マレーシアがR-77 RVV-AEを発注/インドが多用途双発ジェット機のRfIを発出/トルコ空軍にT-38Mが引き渡される/Yak-130の受注見込についてイルクートがコメント

マレーシアがR-77 RVV-AEを発注

http://www.flightglobal.com/news/articles/malaysia-orders-35-r-77-air-to-air-missiles-for-su-30-fleet-370927/

マレーシア空軍はSu-30MKMを保有しているが、その搭載兵装としてロシアにR-77 RVV-AEを35発発注したとのこと。金額は1億600万リンギットというから3500万ドル相当。R-77はいわゆるアムラームスキー、NATOコードではAA-12。

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インドが多用途双発ジェット機のRfIを発出

http://www.flightglobal.com/news/articles/india-issues-rfi-for-nine-multimission-turbofan-aircraft-370928/

ジェット機と書いたが、記事ではturbofan aircraftとある。求めている機数は全部で9機で、2機がSIGINTプラットフォーム専用、残り7機が監視と標的曳航を主任務とし、うち3機は通信妨害装置(COMJAM)を有す、とある。

任務は違っても機種は共通の1機種で、インド特有の事情として、熱帯から標高の非常に高い山岳地までの運用を前提としている。
またCOMJAMの中では、フレアディスペンサ(自己防御装置?)を有することや、通常の運用の範囲で貨物や人員輸送に転用可能とし、厨房とトイレを備えた15名程度の人員輸送能力というのも要求されている。

SIGINT能力としては、最高水準の高度に自動化されたシステムを要求しており、その中には地上とのデータリンクも含まれている。

RfIの締切は5月24日。

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トルコ空軍にT-38Mが引き渡される

http://www.flightglobal.com/news/articles/picture-turkish-air-force-receives-upgraded-t-38m-370997/

T-38Mは、TAIが近代化改修を担当したT-38Aで、2007年に契約が交わされていたもの。改修によりT-38Mは、2020年以降までの運用が可能となる見込み。Ariアップグレードと呼ばれており、55機の改修が計画されている。Ariとはミツバチの事らしい。

主な改修内容としては、新型セントラルコンピュータ、MFD追加、HUD追加、HOTAS化、通信/航法系の近代化で、エアフレームの寿命延長も含まれてると思われる。コクピット周辺をそっくり入れ替えた感じ。

まず改修試作2機と量産改修3機がトルコ空軍に引き渡され、2013年いっぱいまでかけて改修作業が実施される見通しとなっている。
現用のT-38Aは67機とのことなので、機数は若干減じることになる。T-38Mの後継機については、2020年代半ばからの導入を検討中。単にT-Xと呼ばれてるようだ。

米軍とは機数も環境も違うとはいえ、えらく安直に改修してる感じはある。

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Yak-130の受注見込についてイルクートがコメント

http://www.flightglobal.com/news/articles/more-than-10-nations-considering-yak-130-says-irkut-boss-370980/

Yak-130は昨年末、ロシア空軍から55機を受注、初の輸出としてアルジェリアに16機を引き渡しているが、今年はさらに10ヶ国程度の海外顧客からの受注が見込まれてるという話。
ただし通例から考えると、売り込んだ時点で受注見込み、みたいな発表になってる可能性は否定できん。

具体的な国名は言及されていない。この中にはシリア国内のゴタゴタ(1年続くとは…)で棚上げに近い扱いになった分が含まれていそうだ。その他にはバングラディシュ、以前の情報では中東、ラテンアメリカ、アフリカ諸国という話が出ていた。フィリピンに対しても売り込みがかけられている。

プロモーションの一環として、RIATとファーンボロエアショーに出展予定だそうだ。

Ivtbridgeがロンチ、情報解禁/TrinityとBrazos2.0の出荷がアナウンスされる

Ivtbridgeがロンチ、情報解禁

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20120424_528663.html

95W云々はリーク元を探る嘘情報の類だったのだろうか。よくわからんが、供給量もそこそことのことで、事前の噂を全て覆して発売する事になった。
だとしても95Wの嘘シールまで作ってやるか?という話でもあるが。

モバイル版i7は4C8T、TDP55W~45W。なかなか高価。熱くなりそうだが、それなりのパフォーマンスも期待できそうだ。
普通ならデスクトップ製品で事足りそうな代物なので、モバイルWS向け?
最下位の3720QM入りノートは、ドスパラですら14万する。

例によって国内メディアは無理して持ち上げ過ぎな感がある。そこまでせんでも売れるだろというか褒め殺しレベル。
製造技術的な飛躍は大きいものの、チップセットを含め、所詮は改良型の世代だから、本命Haswellに違いはない。
某社のHVもそうだけど、いくら広告料が大事でも加減というものがあると思います>メデアの人。

ということで、海外レビュー恣意的抜き出し。

・HD4000のベンチ(Anandtech)

http://www.anandtech.com/show/5771/the-intel-ivy-bridge-core-i7-3770k-review

HD3000からの性能向上幅は、演算ユニット増加分がそのまま効いてるのとそうでもないのがあって、平均で見ると公称通りとまでは行かなかった。ローエンドVGAならもう不要、という程度に留めるのが妥当かも。消費電力の低さは結構凄い。機能面でも周回遅れを脱しつつある。OpenCLとかDirectComputeが強いのは将来的にメリットあるか?
A6とかのLlanoに相当する感じであるが、Trinityの登場でまた少し差は広がる。そしてAシリーズと価格的に競合するのは、HD2500内蔵の製品だしなあ。SandyBridgeの例からすると、そのうちHD4000のi5やi3が追加されるとは思うけど。

・i7-2700Kやi5-2550Kと比べてどの程度速いのか(Tom’s Hardware)

http://www.tomshardware.com/reviews/ivy-bridge-benchmark-core-i7-3770k,3181.html

ワットパフォーマンス向上まで考慮すると、結構な伸び。
絶対パフォーマンスではそうでもないから、個人ユースでの影響は限定的になる。例えば、できるだけ小型の筺体で高性能なのを組みたいといった要求なら意義はあるが…

Sandybridgeは比較的早期にフェードアウトする計画らしいから、それ以降はIntelの言い値で買う時代になるかもしれん。
とは言え昨年1年はPC市場の成熟化に伴ってか、性能面で大きな優位を持ちつつも、じわじわと実売価格が下がる展開だったので、待ってれば安くなるのかも。セット値引きも過熱気味だった。

