて、X-47B UCAS-D (AV-1)のカタパルト試験が実施され、成功と発表された。

11月26日にはAV-2が艦上試験に備えてCVN-75、H.S.トルーマンに積み込まれている。

http://www.flightglobal.com/news/articles/us-navy-loads-x-47b-ucas-d-onto-uss-harry-s-truman-379511/

http://www.youtube.com/watch?v=sP3BaiigImg

映像では、カタパルト試験の方が#501のAV-1 なのが確認できる。確か計画では、AV-1がソフトウェア開発、カタパルト離陸とアレスティングフックによる模擬着艦試験などを受け持ち、艦上試験はAV-2が受け持つという事になっていたはず。

http://www.aviationweek.com/Blogs.aspx?plckBlogId=Blog:27ec4a53-dcc8-42d0-bd3a-01329aef79a7&plckPostId=Blog:27ec4a53-dcc8-42d0-bd3a-01329aef79a7Post:dec2c93e-3974-4732-9f9b-ceb544699dec

最初の艦上試験とデモンストレーションは3週間ほどの予定となっており、発着艦は2013年に実施される計画。

http://www.aviationweek.com/Blogs.aspx?plckBlogId=blog:27ec4a53-dcc8-42d0-bd3a-01329aef79a7&plckPostId=Blog:27ec4a53-dcc8-42d0-bd3a-01329aef79a7Post:3f3c892e-bc9a-47a8-99b9-1ecffdfd7acd

ちなみにコントローラはこんな。

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USNが次期大統領専用機VXXのRfP(草案)を発出

http://www.flightglobal.com/news/articles/us-navy-releases-draft-rfp-for-presidential-helicopter-379466/

VXXに関する正式RfP(FY2013中と予想されている)の前段として、草案段階のRfPがリリースされた。

現用の大統領専用ヘリコプター、VH-3DとVH-60Nを更新するもので、RfPの内容として特徴的なのは前回の失敗を踏まえて(というかUSN側の要求が後付かつ無茶過ぎたという話もあったが)、既存の機種で、主要部分(駆動系、ローター、エンジン、エアフレームなど)の大がかりな改修を含まないことが推奨されている点。

VXXを担当するNAVAIRのPMA-274オフィスでは、NAWC-ADとの連携で大統領専用ヘリコプターの通信装置を開発することになっている。これは既存のアナログ無線端末と秘話通信装置が組み込まれたものだが、RfPの草案ではデジタルの、IPベースの通信装置も求められているとのこと。

ボーイング、ベル、アグスタウェストランドとシコルスキーが入札に応じると見られ、このうちシコルスキーはLMとチームを組んで、いち早く声明を出した。曰く、S-92はFAAの厳格な安全基準であるFAR29に適合、これはヘリコプターとしては数少ない特徴で、安全性、信頼性などを含めてVXXの要件を満たすものである、と主張している。
VXXの経緯については省くが、S-92の軍用タイプH-92は、US101/VH-71選定時に競合した機種であり、これがキャンセルされた直後にVH-92という提案で復活したもの。

対抗する提案はだいたいボーイング主体と予想されており、AW101の再提案、CH-47またはV-22ベースの改修型といったものが候補として考えられてるようだ。

実績で言えばCH-47系ではあるが、でかいし運用コストも高そう。政治的にはVH-92かねやっぱり。

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米陸軍がUH-72Aを追加発注

http://www.flightglobal.com/news/articles/us-army-buys-34-uh-72s-from-eads-379014/

これも実はアフガニスタンがらみで、米国本土のUH-60とOH-58を州兵も含めてかき集めて派遣しているため、米国内では平時の任務(救急輸送、小規模の輸送など)を行う機体が足りなくなった。その穴埋めとして採用されたのが戦闘を想定しないEC145/UH-72Aということになる。そういう経緯でありつつ、EADSはここまで243機を納入したので、数は馬鹿にできない。今回は34機を追加発注するとのことで、金額は1億8200万ドル。

EC145は、米国内では救急ヘリコプターとして人気があるので、ある意味本来の得意分野での採用となっている。

UH-72A(正確にはパワーアップ版のEC145T2)をベースにした武装偵察型がAAS-72X+ということになるが、こちらが採用されるかはまだわからない。

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国防総省の調達部門の長がBCAによる一律予算縮減措置に対して楽観的な見解を示す

http://www.flightglobal.com/news/articles/top-pentagon-official-believes-sequestration-can-be-averted-379566/

Credit Suisse conferenceというので、国防総省の偉い人が述べたコメントの記事。

米議会がBCAをいじらない限り、1月2日には予算縮減が実施されることになっているにも関わらず、国防総省ではわりと何とかなるだろう的なムード、ということでいいのだろうか。

財政の崖と同じく、実際にはそこまで行くわけがないというか行ったら終わりなのがわかってるから(基本、軍人の給料以外はバッサリ)いうのが根拠っぽいものの、オバマ大統領は再選するわ、議会はねじれっぱなしだわで、いったいどう収拾をつけるのか、具体的な道程はさっぱり見えない。BCAは法律に過ぎないので、改正すればすむ話ではあるが。

