次世代Atomの話/A8-3870KのDual Graphics時のベンチマークなど/SC-05D

次世代Atomの話

http://www.xbitlabs.com/news/cpu/display/20120321191847_Intel_Develops_Atom_System_on_Chip_with_Ivy_Bridge_Graphics_Core.html

次世代AtomのSoCはValleyViewと呼ばれているようだ。
これはCPUが現行Atomの2コア、メモリコントローラ周りとGPUがIvybridge世代のものに置き換えられるとされる。

SoCということで考えると、現行AtomでもWindows以外だと十分なパワーを発揮してるっぽいので、性能向上よりDX11対応を主眼にしたものかもしれない。PowerVRで厳しかったかは定かでないが、自社でやってるもんを使いまわした方がコストメリットあるのは確かだろう。

ここの推測では32nmプロセスで製造されて年内発売、来年から22nmに移行とあるが、最初から22nmでCPUアーキテクチャも刷新されるという説もある。

http://vr-zone.com/articles/intel-s-valley-view-atom-soc-leaks-said-to-have-ivy-bridge-level-graphics/15337.html

原則、インオーダ止めたら性能と電力効率が引き替えになるし、SoCに特化する方向としても、現状でWin8やAndroidには対応できそうなので、そこまでメインストリームに近付けるかは疑問も残る。やるとしても、もう少し先の話なのではないかと。

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A8-3870KのDual Graphics時のベンチマークなど

http://www.xbitlabs.com/articles/cpu/display/amd-a8-3870k.html

A8-3870Kを中心にいろいろテストした記事。
3870Kの定格、CPU 3.6GHz/GPU 960MHz OC、Radeon HD6670とのDual Graphics構成、同OCと、i3-2120+HD6670、G850+HD6670、G850+HD6770といった比較になっている。

ゲームにおいて、HD6670とのDual Graphicsで、場合によりG850+HD6770に匹敵するというのは結構凄い。フレームレートが倍になるのもある。Dual Graphics時は、GPUのOCあんまり関係なさそうだ。

一方、弱点はCPUのシングルスレッド性能。いつも通りの傾向で、CPU依存が強いタイトルはやや苦しい。
消費電力の傾向は、アイドル時は比較的低いが、CPU負荷が高いと電力効率は悪化し、GPU負荷が高いとG850+HD6670と大体一緒になる。両方の負荷が高いとCPU分上乗せされて悪化し、G850+HD6770の6割以上高いW数を示す。

アイドルが低い以外はあまり特筆すべき利点は無いが、パフォーマンスを底上げする目的ならHD6670を足す意味がある。このクラスなら、1920×1080でゲームをやる最低基準はクリアできるし、消費電力が高いと言ってもシステム全体で300Wにも達しないから、ACアダプタとか言い出さなければ特に問題ないレベルに収まる。

でもバランスを考えたら普通に内蔵GPU定格で、ゲームは1080pより低い解像度に設定するのが無難かもしれん。
といった感じ。

Trinityも消費電力的には似た傾向になりそうだ。CPU性能の伸びは期待薄だし、上はA8-3870Kと同じくTDP100W枠になるし。

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SC-05D

http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20120328_521645.html

ワールドツアーのフィナーレとか書いてるのを見て、言い様だなぁと思ったり思わなかったり。まあそれはどうでもいいのだが。

様々なサイズのタブレットを展開して、スマートフォンとしてでかい方に突き抜けたのがコレ、ということになるだろうか。
電話としてどうなのかという気もするが、タブレットの小型版と見る方が解りやすいかも知れない。

モバイルデバイスは、一昔前はバッテリーのサイズに筐体が制約されるものだったが、今は自由度がかなり高い。しかしいろいろ作れるからと言って、売れるフォーマットの製品が爆発的に増えるわけでもなく、iPhone/iPadの影から脱却すべく、試行錯誤はまだ当分は続きそうだ。

5.3インチというのは、普通のスマートフォンより結構でかい。個人的にはそれでは小さすぎて、ある程度の大きさが要るとは思っているのだが、電話として扱えるギリギリの大きさにはなってるのかもしれん。