ちなみに発売当初のSandyBridgeODM単価。

http://pc.nikkeibp.co.jp/article/news/20110105/1029451/

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TrinityとBrazos2.0の出荷がアナウンスされる

http://blogs.amd.com/fusion/2012/04/19/amd-%E2%80%9Ctrinity%E2%80%9D-and-%E2%80%9Cbrazos-2-0%E2%80%9D-heading-your-way/

ちょうど1年前のLlanoの時と同じ時期なので、6月中には出回るのではないかと予想。どちらかが後先になることはあるかもしれない。
AMDのCPU/APU関連ロードマップはこんな感じ。

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/20120203_509658.html

来年2013年は、28nmプロセスでの生産が主になっていくが、年間で見ると製造面だけでなく、ローパワー系の新アーキテクチャJaguar投入とSoC化、モジュール設計第3世代のSteamroller、GCNをAPUに取り込む、HSAアーキテクチャ統合といった計画があり、大きな山場となっている。まあ、全部予定が遅れて28nm世代に固まっただけとも言うが。

28nm世代のAPUは、2012年テープアウト、低率生産開始を予定。

http://www.xbitlabs.com/news/cpu/display/20120419194944_AMD_Expects_to_Start_Small_Volume_Production_of_28nm_APUs_Late_This_Year.html

果たしてHaswellが来る前に出せるかどうか。

イスラエルはF-35に国産AAMをインテグレーションする意向/ボーイングがイスラエルのCH-53後継機としてCH-47系を提案/サウジアラビアのF-15Sアップグレード/ポーランドが軍用ヘリコプター×26機の入札/シンガポールのG550 AEWがFOC獲得/RAFのセンチネルR.1についてレイセオンUKが有用性を主張

イスラエルはF-35に国産AAMをインテグレーションする意向

http://www.flightglobal.com/news/articles/israeli-f-35s-to-carry-indigenous-missiles-370819/

匿名の情報源によると4月17日、イスラエルの装備するF-35Aは、少なくとも1つの主要な兵器システムが自国製であると述べた。イスラエル空軍は、以前から次世代AAMをF-35に搭載する意向を表明しており、それを指すものと考えられている。
詳細は不明ながら、有力なメーカーはラファエルと見られる。ラファエルはレイセオンとDavid’s Slingの迎撃体、Stunnerを共同開発しており、これは空対空兵装としての派生型もある、とされている。

イスラエル国産AAM、DerbyもPythonもラファエル製なので、主契約はほぼラファエルで確定だろう。
DerbyはPythonから発達してできたBVRAAMだが、この後継みたいな感じか?もしくはAIM-120の派生みたいなやつか。

http://www.rafael.co.il/Marketing/331-887-en/Marketing.aspx

今のところ、イスラエル空軍向けのF-35Aは、2017年前半から20機の最初のバッチが引き渡される見通しで、これに続く調達、20~25機の交渉は2013年から開始される予定。
次のバッチでは、イスラエルで開発されたEWシステムによる能力向上も計画されている。

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ボーイングがイスラエルのCH-53後継機としてCH-47系を提案

http://www.flightglobal.com/news/articles/israel-offered-chinooks-as-service-eyes-v-22-deal-370904/

イスラエルはV-22への強い関心を示しており、昨年は特殊作戦向けの評価を実施するため、パイロット他の人員を米国に派遣、徹底的な調査を行ったとされている。が、イスラエルの財政上の問題から簡単に入手可能となりそうにはないのが現状。
空軍としては、V-22を多年度契約で導入したい意向であるようだが、どうなるかまだわからない。

ここで問題となってくるのはCH-53の老朽化で、3~4年以内に何らかの決定を下す必要が生じるだろうとの見方もある。

CH-53にはK型というUSMC向けの次世代型も存在するが、ボーイングとしては座して見てるつもりは無く、CH-47Gというのを提案した模様。CH-47Gは、コクピット等が大改修されたCH-47Fの次の型という事になるが、USAFのF型とは違って新造機となり、特殊戦向けのMH-47Gの仕様も採り入れられるとされる。

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サウジアラビアのF-15Sアップグレード

http://www.flightglobal.com/news/articles/lockheed-martin-bae-awarded-contracts-to-support-saudi-f-15sa-upgrades-370494/

サウジアラビアは、新造機のF-15SAを発注する一方で、既存のF-15S×70機のアップグレード改修を実施する。APG-63(v)3搭載でFBW化されたF-15SAと同等、とまではいかないが、能力は大きく向上し、イスラエルのF-15Iの優位性はかなり薄れる。これは同国がF-35A導入に拘る理由の一つになっている。

契約は、兵装とFCS関連がLM、電子戦関連がBAEシステムズという形で分担される。
前者はスナイパーATP×95セット、小型マルチバンドデータリンク×35セット、IRSTシステム×70セット、同バイロン×75セット、およびスペアパーツで固定額4億1060万ドル。
後者はDEWS/CMWS×70セットと、その試験ステーション×3セット、およびスペアパーツで固定額3億6650万ドル。
付随して兵站や修理などに関連する契約が、地元のAl Rahaグループと結ばれている。9500万ドル。

F-15関連では4月2日、韓国空軍のFX-II契約で最後となるF-15K(2機)が引き渡されたとのニュースがあった。

http://www.flightglobal.com/news/articles/south-korea-receives-final-two-f-15k-fighters-370365/

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ポーランドが軍用ヘリコプター×26機の入札

http://www.flightglobal.com/news/articles/poland-launches-military-helicopter-tender-370379/

3月29日、ポーランドは軍用ヘリコプターの入札を開始した。陸軍の兵員輸送型×16機、空軍と海軍のSAR型×4機、海軍のASW型×3機で、合計すると26機になる。契約には5台のシミュレータと兵站支援と訓練を含み、入札締切は5月7日予定。
導入スケジュールは、2015年11月までに19機、次の1年で6機、最後はASW型×1機といった流れ。ポーランドとしては、現地生産を前提としている。

この条件であれば、シコルスキー傘下のPZL Mielec、アグスタウェストランド傘下のPZL Swidnikの2社による一騎打ち状態と見られる。それぞれS-70i系とAW149系が主力商品であり、AW149のASW型にはリンクスの装備を流用可能とのこと。

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シンガポールのG550 AEWがFOC獲得

http://www.flightglobal.com/news/articles/singapore-declares-g550-aew-fully-operational-370768/

シンガポール空軍のG550 AEWを運用する部隊は111Sqnで、TEngah航空基地に配備されている。機数は4機で、2009年から納入されたもの。1980年代に調達したE-2Cを代替することになる。