また上の記事と同じ場で、新型軍用機の開発に出資するという内容の話もしたそうだ。

http://www.flightglobal.com/news/articles/pentagon-to-invest-in-new-prototype-aircraft-designs-379569/

軍用機開発についてのノウハウが失われることを懸念しての措置で、高性能航空機や攻撃ヘリコプターが例として挙げられている。

デンマークはリンクス後継にMH-60Rを選定/AW169原型3号機、AW149開発状況/バングラディシュ陸軍向けのAS365 N3+ ドーファン/最初の民間向けMi-171がインドネシアに納入される/ユーロコプターX3の今後の展開など

デンマークはリンクス後継にMH-60Rを選定

http://www.flightglobal.com/news/articles/denmark-confirms-mh-60r-selection-to-replace-lynx-helicopters-379331/

11月21日、デンマーク国防省は、現用のリンクスを更新する海上輸送ヘリコプターとしてMH-60Rを選定、金融省の承認を得たと発表。リンクス後継には、ウェストランド系の直接の後継機種であるAW159リンクス・ワイルドキャットも提案されていたが、これは選定されなかった。

今回選定されたMH-60Rは、2016年から2018年にかけてKarup空軍基地にて9機が引き渡され、2017年から現用のリンクス90B(7機が現役)と交代し始める事になっている。

この機種はオーストラリア海軍でも24機が採用され、元々のUSN向けと合わせて170機ほどが配備されている。こちらはS-70Bからの更新という形だったが、リンクスの後継に収まったのはデンマークが多分初。

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AW169原型3号機、AW149開発状況

http://www.flightglobal.com/news/articles/picture-third-aw169-prototype-takes-to-the-skies-379452/

11月23日、AW169の原型3号機がイタリアのCascina Costaにて初飛行に成功した。飛行時間は35分程度。
メーカーのアグスタウェストランドからは、原型4号機は2013年初めの初飛行を予定し、2014年の型式証明取得と納入というスケジュールに変化はないとの公式発表が出ている。

2010年7月にロンチされたこの機種は、6tonのAW139と10tonのAW189の下の、4.5ton級10人乗りで、ユーロコプターのドーファンまたはEC145に対抗する。エンジンはPW210の双発。

原型1号機は5月、2号機は7月初飛行で、累計飛行時間は100時間超。この原型3号機は折りたたみ式の降着装置を有しており、主に人工気象室での試験に供される。具体的には寒冷地及び高温・高地試験、カテゴリーA性能試験、その他オプションの型式証明などを予定している。

AW149の方は、軍用のAW189の原型機4機のうち、2機が民間向けのAW149に近付けた仕様で製作されており、これらの累計飛行時間は800時間を超えた。2013年中頃の型式証明を目指す。

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バングラディシュ陸軍向けのAS365 N3+ ドーファン

http://www.flightglobal.com/news/articles/picture-bangladesh-army-inducts-two-eurocopter-dauphins-379585/

写真の提供元はユーロコプター南西アジアとなっている。シンガポールに拠点を置き、フルモーションシミュレータを含む地上での訓練は、ここで行われるとのこと。

蛙っぽいカラーリングだな。

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最初の民間向けMi-171がインドネシアに納入される

http://www.flightglobal.com/news/articles/pictures-russian-helicopters-delivers-first-civilian-mi-171-to-indonesia-379483/

ロシアンヘリコプターは、Mi-171の民間型をインドネシアの鉱業会社に納入したと発表した。顧客名は明らかにされていない。

写真では機体にAIRFASTという文字が見えるが、これはチャーター会社のエアファスト・インドネシアの塗装とのことで、機体の運用と整備を行う契約を結んでいると考えられる。
鼻先がMi-8から引き継がれたガラス張りで、外見はかなり伝統的なイメージだ。キャビンも丸窓だし。

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ユーロコプターX3の今後の展開など

http://www.flightglobal.com/news/articles/ila-eurocopter-test-pilots-praise-x3-handling-376412/

9月のILAの記事だが、計画のまとめになっているので遡ってメモ。

X3のテストパイロットを務めたHervé Jammayra氏は、同機がほぼ事前のシミュレータ通りの挙動を示したことと、固定翼機並の加速性能を賞賛している。

7月から8月にかけての北米デモンストレーションツアーを終え、飛行時間は2年間で120時間に達したとのこと。

また飛行中の動力の配分に関して幾つかの情報が出てる。
設計上の目標速度は220kt、時速400kmだったが、これは最大出力の80%ほどで232ktを達成できた。
メインローターとプロペラの動力配分は速度域によって変化する。小翼の発生する揚力は最大で40%を占め、つまりメインローターの揚力は減少するわけだが、今度はプロペラの方で対気速度を維持して揚力を保つためのパワーが増大する。
一方、巡航時のメインローターは出力25%程度で済み、ピッチを減らせるので、振動がかなり抑えられるという。

