イスラエルはF-35に国産AAMをインテグレーションする意向
http://www.flightglobal.com/news/articles/israeli-f-35s-to-carry-indigenous-missiles-370819/
匿名の情報源によると4月17日、イスラエルの装備するF-35Aは、少なくとも1つの主要な兵器システムが自国製であると述べた。イスラエル空軍は、以前から次世代AAMをF-35に搭載する意向を表明しており、それを指すものと考えられている。
詳細は不明ながら、有力なメーカーはラファエルと見られる。ラファエルはレイセオンとDavid’s Slingの迎撃体、Stunnerを共同開発しており、これは空対空兵装としての派生型もある、とされている。
イスラエル国産AAM、DerbyもPythonもラファエル製なので、主契約はほぼラファエルで確定だろう。
DerbyはPythonから発達してできたBVRAAMだが、この後継みたいな感じか?もしくはAIM-120の派生みたいなやつか。
http://www.rafael.co.il/Marketing/331-887-en/Marketing.aspx
今のところ、イスラエル空軍向けのF-35Aは、2017年前半から20機の最初のバッチが引き渡される見通しで、これに続く調達、20~25機の交渉は2013年から開始される予定。
次のバッチでは、イスラエルで開発されたEWシステムによる能力向上も計画されている。
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ボーイングがイスラエルのCH-53後継機としてCH-47系を提案
http://www.flightglobal.com/news/articles/israel-offered-chinooks-as-service-eyes-v-22-deal-370904/
イスラエルはV-22への強い関心を示しており、昨年は特殊作戦向けの評価を実施するため、パイロット他の人員を米国に派遣、徹底的な調査を行ったとされている。が、イスラエルの財政上の問題から簡単に入手可能となりそうにはないのが現状。
空軍としては、V-22を多年度契約で導入したい意向であるようだが、どうなるかまだわからない。
ここで問題となってくるのはCH-53の老朽化で、3~4年以内に何らかの決定を下す必要が生じるだろうとの見方もある。
CH-53にはK型というUSMC向けの次世代型も存在するが、ボーイングとしては座して見てるつもりは無く、CH-47Gというのを提案した模様。CH-47Gは、コクピット等が大改修されたCH-47Fの次の型という事になるが、USAFのF型とは違って新造機となり、特殊戦向けのMH-47Gの仕様も採り入れられるとされる。
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サウジアラビアのF-15Sアップグレード
http://www.flightglobal.com/news/articles/lockheed-martin-bae-awarded-contracts-to-support-saudi-f-15sa-upgrades-370494/
サウジアラビアは、新造機のF-15SAを発注する一方で、既存のF-15S×70機のアップグレード改修を実施する。APG-63(v)3搭載でFBW化されたF-15SAと同等、とまではいかないが、能力は大きく向上し、イスラエルのF-15Iの優位性はかなり薄れる。これは同国がF-35A導入に拘る理由の一つになっている。
契約は、兵装とFCS関連がLM、電子戦関連がBAEシステムズという形で分担される。
前者はスナイパーATP×95セット、小型マルチバンドデータリンク×35セット、IRSTシステム×70セット、同バイロン×75セット、およびスペアパーツで固定額4億1060万ドル。
後者はDEWS/CMWS×70セットと、その試験ステーション×3セット、およびスペアパーツで固定額3億6650万ドル。
付随して兵站や修理などに関連する契約が、地元のAl Rahaグループと結ばれている。9500万ドル。
F-15関連では4月2日、韓国空軍のFX-II契約で最後となるF-15K(2機)が引き渡されたとのニュースがあった。
http://www.flightglobal.com/news/articles/south-korea-receives-final-two-f-15k-fighters-370365/
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ポーランドが軍用ヘリコプター×26機の入札