シンガポール空軍仕様のG550 AEWはイスラエル空軍向けとほぼ同等で、Eltaによれば高度41000ft、進出距離100nmで9時間滞空可能、前後のSバンドレーダーと両側面のLバンドレーダーにより、監視範囲は360度とされる。イスラエル空軍型では、オペレータは6人乗れる。

機体にはESM機器を収容したポッドや衛星通信、LOSデータリンクも追加されているが、飛行性能はほとんど損なわれていないということになっている。

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RAFのセンチネルR.1についてレイセオンUKが有用性を主張

http://www.flightglobal.com/news/articles/raytheon-touts-future-roles-for-rafs-at-risk-sentinel-r1-370715/

英国ではSDSRの結果、アフガニスタン方面の活動が終わった時点で、RAFのセンチネルR.1とシャドーR.1は早期退役となる方針が決まっているものの、メーカー側のレイセオンUKでは、本来の戦場監視と異なる任務に対しても有用であるとの主張を展開している。

現役のセンチネルR.1は5機。全てボンバルディア・グローバルエクスプレスを改造した機体であり、SAR/GMTIセンサを積んで、映像分析要員2名が搭乗。Airborne Stand-off Rader(ASTOR)システムの根幹となるISTAR能力を提供する。
RAFの5Sqnが運用しており、アフガニスタンへは2008年11月から展開、2011年3月には地中海(リビア)方面へと展開した。特にリビアでは個々のフライトが12時間以上に及ぶ事もあり、飛行時間は2000時間以上に達したという。この作戦での活動は、スカッドミサイルの発射機を捜索したり、いわゆるpattern-of-lifeのデータ収集(情報戦の領分だ)、攻撃後の評価、戦闘領域の最先端の特定など多岐にわたり、極めて効果的であったとされている。任務達成率は95%以上と良好だった。

レイセオンはこれらの実績を踏まえた上で、ASTORに新しい2つの役割を提案している。具体的には、RQ-4を柱としているNATO AGSへ英国としてセンチネルR.1を出すという案と、海洋監視機への転換という案。前者としてはほぼそのまま使えるはずだし、後者はソフトウェア改修によって十全の能力を発揮する予定となっている。搭載するデュアルモードレーダーは、それだけの能力があるという主張。
このレーダーは、U-2が搭載した側視レーダーの系譜にあたる。
AGSとしても、有人機があった方が便利かもしれん。

レイセオンは兵站支援について2016年9月までの契約があり、最近ウェールズ北部のブロウトン工場で1機(ZJ690)の改修を実施した。RAFに戻された後、1月からアフガニスタン方面へ展開し、2週間後にへリック作戦に投入されている。改修内容は明らかでないものの、ISTAR能力は強化された模様。

RAFのもう1機種のISR機、シャドーR.1については、長期的には海洋監視レーダーの搭載などで海洋監視機に転換可能としている。

http://www.airforce-technology.com/projects/astor/

USAFはUH-1Nの近代化改修についてのRfIを発出/LAS選定仕切り直しでRfP草案がメーカーに送られる/LMがMH-60R/Sの近代化改修を受注/英国向けF-35B BK-1が試験飛行を行う/ノルウェー政府がF-35の更なる価格高騰を牽制

USAFはUH-1Nの近代化改修についてのRfIを発出

http://www.flightglobal.com/news/articles/usaf-issues-rfi-for-uh-1n-modernization-370913/

本来、UH-1の後継機となるはずだったCVLSPが、FY2013概算要求から外されたことで、USAFはUH-1Nの近代化改修を正式にスタートさせる運びとなった。4月17日に発出されたRfIでは、今後30年に渡ってmission capable rateを維持するという名目となっており、2週間以内での反応を求めた。

具体的な要求事項は14~18項目あり、耐久性、航続距離、速度、全天候性能と生残性といった全般的な性能向上と、現代的な通信/航法システムの装備が含まれている。
それって要はUH-1Y相当じゃないの?という気もするが。

海兵隊で余剰となったUH-1Nを入れる計画も存在するので、それらを改修して装備するつもりなのかもしれない。

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LAS選定仕切り直しでRfP草案がメーカーに送られる

http://www.flightglobal.com/news/articles/usaf-issues-new-afghan-las-draft-rfp-to-contractors-370855/

アフガニスタンに供与するLASの選定は、一度はA-29スーパーツカノを提案したエムブラエルが勝ち取ったものの、ホーカー・ビーチクラフトが異議を唱えて白紙に戻された経緯がある。現在も係争中で、どう転んでもブラジルの航空宇宙業界と遺恨が残るのは確実。
4月17日に各メーカーに草案の段階ということもあって、内容は公開されていない。どこが変わったとかも全く不明のまま。

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LMがMH-60R/Sの近代化改修を受注

www.flightglobal.com/news/articles/lockheed-martin-awarded-new-contract-to-modernize-usn-mh-60-fleet-370490/

NAVAIRの発表によると、MH-60R(ASW型)のコクピット改修とミッションアビオニクス162機分をLMに発注した。金額は10億5000万ドル。
MH-60S(補給/SAR型)の分はコクピット改修62機分が発注済となっており、R型も同メーカーにより同等の改修が施されるという展開で、契約が修正された形となる。
背景には、複数年契約によるコスト低減があり、LMでは1年ごとに10%以上のコスト低減効果があると見込んでいるようだ。

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英国向けF-35B BK-1が試験飛行を行う

http://www.flightglobal.com/news/articles/pictures-lockheed-flies-uks-first-production-f-35-370710/

4月13日、英国向けのF-35B BK-1は、LMのテストパイロットの手により試験飛行を実施した。飛行時間は45分間。
この機体は一連の試験飛行と英国の受入検査を経て、今年後半からエグリンAFB、33FWでの訓練に用いられることになる。

国際共同計画らしくなってきたところであるが、英国MoDはF-35BからF-35Cに切り替えた後、まだB型に戻そうか迷ってる、という話が出ている。その大きな理由は、QE2級をCATOBAR空母化するコストが、試算より大きくなりそうだ、というもの。
これがネックになるなら、F-35Cじゃ高すぎるけどラファールやF/A-18E/Fならいいや、といった話ではなくなる。どう考えても、1隻だけじゃカネがかかる。

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ノルウェー政府がF-35の更なる価格高騰を牽制

http://www.flightglobal.com/news/articles/further-dramatic-f-35-cost-increases-could-force-norway-to-reconsider-programme-370856/

