Synergy Aircraft
http://www.gizmag.com/synergy-aircraft-efficient-flight/22541/
Synergy Aircraftは、独自の設計思想に基づく個人用航空機をもって、民間航空機業界への参入を計画している。
その中心となるのはダブル・ボックステールと称する一種の結合型複葉主翼であるが、左右の翼が独立したボックスを形成している。胴体、主翼の形状・配置とも亜音速エリアルールに沿って設計され、複葉の両端を胴体と翼端で結合したいわゆるボックスウイングよりも、安定性に優れるという。すべて誘導抗力を極限まで低減することを主眼として考えられているそうだ。
アスペクト比は大きくなり、グライダーに近い。Synergy Aircraftではこの設計により、平均的な構造の小型ジェット機に比べて効率で10倍もの優位性があると主張している。エンジンはジェットエンジンも可能としつつ、ターボプロップが最適とされている。
開発状況は、スケールモデルによる試験が既に完了。現在は5座クラスの原型機製作に進んでいる。
公式頁にフライトの様子などが出ている。
http://www.synergyaircraft.com/index.html
やや煽り過ぎの感もあるが(しなじーとかいう単語自体が既に少々若干アレ)、まあこういうのが出てきた方が色々面白い。とは思う。
2010年のオシュコシュでも展示されてたみたいだ。
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LEMVの初飛行が6月に予定される
http://www.gizmag.com/lemv-first-flight/22675/
フロリダ州タンパで催された業界向けカンファレンスにおいて、ノースロップグラマンは自社のLEMV原型機が、6月6日から10日までの期間に、レイクハーストにて最初の試験飛行を実施すると発表した。
初期の試験飛行の後はフロリダへ移動し、カメラと通信装置などを搭載するゴンドラを取り付け、初冬には無人での大西洋横断飛行が予定されているとのこと。
LEMVは、米陸軍向けではISRプラットフォームとして開発が進められている一方、カナダのDiscovery Air Innovationsは昨年9月、LEMVの重量物輸送機型を導入することで合意している。
http://www.gizmag.com/hybrid-air-vehicles-airship/19746/
2012年から建造を開始、2014年から商用運航する計画。遠隔地への大量貨物空輸が考えられている。
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Volta Volaré GT4 ハイブリッド動力機
http://www.gizmag.com/volta-volare-gt4-hybrid-airplane/22416/
http://www.popsci.com/technology/article/2012-04/inside-first-production-ready-electric-airplane
Volta Volaré GT4は、常時モータでプロペラを駆動し、バッテリ残量25%を切った時点からエンジンが回るというシリーズハイブリッドの動力源を持つ。この場合のエンジンは、レンジエクステンダと呼ぶのが正しい。ガソリンエンジンで、排気量は1.6リッター。バッテリのみ(離着陸含む)で300マイルの飛行が可能で、23ガロンの燃料タンクを使い切れば1000マイルほど航続距離を増やせるようだ。
EViation Driveと称するモータが唯一の稼働部品になるので、オーバーホール間隔(TBO)が通常の内燃エンジンより10倍ほど長くできるとしている。
このほど受注がスタートしたとのこと。予価は49万5000米ドル、年内に11機、2013年に36機を製造することになっている。
機体の基本的な形態は、後退角の付いた主翼にスタビレータが立てられ、でっかくなったバリEZみたいな感じで、カナードに推進式プロペラが付いている。
また、EViation Driveは2つの小型モータを組み合わせてアルミ合金製の1つのハウジングに収めたもので、最大出力450kW(離昇時出力に相当か)、巡航出力300kWとされ、20世紀に製造されたあらゆる動力源よりも高効率であると主張する。よくわかんないけど双子発動機チックだ。
バッテリの仕様はリチウムポリマーが236セルで、重量にして900ポンド。機体の自重が2600ポンドだから、その1/3強をバッテリが占めることになる。
性能としては、最大速度(海面高度)は210kt、巡航速度(12500ft)は160ktなどの数字が出てる。
記事中で比較対象になっているセスナCovails TTXというのは4座の小型機で、TTの後継機。固定ギアとしては世界最速と自称しいる。
http://www.gizmag.com/cessna-ttx-corvalis/22076/
それはともかくとして充電はどうすんのかしら。まあ電線無くてもガソリンが手に入れば自前で充電できるけど。
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リノの墜落事故調査報告がまとまる
http://www.gizmag.com/reno-crash-update/22113/
2011年9月11日、ネバダ州リノのエアレース、アンリミテッドクラスの決勝において、P-51D改造レーサーのGalloping Ghostが墜落、パイロットと、観客席の10名が巻き込まれて死亡するという事故が起こった。この事故調査について、4月の話になるがNTSBが最新版を公表。
直接の事故原因は、事故機が最終コーナー(パイロン8、9)を旋回中に振動が発生し、左エレベータのトリムタブが脱落したこと。結果、瞬間的に機首上げ姿勢となった際の高gでパイロットが失神し、コントロールを失い墜落‥とされている。テレメトリデータでは、この時の最大gが制限値の9gを超えていたとのこと。
また人的な要因としては、決勝において事故機のパイロットが、クオリファイを上回るペースで飛ばした事も挙げられている。ただこれはどのチームもギリギリまで追い込むのが通例なので、潜在的な危うさは変わらないかもしれない。
今のところエアレース自体の中止という方向ではなく、機体の安全確保とコース設計の修正といった再発防止対策が示されている。とりあえず観客席は遠ざけられそうだ。
Galloping Ghostに関しては、エンジン出力の向上の他、スパンの切り詰めとキャノピ小型化などの改造が行われていた。
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ついでだから4月の「空飛ぶ自動車」ネタふたつ。
・TERRAFUGIA
http://www.terrafugia.com/news_media.html
一般メディアでも報じられたと思うが、結構いいところまで進んできた。納入まであとちょっとらしい。
・PAL-V
馬鹿っぽさではこっちが圧勝。この1950年代っぽさがたまらぬ。