筆圧感知は…要るのかなぁ…
A6より一回り小さい程度のはずなので、描こうと思えば結構描けるとは思う。

まあ電話かけるときの間が嫌なので、そこが改善されないとあんまり買う気になんないけど。
あれはPCでSkypeとかIM系ツール起動するのとかわんない。アホみたい。iPhoneはしらん。というか3G無いやつ欲しい。

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猫ちゃん

http://izismile.com/2011/09/15/cats_little_and_grownup_30_pics.html

小物と構図が同じで、子猫とその後を撮ってる。おもしろい。

ロシア関連

MAKS 2011で展示されたブランのレストア具合が酷い

ある意味衝撃画像。

http://englishrussia.com/2011/09/04/the-greatest-failure-of-maks-2011/

野ざらしでほぼ残骸と化していた機体を急に展示することが決まったとかで、ノーズシールド/スラスタは外れたまんまだわ、テールは行方不明だわ、窓は目張りして潰してあるわ、トドメに耐熱パネルの上からペンキぶっかけただけだわ(しかも左半分のみ)でロシア人として恥ずかしい、みたいな話。

博物館にあるやつ。

http://englishrussia.com/2011/11/08/russian-buran-abroad/

問題の展示機はOK – 2.01という機体のようだ。計画中止が決まった時点で30~50%完成状態だったとある。

http://www.buran-energia.com/bourane-buran/bourane-modele-201.php

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懐かしのスターウォーズ構想

http://englishrussia.com/2010/02/11/star-wars/

特に目新しいものではないが、ミールとかプロトンとかエネルギアとかブランがこんな風に使われなくてマジで良かったと思う。というかどう考えてもカネがもたん気も。

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VVA-14の細部写真

http://englishrussia.com/2010/09/06/a-weird-soviet-plane-vva-14/

http://englishrussia.com/2010/09/07/a-weird-soviet-plane-vva-14-part-ii/

残骸になってからのだけど。内部も。

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MiG-29の製作現場

http://englishrussia.com/2009/03/25/the-mig-factory/

Strizhiの機体を作ってるところみたい。違うのもある。

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Khotilovo基地のMiG-31など

http://englishrussia.com/2011/04/16/secret-airbase-in-khotilovo/

まともに稼働してる基地と防空部隊の様子。これは結構珍しいような。
やはりMiG-31はでかかった。

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RS-24 Yarsの運用部隊。

http://englishrussia.com/2011/12/01/missile-complex-yars-in-operation/

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ピル・ボックスの内部も大公開。

http://englishrussia.com/2011/12/29/military-legacy-of-the-ussr/

2年ぐらい前に動画でちょっと話題になったけど、最近の内部の写真とかは無かったと思う。

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2011年のロシア防衛技術トップ10

http://englishrussia.com/2011/12/22/top-10-russian-defense-technologies-of-the-year/

RS-24 Yars、T-50、S-500、ヤーセン型SSN、T-90AM、9K720 Iskander、Ka-52、ORSIS-500狙撃ライフル、コルベットSoobrazitelnyy、RPG-32。
どういう基準なのかよくわからない…

B.777Xについて

ボーイングがB.777Xを発表、年内ロンチを目指す

http://www.flightglobal.com/news/articles/boeing-targets-year-end-777x-launch-369074/

2月頃から出てきた話で今更だが、一応まとめておく。

3月2日、ボーイングのCEOは、1000機目のB.777ロールアウトを記念する式典において、777の新たな派生型、777Xのコンセプトを発表、2010年代の終わりまでに市場投入する計画を示した。ロンチカスタマーとしては、エミレーツ航空と交渉を行っている模様。

現在考えられている777Xの基本的なバリエーションは、777-8X(353席)と777-9X(407席)の二つで、航続距離は8000nm程度。大雑把に言うと777-200ERと777-300ERの胴体をそれぞれストレッチし、787で確立した複合材料製の主翼を組み合わせる。また-8Xについては、長距離型-8LXの構想あり。