長々と書いてあるけど、内容としては、F-35が最高の選択肢であることに変わりはないがこれ以上騰がったらどうなるかわからんわよ、といった公式ステートメントなので一言で言うと牽制。
現時点でさえ、ノルウェー最大の防衛調達計画だった1977年のF-16導入を上回るので、経済が悪いわけじゃないとは言え、簡単にはいそうですかともならない事情がある。

調達機数は52機を予定。F-16の運用寿命は2020~2022年あたりで尽きるので、そこから逆算して決まっている。すなわち、2015年と2016年に2機ずつ、2017年に6機、以降2023年までだと年間7機ずつとなるが、2024年まで延びる可能性もある。

延期される可能性については、予算の関係ではなく、技術的な問題点が1つある。凍結した滑走路上での運用に配慮して、ドラッグシュートが欲しい、というのがそれで、まだLMは解決策を提示できていない。もし2015年までに解決されなければ、ノルウェー側としては受け入れられず、引き渡しを先送りしてでも手を打たせる事になる。
何かF-35Cのアレスティングフック問題と似た雰囲気だが、あちらがうまく行ったら何とかなるのだろうか。

他の要求事項としては、同国のJoint Strike Missleのインテグレーションと、米国が計画へ参加することを求めてる。
JSMの元のNSMは、ブラウンウォーターな領域で使うことを想定した巡航ミサイルで、艦載もしくは地上発射型。対地/対艦攻撃に対応するのが特徴だった。JSMはこれを航空兵器に変更したもので、F-35Aの兵装ベイに収まるようにできている。
21世紀のミニトマホークといった趣だ。

http://www.kongsberg.com/en/kds/products/missile%20systems/jointstrikemissile/

最後にC-130J墜落事故について触れられているが、調査はまだ継続しており、墜落原因は特定されていない。
やはり雪が解けるまで調査は難しいみたいだ。

USNがF/A-XXのRfIを発出/USN向けMQ-4C BAMS、1号機は6月ロールアウト予定/ゼネラルアトミクスがプレデターBの能力向上計画を発表

USNがF/A-XXのRfIを発出

http://www.flightglobal.com/news/articles/northrop-grumman-will-roll-out-the-first-us-navy-mq-4c-in-june-370807/

4月13日、USNはF/A-XXのRfIを発出した。2030年代のF/A-18E/FおよびFA-18Gの後継機となるもので、構想自体はA/F-Xのキャンセル後から続いていると思われるが、具体的な動きが出てきたのは初めてとなる。
引用されている文言には、A2ADといった旬なワードが含まれる。内容としては、F/A-18E/F系の後継機を1機種でという形なので、A2ADに対する絶対的な制空権の確保から対地/対艦攻撃、CASまでの高度なマルチロール性能が謳われる一方で、ハードウェアそのものにあたる部分、有人か無人か、既存機の改修か新型機は全くの不問。システムの能力と機能がコストに見合ってさえいれば、何でもイイらしい。
強いて言えば、ニミッツ級、フォード級のCVNから作戦可能であること、2030年代も現役であろうF-35Cおよび無人ISR機と組み合わせてCVWを構成することが条件となっている。
だいぶ先の話だから、検討期間も相応に長くなる事が予想され、まだそこを規定する段階ではないという事になるのだろう。同様に仮想敵の能力もはっきりしてないし。
検討の段階はAoA (analysis of alternatives)と呼ばれるそうだ。直訳すると「選択肢の分析」になる。
業界的には、次世代(第6世代?)に向けての研究がスタートしたこと自体が一大事となっている。

他には空中給油、戦術偵察、監視/目標指示(RSTA)や航空電子攻撃(AEA)といった追加的な能力も求めてるが、要するに現用のF/A-18E/F系がやってることは、できるだけ全部やらせたい、といった印象を受ける。
F/A-18E/FとEA-18Gの調達は、多年度契約も効いて、少ない機種の大量生産によるコストメリットがきっちりはまった。性能に対する疑問符が多少付いたとしても運用面でも有利となるし、次でもそういうのを想定しているのだろう。

F/A-XX開発は、2030年のIOC獲得が一応のゴールとされている。FOCに至るまでのスパイラル開発もあり。
2030年というのは、F/A-18E/Fの最初期製造分が、9000時間の運用寿命を全うする頃にあたるので、わりと厳密に決められている。というかギリギリの時期に設定してあるとも言える。

また、この時期はUSAFのF-22後継の話とも被ってくるので、またぞろDoDから機種統一の話が持ち上がる可能性もある。その場合、AoAから共同研究みたいな形になるかもしれない。しかし、NAVAIRの偉い人は微妙に否定的で、艦載機と空軍機では求められる能力が異なるのではないかと述べている。ソフトな言い方をしてるけど、UCAVやF-35のゴタゴタでもう勘弁っていうのが正直なところではないかと。近年は対地兵装の統一を除けば、失敗ばかりという感じだ。
計画段階から統合するのは無理がある。F-4Hみたいに傑出したエアフレームが出来上がればもう一方で採用する、ぐらいでないと難しそう。

F/A-XX以外では、C-2グレイハウンドの後継CCD機が必要になる。これも現在はAoAの段階で、2020年代に競争入札を行う計画だそうだ。今のところ、V-22が有力候補のひとつで、これは最近CVNからの艦上運用が承認されたというから、配備にあたっての大きなヤマは越している模様。ティルトローター機の導入はかなりの柔軟性を与えるだろう、としている。
また、EA-18Gの能力向上(ALQ-99後継のジャミングポッド)にあたる、次世代ジャマーNGJの方も6月に最終RfPが予定され、こちらは2020年までに配備する計画となっている。

https://www.fbo.gov/index?s=opportunity&mode=form&id=6eb15fee6fa9f82178fc2019f742b09e&tab=core&tabmode=list&=

続きの記事で、推進システムの重要性についての話が出ている。以下要約。

http://www.flightglobal.com/news/articles/propulsion-is-key-to-us-navys-fa-xx-370854/

一般的に言って、航空機(動力のついた乗り物全部そうだが)の性能の大部分はエンジンで決まる。より高性能なエンジンを積めば、より高速で、遠くまで、大きなペイロードを持って進出したり、長時間滞空したり、より高い運動性を達成できる。またエンジンを共通化すると艦上運用でのメリットも大きくなる。代替燃料で性能を発揮することも必要条件。
A2ADという敵性環境の中で生残性を高めるには、高性能化は必須だ。また、ステルス性とのバランスもとらなければならない。