http://www.flightglobal.com/news/articles/poland-launches-military-helicopter-tender-370379/
3月29日、ポーランドは軍用ヘリコプターの入札を開始した。陸軍の兵員輸送型×16機、空軍と海軍のSAR型×4機、海軍のASW型×3機で、合計すると26機になる。契約には5台のシミュレータと兵站支援と訓練を含み、入札締切は5月7日予定。
導入スケジュールは、2015年11月までに19機、次の1年で6機、最後はASW型×1機といった流れ。ポーランドとしては、現地生産を前提としている。
この条件であれば、シコルスキー傘下のPZL Mielec、アグスタウェストランド傘下のPZL Swidnikの2社による一騎打ち状態と見られる。それぞれS-70i系とAW149系が主力商品であり、AW149のASW型にはリンクスの装備を流用可能とのこと。
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シンガポールのG550 AEWがFOC獲得
http://www.flightglobal.com/news/articles/singapore-declares-g550-aew-fully-operational-370768/
シンガポール空軍のG550 AEWを運用する部隊は111Sqnで、TEngah航空基地に配備されている。機数は4機で、2009年から納入されたもの。1980年代に調達したE-2Cを代替することになる。
シンガポール空軍仕様のG550 AEWはイスラエル空軍向けとほぼ同等で、Eltaによれば高度41000ft、進出距離100nmで9時間滞空可能、前後のSバンドレーダーと両側面のLバンドレーダーにより、監視範囲は360度とされる。イスラエル空軍型では、オペレータは6人乗れる。
機体にはESM機器を収容したポッドや衛星通信、LOSデータリンクも追加されているが、飛行性能はほとんど損なわれていないということになっている。
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RAFのセンチネルR.1についてレイセオンUKが有用性を主張
http://www.flightglobal.com/news/articles/raytheon-touts-future-roles-for-rafs-at-risk-sentinel-r1-370715/
英国ではSDSRの結果、アフガニスタン方面の活動が終わった時点で、RAFのセンチネルR.1とシャドーR.1は早期退役となる方針が決まっているものの、メーカー側のレイセオンUKでは、本来の戦場監視と異なる任務に対しても有用であるとの主張を展開している。
現役のセンチネルR.1は5機。全てボンバルディア・グローバルエクスプレスを改造した機体であり、SAR/GMTIセンサを積んで、映像分析要員2名が搭乗。Airborne Stand-off Rader(ASTOR)システムの根幹となるISTAR能力を提供する。
RAFの5Sqnが運用しており、アフガニスタンへは2008年11月から展開、2011年3月には地中海(リビア)方面へと展開した。特にリビアでは個々のフライトが12時間以上に及ぶ事もあり、飛行時間は2000時間以上に達したという。この作戦での活動は、スカッドミサイルの発射機を捜索したり、いわゆるpattern-of-lifeのデータ収集(情報戦の領分だ)、攻撃後の評価、戦闘領域の最先端の特定など多岐にわたり、極めて効果的であったとされている。任務達成率は95%以上と良好だった。
レイセオンはこれらの実績を踏まえた上で、ASTORに新しい2つの役割を提案している。具体的には、RQ-4を柱としているNATO AGSへ英国としてセンチネルR.1を出すという案と、海洋監視機への転換という案。前者としてはほぼそのまま使えるはずだし、後者はソフトウェア改修によって十全の能力を発揮する予定となっている。搭載するデュアルモードレーダーは、それだけの能力があるという主張。
このレーダーは、U-2が搭載した側視レーダーの系譜にあたる。
AGSとしても、有人機があった方が便利かもしれん。
レイセオンは兵站支援について2016年9月までの契約があり、最近ウェールズ北部のブロウトン工場で1機(ZJ690)の改修を実施した。RAFに戻された後、1月からアフガニスタン方面へ展開し、2週間後にへリック作戦に投入されている。改修内容は明らかでないものの、ISTAR能力は強化された模様。
RAFのもう1機種のISR機、シャドーR.1については、長期的には海洋監視レーダーの搭載などで海洋監視機に転換可能としている。
http://www.airforce-technology.com/projects/astor/