777Xの投入により、ボーイングのワイドボディ旅客機は、全て新世代になる。収まる位置としては、下に787-8(242席)、-9と787-10X(323席、2014年就航予定)、上に747-8(467席)、といったところ。各機種の展開は、同等の航続距離に対し、席数で15%ぐらいずつの差をつけるのが基本的な方針のようだ。

777-300ERからどの程度の改善となるかはまだ明らかでないが、ボーイングの偉い人によると「かなりの改善」とされている。

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やや詳細な記事。

http://www.flightglobal.com/news/articles/boeing-homes-in-on-late-2012-launch-for-777-successor-369241/

777Xの構想は、ボーイング社内では2010年から2011年にかけて検討された。想定するライバルは言うまでもなくA350-900/-1000となる。今のところ、2015年に仕様確定、2017年後半から2018年にかけて初飛行、2019年までに就航というスケジュール。
2010~2011年と言えば、A320neoの発注が好調で、アメリカン航空が737MAXのロンチカスタマーとなり、ナローボディ旅客機の方に大きな関心が集まっていたが、水面下では777Xも進行していたというわけだ。
777Xは概念設計が進行中で、初期の風洞実験も行われた模様。

これまでの777(-200/-300、長距離型-200ER/-300ER/-200LR、貨物型)について言うと、2列通路のワイドボディ旅客機として1000機製造を達成したのが、史上最短とのこと。これから777Xへ刷新することによって2000機製造も視野に入ったとしている。

効率については、777-9Xが777-300ERに対し、どの程度改善するかという試算が出てる。試算によると、1座席当たりの燃料消費量で21%、1座席あたりの運航コストで16%の改善とのこと。数字だけで言えば787-9/-10Xをも上回り、2列通路のワイドボディとしては最高の効率となる。
777-9Xは全長76.48m、777-300ERに4フレーム分ストレッチした胴体を持つ。エンジンはGE9X(推力99500ポンド)で、MTOWは344ton。
777-8Xは全長69.55m、777-200ERに10フレーム分ストレッチした胴体を持つ。エンジンは-9Xと同様にGE9Xだが、推力は88000ポンドで、MTOWは315tonとなる。サイズから見ると、A350-900と直接競合するのがこちら。
売り文句としては、それぞれストレッチ前の型と同程度の運航コストで済む、といった感じになる。
あと、代替エンジンが各社から提案されているが後述。

-8Xの長距離型、-8LXは、777-200LRの代替という形で考えられている。航続距離は9395nmから9480nmとなるので、85nmほど延伸されることになる。例としては、従来カンガルー・ストップと呼ばれる南西アジア経由が普通だったシドニー-ロンドン間を、無着陸で結ぶ可能性も出てくるそうで、中継地が減ることによる収益性の向上が期待できる。

主翼などの変更については、翼胴フェアリングの改良(在来型の777の胴体にも取り付けられる)、787-9で開発されている複合層流制御、複合材料製の水平安定板を50インチ拡張するなど。改修点は多いが、システムの共通性は60%ほど保ち、787との共通性をも持たせることで、(ボーイング製旅客機の)パイロットの機種転換訓練を迅速に行えるようにするそうだ。結果、777/787から777Xへの機種転換は2.5~5日程度で済ませられるようになるという。

客室はフレームと側壁の形状変更で幅が4インチほど拡大され、エコノミーで10列、プレミアム・エコノミーで9列といった形が想定される。

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主翼について。

http://www.flightglobal.com/news/articles/boeing-eyes-largest-ever-wingspan-for-777x-369243/

777Xの概念設計においては、大きく3パターンの主翼が考えられている。傾斜ウイングレット付きのスパン71.1m、プレンデッド・ウイングレット付きのスパン65mと68.6mといったもので、もし71.1mのスパンとなると、787をしのいでボーイングのCFRP製主翼としては最長のものになる見込み。この場合、翼面積は777-300ER/-200LRより更に10%ほど増積され、アプローチ速度を低く、騒音を小さくできる。