こちらの記事ではUSN司令部の方のコメントになるが、USAFとの連携について、各要素のレベルでは共同研究の形をとり、実際のエアフレームなり機器なり装備としては、別個のプロダクトに結実させる、という可能性に触れている。落とし所があるとしたらこの辺ということなんだろうな。

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USN向けMQ-4C BAMS、1号機は6月ロールアウト予定

http://www.flightglobal.com/news/articles/northrop-grumman-will-roll-out-the-first-us-navy-mq-4c-in-june-370807/

http://www.as.northropgrumman.com/products/bams/index.html

NAVAIRの発表では、BAMS試験機の初飛行は9月予定とのことで、ノースロップグラマンからは6月14日のロールアウトがアナウンスされた。
配備計画としては、2015年12月からで、世界の4か所の根拠地(最終的には5か所)から作戦する事になる。フルに運用するためには68機が必要で、訓練用の機体は無し。シミュレータで全部済ますことになっている。

将来は通信中継機としても運用され、EP-3の任務の一部(SIGINTの一部と見られる)を担うとされるものの、詳細はまだ公表されていない。またP-8からのコントロールも将来計画であり、インクリメント3アップグレードから実装されるそうだ。

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ゼネラルアトミクスがプレデターBの能力向上計画を発表

http://www.flightglobal.com/news/articles/general-atomics-proposes-range-boost-for-predator-b-370860/

4月18日、ゼネラルアトミクスはプレデターBの2つの能力向上計画について発表した。
1つは以前発表された降着装置の強化と燃料搭載量の増加に基づくもので、滞空時間は10~15時間延長、ISR任務であれば37時間連続滞空可能という。降着装置の強化により、MTOW4762kgから5307kgまで増加する。

もう1つは、主翼の交換による滞空時間の延長。従来のスパン20.1mの主翼に対して、新しい主翼はスパン26.8mあり、滞空時間は5時間延長可能。

コストをかけずに滞空時間を延長するという自社資金での開発によって出てきたもの。少なくとも滞空時間はRQ-4並になる。
USAF向けのMQ-9については、2月の概算要求の中で今後5年間、製造ペースが大きく減速することが確実になったため、ゼネラルアトミクスとしては、何らかのテコ入れを図る必要がある。新造が無理でも、リーズナブルな既存機改修でこれだけできますよ、という感じ。

 

RQ-4のエアフレームを流用したハンター・キラーUASというのも構想だけあったけど、どうなってるのか。

http://www.aviationweek.com/aw/generic/story_generic.jsp?channel=awst&id=news/09204top.xml

スケールドコンポジット・モデル396。

IDF2012で出たモニタ解像度のスライド/Medfieldのスマートフォンが今週ロンチされる/TSMCの20nmプロセス以降の計画/Windows8の公式発表

IDF2012で出たモニタ解像度のスライド

http://www.xbitlabs.com/news/mobile/display/20120413191038_Intel_Expects_Beyond_Full_HD_Notebook_Displays_in_Coming_Years.html

1080P、いわゆるフルHD解像度が登場してから数年が経ち、1920×1080というのは、デスクトップ以上のサイズではかなり普及が進んできた。
ここでは2013年以降、モバイルデバイスも含めて更に解像度を高めていくという話になっているが、まあ有り体に言えばAppleの出してきたRetinaに便乗してフルHDというスタンダードから更に一段引き揚げようとしているわけである。ピクセルが識別できなくなる解像度と距離の関係のグラフがあるので、わかりやすい。

眼の分解能の下限は、視野角で言うと0.02~0.03度というところらしい。
グラフで見ると、35~40cmの距離で150PPI前後が必要となる。対して、その辺で売ってる液晶モニタは、100PPI前後が多い。個人的な話をすれば、ブラウザとか文字見てる分には24インチの1920×1200を70cm以上離れて見てるので、既にあんまりピクセルが認識できない。

で、Intelとしてはこれを1080Pより上の解像度を全部纏めてUHDと呼称し、その対応を進めるべくiGPU性能の向上を図ることになるが、インターフェースの帯域ギリギリの線になる。
1440Pにあたる2560×1440はデュアルリンクDVIかHDMI1.3以上、その上の4K2K、3840×2160はDisplayPort 1.2以上が必要。iGPU、LCDだけじゃなく周辺ハードウェアの側も色々やらなきゃいかん。
Haswellの代で全部達成させる必要がある。

15インチで4K2K。どうかなあ。シャープが去年からアナウンスしていて、先週に生産開始を発表したIGZO液晶は、これに近い。

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20120413_526257.html

上のグラフに当てはめれば、140dpiの32型、4K2Kだと40cmぐらいで見ても大丈夫って話にはなる。

さてここで問題になりそうなのは、メモリインターフェース。DDR4も当分先となって、もはや正攻法では帯域を増やせない。キャッシュのようにメモリを取り込むという噂も出たが、コストがかかる。
まあ解像度増すだけならメモリが多ければ大丈夫かもしれんけど。

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Medfieldのスマートフォンが今週ロンチされる

http://www.xbitlabs.com/news/mobile/display/20120418190235_Intel_World_s_First_Commercial_x86_Smartphones_to_Be_Launched_This_Week.html

Q2中に数社からの発売が決まっており、Atom系のスマートフォンとしては第一世代にあたる。
これらに搭載されるMedfieldは、Atom Z2460。SoCで、動作クロック1.6GHz、PowerVRのグラフィクスコア(400MHz)を統合している。通信系でもIntel製のXMM6260というのが載ってるようだ。
リファレンスデザインではAndroid 4.0、8Mピクセルのカメラと4.03インチのタッチスクリーンだった。

日本で出るとしたらモトローラの奴かなぁ。

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TSMCの20nmプロセス以降の計画

http://eetimes.com/electronics-news/4371203/TSMC-to-offer-only-one-process-at-20-nm

TSMCの現在の主力は28nmプロセスで、これはチップの用途によってハイパフォーマンス、ローパワー、ローパワー+HKMG、ハイパフォーマンスモバイル、の4つに分かれている。
2013年から製造開始予定の20nmプロセスでも、用途別にHPとLPの2種類で計画していたものの、やってみたらあんまり差がなかったとかで、一本化する方向になった模様。
理由としては、配線が接近しすぎてて微調整するスペースも足りなかった、ということのようだ。性能にしろコストにしろ、有意な差ができるほどじゃなかったという感じの話が出ている。