こうして見ていくとわかる通り、小翼の面積は設計上、かなり重要な要素と考えられた。また小翼の追加はオートローテーション特性の変化(減少)にも繋がるとされている。
これについて、試験を担当したエンジニアのDominique Fournier氏によると、X3のオートローテーション特性は、ドーファンとほぼ同様であることが飛行試験で確認されたとのこと。

http://www.flightglobal.com/news/articles/ila-eurocopter-plans-x3-type-helicopter-during-next-seven-years-376405/

ユーロコプターのCEOは、次の6~7年で実用機に発展させる事を示唆したものの、型式証明に時間を要する可能性があるとも発言している。

どんな機体になるか、という点については、はっきりした回答を出さなかったが、X3のような中型機だけでなく、小型から50人乗りといった大型まで対応できるとする。

とは言えガス・油田向けが最初の目標であることには変わりないようで、原油価格が1バレル80ドル以上といった水準であれば、調査目的での長距離進出に対するニーズが高まると考えている模様。
この他には、高速性能がVIP輸送やSARといったミッションにも適応するとも述べている。

RAFのプーマHC2引き渡しと訓練について/チヌークHC4がアフガニスタン向けの運用訓練を開始/英陸軍のアパッチAH1改修について

RAFのプーマHC2引き渡しと訓練について

http://www.flightglobal.com/news/articles/raf-to-launch-puma-hc2-training-in-mid-2013-379134/

英MoDは、ユーロコプターで改修された3機のプーマHc2を9月に受領した。これは2009年の契約の最初の分に当たる。ユーロコプターの社内検査が7月6日に完了したあと2ヶ月経っている。
RAFはQinetiQ運営下のボスコムダウンにてこれを受領し、飛行試験を実施中。

http://www.flightglobal.com/news/articles/uk-mod-receives-first-upgraded-puma-hc2-376448/

HC1からHC2へのアップグレード改修は全部で24機、金額3億ポンドで、エンジン、アビオニクスとコクピットの変更と2025年までの運用寿命延長が含まれる。
あと21機の改修が残っているが、4機をフランス、残りをルーマニアの子会社ブラショフにて実施する。

MoDの発表では、HC2の訓練は2013年中頃からスタートする予定で、2年かけて運用を拡大する計画。ただしスケジュールは若干遅れ気味だそうだ。

プーマHC2は、チヌークHC4/HC6とともにRAFの次世代輸送ヘリコプターとして位置付けられる。AW101もあったが、これは海軍へ移管される事となった。

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チヌークHC4がアフガニスタン向けの運用訓練を開始

http://www.flightglobal.com/news/articles/uk-readies-upgraded-chinooks-for-afghanistan-debut-379136/

英MoD(DE&S)によると、RAFのチヌークHC4が、アフガニスタン向けの運用訓練を米国で開始したとのこと。現状のHC4は、6月にIOCを獲得した後、7機が引き渡され、12機が改修中とされている。

これらRAFのHC4は、HC2/2Aの46機からアップグレード改修される予定で、新造のHC6も14機を発注した。改修計画はジュリアスと呼ばれている。改修内容はエンジンの強化、アビオニクスとコクピット改修など。

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英陸軍のアパッチAH1改修について

http://www.flightglobal.com/news/articles/uk-weighing-options-for-apache-attack-helicopter-upgrade-379558/

英陸軍航空隊AACはアパッチAH1を67機導入し、2004年10月にIOC獲得を宣言したが、AH1の仕様は米陸軍のAH-64D Block I相当だった。米陸軍のAH-64Dは今後Block III(ディジグネーションはAH-64Eに変わるみたい)仕様に切り替えられ、Block Iは2017年で第一線から離れる事が決まっている。つまりBlock I仕様のままでは運用・維持が困難になっていくことが予想される。
同様の話はイスラエルのAH-64にもあった。

これに対し、AACとしてはcapability sustainment programme (AH CSP)によって2040年までの運用を目指すとしており、アップグレード改修内容の技術的詳細は詰めの段階に入っている。最小限の改修に留めたい意向で、2014年初頭に仕様を確定、予算も同年中に判断する予定とされる。
一応、代替の攻撃ヘリコプターを導入する選択肢も残されているようだが、予算的に可能なのかはよくわからない。E型の導入を指してるのかも。直近でチヌークの時、改修+新造機発注という形になった前例はある。

アパッチの実働部隊は、SDSRの結果、5個SQから4個SQ(2個連隊に分割)への削減が決まり、2014年末のアフガニスタンからの撤退後は減勢とする姿勢がはっきりしている。アフガニスタンにおけるAH1の戦歴は、2006年5月のヘリック作戦以来で、飛行時間は累計10万時間に上る。2011年にはHMSオーシャンからリビアでの作戦にも参加した。

CSPには、次期ARHのリンクス・ワイルドキャットとの連携による、アフガニスタン戦以降の戦術コンセプト開発も含まれており、AHの役割は更に広範なものになるとも言われている。

なお公式なアパッチAH1の現有機数は、2008年に着陸失敗した機体が退役したため、1機減って66機。