ボーイングでは777の主翼製造に関して、現状とはかなり異なるサプライチェーンを構築する必要がある。アルミニウムの主翼外皮とスパーは同社のオーバーンで製造され、エベレットの最終組立ラインへ送られる。
設計と製造は、787での反省から内製化されることが確実となった。言うまでもなく、これは知的所有権の面でも有益。
ただ実現するには、オートクレーブをはじめ、多大な設備投資が必要とされるのも確実。

長大な主翼には別の側面もある。ICAOの定めた空港設計区分では、スパン71.1mは余裕でコードFに該当する。まあ65m超えた時点でFなんだけど。

http://www.boeing.com/commercial/aeromagazine/articles/2010_q3/3/

現用機でコードFに含まれるのは747-8とA380で、超大型機の区分になる。これでは777後継機としては問題になるから、ボーイングは翼端の折り畳み機構を計画しているようだ。つまり、着陸後に主翼を折り畳めば、コードを一つ下げられるようになる。

同様の案は、実は777-200設計時にも計画されていた。スパン60mから、着陸後はDC-10並、50m以下に収める目的で、最外翼部のパネル2枚分、6.9mを折り畳むという話だったみたい。ただこれだと補助翼の端っこに掛っていたというから、実際にやったらトラブルの元になったかもしれない。ANAが反対したという話がウィキペに出てる。

当時反対されたことを踏まえてか、今回検討されている折り畳み機構では、分割を主にウイングレット部分の3.4m程度に留め、操縦翼面には掛らないようにして、設計上の複雑さや重量増加を抑えるという。
両翼で6.8mだから、ぎりぎりコードE(スパン52m以上65m以下)で収まる勘定にはなる。滑走路上に出たら主翼を展開してコードFになるが、そこまでできれば特に問題はない。

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ボーイング全体として、787開発で得た技術を最大に活かす戦略になってると言える。野次馬としては、新型機が出てこないのはつまらんけど。

エアバスがA350-900/-1000で苦労していることを、ボーイングは787で先に片付けたというのが最大の強みである以上、後出しでライバルを凌ぐのが最善手といっても良いか。

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エンジンは、今のところGE9Xが主になっているところであるが、RRはRB3025という新型を提案している。

http://www.flightglobal.com/news/articles/rolls-royce-pushes-new-engine-concept-for-777x-369294/

RRによると、RB3025はファン直径337cm。777-9X向けの最大推力は99500ポンドとされ、バイパス比12:1。燃焼効率の面でもGE90-115B(777-200ERなどのリエンジン型777で採用)より10%、トレント800(初期の777で採用)より15%向上していると主張する。
また総圧縮率(OPR)は62:1に達し、これは商用のターボファンエンジンで最も高くなる見込み。

RB3025はトレント1000およびトレントXWBを基にしているが、実験エンジンAdvance3 EFEの技術も投入されている。コアエンジンはトレント1000の派生、燃焼室、複合材など先進材料のファンと燃焼室など。

ボーイングの方では、エンジン選択を可能にするかをまだ明らかにしていないものの、RRは1~2年で仕様を確定し、6年ほどかけて開発できるとしている。

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http://www.flightglobal.com/blogs/flightblogger/2012/03/rolls-royce-pratt-whitney-set.html

P&Wのは概要だけだが、推力100000ポンド級のGTFエンジンについて、ボーイングからRFIが出た模様。

現用だと、ANAの777などがPW4000を採用している。

http://www.ana.co.jp/pr/11-0103/11-ana-pw0210.html

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そして本命のGE9Xは、

http://www.flightglobal.com/news/articles/ge-plans-10-fuel-burn-improvement-for-ge9x-engine-369242/

RB3025と同じく、GE90-115Bより10%の効率改善を謳う。推力は115000ポンドから99500ポンド/88000ポンドに下がる。GEnxと同世代の技術が投入される見込み。3年ほど前から開発が進められており、2012年には5000万ドルの予算を投入する。
GE9Xのファン直径は325cm、バイパス比10:1。OPRは60:1、高圧圧縮機は27:1とされ、それぞれGE90-115Bの42:1、23:1から向上する。