その次は2015年の14nmプロセスとなるが、EUVリソグラフィが間に合うのが前提となる。もしも性能・コストでうまく行かなかったらハーフノードの16nmとか18nmでお茶を濁す可能性も。3Dトランジスタなど20と14では技術的にかなり大きい差があるのは確かだ。

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Windows8の公式発表

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20120417_526937.html

発売日以外はだいたいわかった。と思う。

x86/x64向けは、無印とProのふたつのエディションとシンプルになった。コンシューマ的な視点で選択するならば、リモートデスクトップもしくは仮想化をやるか否かで決めることになるだろう。
ARM向けはWindows RTという名前になり、x86/x64アプリケーションは動作しないと明記された。

この他、普通の販路で売らないエンタープライズがある。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1204/19/news070.html

USBメモリインストールはこっちにしかないみたいだ。数少ない新機能なのに。

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A350静強度試験機の最終組立が始まる/737MAXのノーズギア他の詳細が公表される

A350静強度試験機の最終組立が始まる

http://www.flightglobal.com/news/articles/pictures-a350-static-airframe-final-assembly-begins-in-toulouse-370450/

エアバスはトゥールーズ工場の組立ラインにおいて、A350静強度試験機の最終組み立てに着手した。
画像は長さ21mの前部胴体と、長さ19.7mの中央胴体を結合するところ。後部胴体は同ラインのステーション50と呼ばれる位置で結合される。ステーション50では着陸脚も取り付けられ、ステーション40で主翼と尾翼の翼胴結合、客室の作業も同時進行する。

前部胴体はサン・ナゼールでコクピット部分と結合されて12月にトゥールーズ着、中央胴体も同じくサン・ナゼールから4月4日に送られてきた。
後部胴体は数週間内にハンブルグから、それに続いて主翼が英国ブロートンから到着予定。

スケジュールについては、最終組立開始が当初Q1予定とされていたのだが、4月上旬にずれ込んでいる。
今のところ、飛行試験1号機(MSN1)の最終組立は夏予定。

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737MAXのノーズギア他の詳細が公表される

http://www.flightglobal.com/news/articles/boeing-firms-nose-gear-other-details-for-737-max-370602/

ボーイングが737MAXの設計にあたって、最後まではっきりさせなかった点の一つが、エンジンの大径化に伴う設計変更だった。この部分は、CFMのLeap-1Bなどを搭載した場合、地上とのクリアランス不足が指摘されていた。
今回明らかになったところでは、ノーズギアを8インチ延長することで対応する模様。ここが変更されると、収納部とドアも修正する必要が出てくる。
Leap-1Bの搭載方法は、787のと類似した形になるようだ。

この他、スポイラー制御のみをFBW化すること(その他の動翼はメカニカルリンケージのまま)と、電子式ブリードエアシステムの採用(787のようにブリードエア自体を無くするわけではないが、A350でも採用されるシステムで、客室の与圧と凍結防止に使われる)、外形的な部分では、テイルコーンの延長とウイングチップの変更がある。ウイングチップは風洞実験中で、詳細は明かされなかった。

直接関係ないが、ボーイングのウィチタ工場が、竜巻の影響で操業停止に追い込まれている。

http://www.flightglobal.com/news/articles/boeing-and-spirit-suspend-wichita-operations-after-tornado-370702/

死人も出てるしシャレにならん状況だ。操業停止の主たる要因は停電。月曜日いっぱいは復旧できないと見られる。ボーイングの工場では、軍用機の修理施設が損害を受けたとのこと。
ボーイングだけでなく、南東部のスピリット・エアロシステムズ、ガルフストリーム、エアバス、シコルスキーなどの施設にも被害が出ている模様。
北東部のホーカー・ビーチクラフトの工場では屋根が損傷するなどの損害。
南西部のボンバルディアの工場は損害はなく、最大風速84mphを記録している。

ウィチタは多数の航空宇宙メーカーが軒を並べる事でも知られているが、近年はボーイングが撤退する意向を示していたり、ホーカー・ビーチクラフトは債務超過→リストラコースで、陰りが見え始めている。

A400M初のアジアツアー/エジプト向けAW139が納入される/オランダのF-16AM/BM削減とF-35導入時期について

A400M初のアジアツアー

http://www.flightglobal.com/news/articles/a400m-to-make-asian-debut-with-three-nation-tour-370553/

エアバスミリタリーは、4月15日に採用国のマレーシアへA400Mを送り込み、合わせてインドネシアとタイを訪問して、プロモーションを行うと発表した。
マレーシアの大きいイベントには間に合わなかったので、これはマレーシア空軍のパイロットがA400Mを飛ばす最初の機会ということになる。同社によるとアジア方面に飛来する機体は開発機のグリズリー4。マレーシアでは、スバン空軍基地でデモンストレーションを行う。一般公開はされず、空軍高官とVIP向けに留められるようだ。

4月20日に帰投する前に、インドネシア、ジャカルタ近郊のハリム空軍基地と、タイのチェンマイ、バンコクを訪れる予定となっている。このうちインドネシアでは、政府と空軍の関係者を試乗させてデモンストレーション飛行を行うことができるとした。
インドネシアはエアバスミリタリー(旧CASA)からC-295を買っており、ライセンス生産を通して産業界の結び付きも強い。がA400Mを導入する話は今のところ無し。高いしなあ。

マレーシアは現在のところ、A400M唯一のアジア地域のカスタマーで、4機を発注している。

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エジプト向けAW139が納入される

http://www.flightglobal.com/news/articles/agustawestland-delivers-two-aw139s-to-egypt-370659/

アグスタウェストランド北米は、FMS経由(米陸軍航空・ミサイルコマンド発注)で2機のAW139をエジプトへ引き渡した。機体はSAR仕様となっている。乗員訓練と兵站支援は米陸軍が担当する形。

AW139はアグスタ・ベル時代の開発機種で、AB139と呼ばれていた。最初の54機がイタリアで製造された後、製造拠点は北米に移り、のちにはベルとのJV解消に伴って、AW139と改称される。実質は米国機という感じ。

今年2月には北京の警察が2機を発注。SARのほかに捜索や消火活動など、法執行機関向けの各種ミッションをこなすことができる仕様。

http://www.flightglobal.com/news/articles/beijing-police-orders-two-aw139-helicopters-368610/

アグスタウェストランドの、中国の法執行機関向けヘリコプター市場におけるシェアは70%以上と言われる。機数にして40機程度とは言え、その存在感はかなり大きい。

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オランダのF-16AM/BM削減とF-35導入時期について

http://www.flightglobal.com/news/articles/netherlands-makes-final-trim-to-f-16-fleet-size-370531/

オランダでは国政選挙が2015年に予定されているので、F-35導入議論の最終結論は、そのタイミングとなる見通し。
その前段階としてF-16の削減が決まっている。現有87機のうち、19機減らして68機とするのが前提で、余剰となった機体の処遇としては3つのオプションが考えられているようだ。

(1)18機を売却して1機を部品取り用に解体
(2)15機を売却して4機を解体または訓練用途で保持
(3)売却はせず19機を解体または訓練用途で保持

売らないという選択(パイロットとともに予備役編入みたいな?)も、一応考えられてる模様。
削減は2014年からとなり、経費は年間4100万ユーロほどの節減と試算される。一方、F-16の運用を3年延長して2026年まで継続する場合は3億ドルかかる。10年続けると延長する分の経費は捻り出せるという勘定か。

オランダはF-35Aの導入計画をまだ変更しておらず、2010年に85機導入という線で45億ユーロの予算を組んだままとしている。比率で言うと、この年の防衛予算の60%に達したそうだ。

オランダ向けの1号機、AN-1は4月1日にロールアウトした。これに関しては試験用に2機を発注しており、米国内のエグリンAFBにてIOT&Eに参加する。

http://www.flightglobal.com/news/articles/picture-first-dutch-f-35-leaves-assembly-line-370439/

K-MAXにNATO加盟国が興味/イスラエルが艦載VTUAVを検討/グルジアが自国製UAVの初飛行を実施/トルコはAnka UAVを10機発注予定/MQ-8Bの事故が連続し、飛行停止となる

K-MAXにNATO加盟国が興味

http://www.flightglobal.com/news/articles/nato-allies-expressing-interest-in-optionally-manned-k-max-370694/

LMのK-MAX責任者(ビジネス方面の)によると、有人型のK-MAXに対してNATO加盟国が興味を示しているという。ただし具体的な国名は挙げられていない。この書き方だと複数ともとれる。

現在、K-MAX無人型は2011年12月から6か月間の契約で、2機がUSMCの無人空輸/補給システムの実証に投入されている。この契約は6か月延長のオプションがあるようだ。
運用状況としては、1日につき2か所の前進基地に対して、5ないし6回のフライトを実施している。累計で230ソーティ、任務効果率94%、1時間のフライトにつき整備にかかるのは0.8人時で、任務達成率は100%とのこと。

有人型が浮上した背景として、現状のK-MAXがまともなデータリンクを装備した普通の軽ヘリコプターでもあるから、というのが挙げられる。つまりここから武装化したりISRプラットフォーム化するのも難しくない。
生残性は知れているが、滞空時間は長く、小回りが利く事から、市街地やその周辺部など無人機を飛ばすことに問題あるような地域にも投入しやすいかもしれない。その上で無人でも使えるので、両方の利点を兼ね備えることができる。

これまでの良好な運用実績と併せて前途は明るい…かのように見えるものの、カマンのK-MAXの製造ラインは2003年で閉じられてしまった。このため、新造機を用意するには製造ラインを再稼働する手間がかかる。
それにアフガニスタンの作戦が一段落したら、その先の需要があるかないかよくわからん。米軍向けにも売り込んでいるようだが、輸出の方がまだ可能性はあるかも。

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イスラエルが艦載VTUAVを検討

http://www.flightglobal.com/news/articles/israeli-navy-seeks-ship-launched-uas-370445/

イスラエル海軍はDvora級哨戒艇に小型のVTUAVを搭載することを検討している。産学協同で取り組んでおり、Beer Sheva大などが関与しているそうだ。
この手の無人機開発については、IAIほか複数の企業が以前から取り組んでいるとされ、最近では3月にテルアビブで催された国際展示会において、Steadicopter社がBlack Eagle 50というのを公開した。
具体的に軍用としては紹介されていないものの、MTOW35kg、滞空時間3時間という性能が伝えられてる。

http://www.steadicopter.com/Page.aspx?ID=128286576

Dvora級はいわゆるFACにも分類される小型艇で、イスラエル海軍は同種の艇を多数保有している。IAI-Ramtaが建造。最初の型は満載45tonだったが、重武装化と大型化が進められ、Mk.II、Mk.IIIでは満載60ton、速度も37ktから50ktまで向上した。
ここで言われてるのが具体的にどの型かは不明。1988年頃から就役しており、まだ現役の艇も多いようだ。

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グルジアが自国製UAVの初飛行を実施

http://www.flightglobal.com/news/articles/georgia-flies-first-domestically-built-drone-370566/

グルジアは、首都トビリシ近郊の航空基地から、最初の自国製UAVを飛行させた。離陸はカタパルト式で、最大高度3000m、速度160km/hという性能が伝えられている。その他の詳細は不明。
グルジアでは以前からUAVの導入に熱心で、2008年のロシアとの軍事衝突の際にも、イスラエル製のエルメス450とスカイラークを投入したことがある。

画像ではジンバル支持のEO/IRセンサペイロードが備わっているように見えるが、メーカーなどは判らない。

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トルコはAnka UAVを10機発注予定

http://www.flightglobal.com/news/articles/turkey-in-talks-for-10-anka-uavs-370435/

TAIは、Anka UAVに関してトルコ空軍と交渉を始めており、契約から2年以内に10機を引き渡す方向で調整しているとのこと。
Ankaの運用試験は、IAI Heron UAVとの共同任務など6月からBatman空軍基地で行われる予定。
イスラエルとの外交摩擦で兵器取引が頓挫した事により、Heronに代わって無人ISRプラットフォームの主力となる流れだ。

Ankaの機体規模はMTOW1500kg、うちペイロード250kgで、飛行高度30000ft、滞空時間24時間。見た目はHeronに似てる。

SARペイロード開発はAselsan社が担当し、S-2Tをテストベッドとして試験中。
エンジンはTurkish Engine Industeiesが担当で、セスナ337がテストベッド。電源系の高出力化などが試みられているとのこと。
また、ターボプロップエンジンについても研究中のようだ。

とは言ってもHeron導入中止の余波はそれなりに大きく、トルコ空軍はキングエア350をベースとした有人ISR機をストップギャップとしてリース導入することも計画中。

http://www.flightglobal.com/news/articles/turkey-to-lease-king-air-isr-fleet-370643/