欧州の業界団体が防衛産業における国際競争力の低下を警告/インド国産カヴェリの開発コストが計画の7倍まで膨れ上がる/アグスタウェストランドとタタのJVがヘリコプター工場を着工

欧州の業界団体が防衛産業における国際競争力の低下を警告

http://www.flightglobal.com/news/articles/european-defence-industry-nearing-crisis-report-warns-369946/

欧州の防衛産業主要メーカーからなるEuropean Defence Agency (EDA)の将来航空システム部門、Future Air Systems for Europe (FAS4Europe)は、一部の製造能力や開発技術力が危機に晒されているとのレポートを公表した。
これによると、投資額を増やし、共同して戦略を立てないと、早期に危機的状況に陥るとし、具体的には有人および無人の戦闘機や攻撃ヘリコプターの開発を挙げている。
FAS4Europeに参加しているメーカーは、BAEシステムズ、ダッソー、EADS、HAI(ギリシャ)、サーブ、タレス。

現状は過去の投資の成果で競争力を保てているが、研究開発が滞ったままだとそれが難しくなる。そして、早ければ2020年にもEDAへの加盟基準が満たせない企業が出てくる可能性あり、と指摘する。

対策として、EU加盟国が共同で先進航空技術の長期計画を立てることが提案されている。ただし今のところそうした計画は存在せず、計画するとしても、各国の短期計画や、自主的な軍事能力の維持ともすり合わせる必要がある。
FAS4Europeが競争相手と見なしているのは、膨大な投資を続ける米露中、独自開発路線を拡大しつつある新興のブラジル、インドおよびトルコ、韓国といった国々。

このレポートでは、3段階の戦略を推薦している。2012年から2017年までの最初の段階では、防衛産業の維持、技術の成熟と協力体制、ビジネスモデルの確立を図る。デモンストレータ製作など具体的な投資は、地均しの次の段階で、かなりの資金が必要とされることを示唆する。まあ当たり前ですが。

2000年代、欧州メーカーの言い分は、次世代戦闘機は無人機で、といった風にも見えたが、各国でデモンストレータをちょっとずつ飛ばしただけで後が続かず、既存機種(いわゆる4.5世代)のスパイラル開発も資金不足で滞る状況となった。そうこうしているうちにロシアがT-50を開発し、中国もJ-20に着手して第5世代の実現に向けて進んでいる。
これを黙って眺めてるのは流石にまずいんじゃないか、みたいな危機感はあって当然というべきであろうか。

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インド国産カヴェリの開発コストが計画の7倍まで膨れ上がる

http://www.flightglobal.com/news/articles/cost-of-indias-kaveri-engine-up-seven-fold-369811/

インド国防相は、Tejas開発に関連する議会の質問状に対して書面で回答し、カヴェリ・エンジンの開発費用が初期(1996年)の予想額38億3000ルピーだったのに対し、2009年時点で283億9000ルピーと7倍に達していることを明らかにした。283億9000万ルピーは、米ドルで言うと5億6000万ドル。
またTejas自体の開発もコスト増が重なっており、Mk.IIを含む開発費用は330億200万ルピーから577億7000万ルピー、艦載型開発は94億8000万ルピーから175億ルピーと、当初計画からほぼ倍増に近くなっているとのこと。

カヴェリ・エンジンの開発状況は、Il-76をテストベッドとした飛行試験が累計55時間に達し、高度12000mでMach 0.7の動作までは実施しているというが、Il-76で試験を行うと発表したのが2010年11月、以降進展がほとんどない(Tejasへの搭載の話も続報が絶えて久しい)ことを考えると、十分な結果が出ているとは言い難い。

インド産業界筋によれば、カヴェリの開発は更に遅れるとも言われる。MCAがカヴェリ双発と言われるが、これが確かならTejasへの搭載は諦め、MCAに合わせて開発するような格好になりかねない。
Tejasのエンジンは、Mk.IがF404、Mk.IIがF414で決まってるしな。

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アグスタウェストランドとタタのJVがヘリコプター工場を着工

http://www.flightglobal.com/news/articles/indian-rotorcraft-breaks-ground-on-hyderabad-facility-369564/

アグスタウェストランドは、インドのタタ・サンズとIndian RotorcraftというJVを設立し、インド国内でヘリコプターの組立と飛行試験を行う工場を、ハイデラバード、ラジブガンジー国際空港に併設する計画。
今回着工に至った工場は、2013年中頃から稼働し、まず8座の軽ヘリコプター、AW119KEの組立からスタートさせる計画となっている。

この工場は大規模なもので、敷地面積40000平米、うち、主な組立施設のみで9000平米。他に事務所、格納庫とヘリパッドがある。
インド国内向けだけでなく、海外向けの組立も行うことになっており、最大で年間30機程度の組立能力を有する。さらに、大型機ラインへの対応も視野に入れており、AW101のラインも設置可能とのこと。

インドでは民間のヘリコプター市場が急激に活性化しており、アグスタウェストランドでは過去6年間で民間機を50機ほど売却した実績がある。用途は国のVIP輸送からガス・油田支援、チャーター会社向けなど。

この工場は、世界で売っていくアグスタウェストランドにとって極めて重要であるが、タタ・サンズにとっても、航空宇宙セクタへの足がかりという意味で重要視されているようだ。
タタ・サンズはアグスタウェストランドとのJVのほか、シコルスキーとのJVにも出資している。こちらもハイデラバードでS-92のキャビン部分を製造しているが、コンポーネント単位での製造という色合いが濃いようで、様々な部品を製造し、供給している。が、将来的には同施設でS-92の80%ほどを製造する計画も存在するとのこと。

F-22、インクリメント3.1改修機が配備される/CH-53KがNAVAIRへ正式に提案される/米国の軍用ヘリコプター市場は今後縮小するとの見通し/豪Quickstep社がF-35の製造分担分を初めて納入

F-22、インクリメント3.1改修機が配備される

http://www.flightglobal.com/news/articles/usaf-fields-first-upgraded-f-22-raptors-369886/

最新のF-22はインクリメント3.1改修が施された機体となる。インクリメント3.1では主に対地攻撃および索敵についての機能強化が施された。
インクリメント2までは1000ポンドJDAM×2による2目標同時攻撃が限界だったが、3.1ではSDB×8による4目標同時攻撃が可能となる。
これに大きく寄与しているのがAPG-73の機能強化で、SAR能力、EW攻撃能力が付与され、敵レーダーの高精度な逆探知や地形マッピングも可能となった。APG-73の能力向上については、かなり以前から謳われていたものではあるが、ここにきてF-117を大きく超える能力を備えるに至った。F-35の配備前に間に合って良かったですね。

次の改修はインクリメント3.2と呼ばれるもので、その中でさらにA、B、Cの3つのパッケージに分かれる。改修・配備スケジュールとしてはそれぞれ2014年、2017年、未定となっており、内容は、AIM-9XとAIM-120Dのインテグレーション、SDB×8による8目標同時攻撃および独立した再ターゲティング能力、墜落防止装置と自衛用EW装備など。

USAFではソフト、ハードともオープンアーキテクチャ化を進める方針としている。F-35などと共通の部分も増えてくるだろう。

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CH-53KがNAVAIRへ正式に提案される

http://www.flightglobal.com/news/articles/sikorsky-tables-new-ch-53k-proposal-369923/

NAVAIRは3月初め、シコルスキーからCH-53Kの正式なプロポーザルが提出されたことを認めた。
提案が通れば、CH-53Kは2019年から配備される計画。これは以前の発表の1年遅れとなっているものの、USMCでは200機程度の導入を希望している。
評価プロセスがいつまで続くかはまだ明らかにされていない。