機数は5機。中古機にEO/IRセンサペイロードとデータリンクを装備させ、金額にすると2年で約7000万ドル。運用は民間に任せて空軍はパイロットを出す形式をとる。

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MQ-8Bの事故が連続し、飛行停止となる

http://www.flightglobal.com/news/articles/fire-scout-flights-suspended-due-to-crashes-370520/

1件目は3月30日、西アフリカ沖合にて夜間の着艦を試みたが、数度にわたってビーコンを捕捉できなかったため、やむなく艦から十分な距離をとって着水させる措置をとった。機体はその後回収されているので、喪失とは扱われていない。

2件目は4月6日、アフガニスタン北部で起こっているようだが、4月9日時点でISAF当局とメーカーからのコメントは無し。
ここでは3機が運用されていたので、そのうちの1機であるのは確かのようだ。そしてこの事故の後、MQ-8B全機が飛行停止となった。USS Klackringでこの夏の展開準備も中断されている模様。
飛行停止措置は、他の機種には全く影響していないので、MQ-8B固有の問題が疑われているのも間違いなさそうだ。

モバイル版TrinityのノートPCが5月15日ロンチか/IvyBridgeの予価/Level 10 GTS/SSD新製品など/元Intelの技術者がチップの製造・設計情報の窃盗罪を認める

モバイル版TrinityのノートPCが5月15日ロンチか

http://www.xbitlabs.com/news/cpu/display/20120405175642_AMD_to_Formally_Announce_Trinity_Fusion_APUs_for_Notebooks_on_May_15.html

次の発表の機会としては、6月のCOMPUTEX TAIPEIという予想があったものの、ここにきてノート向けのみ先行して発表されるという情報が出てきた。

性能についてはこんな情報が。

http://nueda.main.jp/blog/archives/006158.html

思ったより悪くない。IPCはやはりHuskyより落ちるが、その分クロックが上がるという本来のプラン通りになっている。3次キャッシュ無しでFX-8120を上回ってることにも注意しておきたい。

あとは予定通りに出れば…

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IvyBridgeの予価

http://www.gdm.or.jp/voices_html/201204/11a.html

かなり強気。なんだけども、ここにきて初期のE1リビジョンは製造上の問題があって消費電力下がらずOC困難といった話も漏れ伝えられる状況。OBRではTDP95W版で登場すると書かれており、例の22nmプロセス、トライゲートトランジスタがうまく行ってないとされる。技術的なジャンプの幅が相当でかいので、ありそうな話ではある。

http://www.obr-hardware.com/2012/04/why-is-ivy-bridge-hot-power-hunger-and.html

人柱大歓迎ムードが醸成されつつあるようなそうでもないような。この通りならレアものになる可能性もある。
そしてIntel 7シリーズのM/BにSandyBridgeというのが無難、となるがどうなるか。

7シリーズの仕様がよくわかんないので調べてみたら、こんなのがあった。

http://news.mynavi.jp/photo/articles/2012/03/24/cebit01/images/table01l.jpg

公式の写し。 基本情報として押さえておきたい。
Pが無くなってスッキリするかと思ったが、そうでもなかった。どのみち実製品のラインナップは独自仕様でわけわからんようになるであろう。

こうして見ると、普通に使う分にはH77で全然問題なさそうだ。ビデオカード1枚限定、OC不可、ネイティブPCI無しというだけ。iGPUでデュアルリンクDVIが欲しいとか言い出さなければまあ大丈夫。

こっちには予価が出ているが、大体そのまんまで売られてるな。

http://www.gdm.or.jp/pressrelease/201204/02_01.html

Z77の価格帯が上は3万円台から下は1万円台前半まであって、その下はH77やB75。Z75の存在意義がよくわからん。値段次第またはOEM向けが中心か?AMD 870/970みたいなもんかとも思ったけど、映像出力普通についてるしな。というか今回、映像出力は全部ありか。

Biostarの予価が全く入ってない。MVK扱い終了したのか、単に後回しになったのか。

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Level 10 GTS

http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20120407/etc_ttake.html

Level 10 → Level 10 GTと廉価版がきてGTS。小型化されたことと値段からも想像できる通り、オリジナルの売りだったモジュール構造までもオミットされてて、もう普通のケースだこれ。今となってはホットスワップベイも珍しくないし。デザイン重視の人向け。
GTはわりと最近まで売れ残って売ってたなあ。

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SSD新製品など

Samsung SSD 830シリーズ

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hirasawa/20120413_525891.html

Intel SSD 330シリーズ

http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20120414/ni_ci330180.html

エンタープライズ向けの新型910も出たらしいが、さすがにこれは個人ユースでは難しい。PCI-ex ×8接続。MLCだが高耐久性を謳っており、400GB/800GBの2モデル展開。

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20120413_526213.html

 

ここに来て120GBクラスのモデルが下がってきた。コントローラはSandForceがかなり多いが、サムスンは独自設計。Intelのは各モデルともコントローラが同じため、520と330の性能差がほとんど無いという展開に。
性能差が小さくなればNAND自体の質の問題になってきそうだけど、今の25nm世代ではどこが信頼性高いのかよくわからん。以前、東芝製は良かったと言われていたものの、まともに検証した結果などはあまり見かけなかったしなあ。

東芝の新型のコントローラは、SandForceのライセンスで、東芝NANDに最適化した独自仕様のもの、という事で間違いなさそうだ。コレ絡みであろう。

http://www.businesswire.com/news/home/20110809005710/en/SandForce-Demonstrate-24nm-Toshiba-MLC-Flash-SSDs

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元Intelの技術者がチップの製造・設計情報の窃盗罪を認める

http://www.bloomberg.com/news/2012-04-06/ex-intel-worker-pleads-guilty-to-stealing-design-documents-1-.html

そういえばそんな話も…あったっけ?

この人物はサンタクララで働いていた技術者で、2008年5月29日に辞表を出して2008年6月11日に退職するまでの間にデータを持ち出したとされている。6月2日からAMDで働き始めたが、11日まではIntelのデータにアクセスできたらしい。

結果としてはIntelの対応が早く、AMDも協力したため、それ以上の損害は無く、8月には起訴。FBIが家宅捜索を行って出てきたデータの価値は、Intelによれば2~4億ドルに相当し、それぞれの罪で最長で懲役20年の刑が科される可能性があるとのこと。検察当局からは、8月に判決が申し渡されると発表された。