K型は、USMCが装備するCH-53のうち、3発のCH-53Eの後継機となる予定で、当初は156機発注、2015年後半にIOC獲得とされていた。3年後の2007年8月には発注機数が227機まで増やされ、それからちょっと減らされて、現在は発注機数200機ということになっている。

CH-53EはCH-53K配備まで現役に留まるが、双発のCH-53Dの方は今年2012年末で全て退役する予定。かつてMV-22がCH-53系の後継機と位置付けられていた時期もあったが、そうはなっていない。
ただしCH-53をアップデートする余地は、かなりある。CH-53Dは1960年代、CH-53Eは1980年代の設計で、今日の技術で複合材料のローター、駆動系、FBWなどを適用するだけで、ほぼ別物が出来上がるはずだ。

現在、フロリダ州ウェストパームビーチのシコルスキー工場において地上試験機と飛行試験機2機が製作中。新規設計部分を含む一通りのシステム統合が試みられた後、2013年に飛行試験機の初飛行が予定されている。
サブシステム単位での地上試験は既に進行中であり、特にGE38-1Bターボシャフトエンジンは、試運転時間が1100時間以上に達したという。その最大出力7500shpは、E型の搭載するT64の7割増し、V-22のT406をも上回るという恐ろしいパワーアップ具合になっている。
同時進行で静強度試験用のエアフレームも製造された。こちらはコネチカットの工場が担当。
飛行試験機の方は開発試験機という位置付けで、開発段階を終えると前生産型4機にスイッチし、最終段階のIOC獲得プロセスに進む。
USMC側で試験を担当するのはVMX-22。

CH-53Kの要求性能は、セ氏35℃の日中に12.3ton積載して高度6000ftを110nm飛行する事などが含まれるが、これはCH-53Eのほぼ3倍の能力ということになる。
エンジン1基分以上パワーがあるとは言え、速度以外ではMV-22に見劣りしないものになる…はず。

IOC獲得後はLRIPに進むことになるが、その時期は2015年になる見通し。

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米国の軍用ヘリコプター市場は今後縮小するとの見通し

http://www.flightglobal.com/news/articles/analysts-predict-military-helicopter-market-downturn-369725/

フォーキャスト・インターナショナルの分析によると、今後10年間で製造される中~重量級の米軍向けヘリコプターは、金額にして1040億ドル、機数にして4384機程度と予測。
具体的には、2017年には399機となって、2012年の512機から大きく下落。2018年に若干持ち直すもそれ以降は下落傾向が続き、2021年は376機とされている。

こうした低落傾向は、アフガニスタンおよびイラク方面での展開が一段落するので、その反動という見方ができる。装甲トラックなどのケースとだいたい同じ構図であり、戦後の防衛予算縮小のあおりも受けることを想定される。

短期的な需要では、HH-60Gの後継となるCSAR-Xと大統領専用機VXXがあるが、更に遅延するか、中止される可能性も高いと見られている。

米国内のUH-1Nを更新するCVLSPというのがあったけど、これはFY2013で予算が付かず、実質的に終了。USAF当局は同型の再生機か、USMCで余剰となったUH-1Nを使うことになると述べた。

長期計画では、joint multi-role(JMR)がまだ生きており、技術開発の意味でも重要かつ不可欠とするも、次の10年では具体化せず、研究開発レベルでの資金供給が続けられるという見方。
ただしJMRを中止して既存機の改修で済ます方向になった場合、技術面で後れをとるリスクも指摘している。

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豪Quickstep社がF-35の製造分担分を初めて納入

http://www.flightglobal.com/news/articles/australias-quickstep-completes-first-f-35-parts-369918/

オーストラリアのQuickstep社は、ノースロップグラマンの下請という形で参画しており、複合材料製のアクセスパネルを供給する。今回の分は2011年7月に発注されたもので、グループ1パーツと呼ばれるもの。最近ではグループ1の次期発注に加え、グループ2と3の長期にわたって供給する協定にも調印したとのこと。

この企業はC-130Jのフラップ製造についても、競争入札を経てLMと契約を交わしたばかり。オーストラリアのメーカーの中でも、かなり国際競争力が高いようだ。

http://www.flightglobal.com/news/articles/australias-quickstep-to-make-c-130j-composite-flaps-369128/

こちらの記事ではF-35のアクセスパネルのほか、ウェポンベイのドア、機体外皮、燃料タンクのカバーなどと関係していると書かれている。

ロシアはS-300V4を3個大隊分発注する/ロシア国内S-400の配備状況/T-90の最新型が近くロールアウト/ロシア陸軍はイヴェコLMVを年内に配備する/ロシア空挺軍がNBC防護偵察車輌RKhM-5の試験を完了

ロシアはS-300V4を3個大隊分発注する

http://en.rian.ru/mlitary_news/20120312/172109752.html

ロシアはAlmaz-Anteiに対してS-300V4、3個大隊分を発注したと発表。3年で納入される事になっているとのこと。これらはすべて南部軍管区に配備されるそうだ。

S-300のバリエーションはもはや素人には追い切れない感じになってるが、S-300V4はとりあえず、S-300V/VM系の最新型ということでイイらしい。この型についてはNATOが新たにSA-23という識別を振ったという話もある。どうやらアンティ-2500の本国版みたいなのだけども、変更点はよくわからない。

 

ちなみにイラン向けS-300輸出は、完全に凍結された模様。

http://en.rian.ru/mlitary_news/20120313/172133153.html

3月13日、ロシア副国防相はS-300PMU-1の輸出を行う計画がないと明言した。2007年末の契約ではS-300PMU-1×5セットの輸出が予定されていた。金額は8億ドルとされる。
2010年9月22日、国連決議1929号に応じてイランへの兵器輸出が凍結されてから、そのまんまになってるということ。

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ロシア国内S-400の配備状況

http://en.rian.ru/mlitary_news/20120314/172159406.html

3月14日、ロシアは2012年にS-400防空システムを3個大隊配備すると発表した。これまでS-400はモスクワ近郊に2個連隊が配備されており、もう1個連隊がバルト海方面への配備予定。これは海軍基地の防空を主任務とするようだ。

今回明らかになったところでは、1個大隊がナホトカへ展開中で、2個目がモスクワ近郊、3個目が空軍及び防空軍司令部につく。年内に配備完了する計画。

また、S-300の製造が終息してS-400に移行するとも述べているが、これ多分S-300P系の話かなあ。
S-400に関しては、少なくとも2015年まで輸出計画は存在しない。いわば虎の子的な存在と言える。

 

この記事の後の3月20日、S-400の発注が、これも3年契約で締結されたという記事が出ている。

http://en.rian.ru/mlitary_news/20120320/172278621.html

製造するメーカーはAvangardで、金額は明らかにされていない。ミサイルシステムの内訳も不明であるが、以前の説明では9M96、9M96E2、40N6Eが含まれていた。

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T-90の最新型が近くロールアウト

http://en.rian.ru/world/20120313/172132043.html

ロシアの防衛産業筋によると、T-90の最新型がDefexpo India 2012で公開されるとのこと。Defexpo India 2012は3月29日から4月1日まで開催予定で、17ヵ国の兵器メーカーが出展することになっている。

このタイプは新しいFCS、防御システム、改良型サスペンションと駆動系を有し、戦闘力を大きく高めているという。
もう全部取り替えたという感じであるが、元がT-72だしなあ。

 

ついでに去年の対決企画のT-90対レオパルト2A6。
一部の将官とかが西側MBTに劣ってる発言したのを受けてのものらしい。

http://en.rian.ru/video/20110322/163146273.html

T-90がアウトレンジして勝つる。おわり。

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ロシア陸軍はイヴェコLMVを年内に配備する

http://en.rian.ru/world/20120314/172163010.html

3月14日、ロシア国防省は2012年内にイヴェコ製のLince LMV×57輌を受領し、南部軍管区を中心に配備すると発表した。具体的には北カフカス共和国。

http://en.rian.ru/infographics/20110531/164340073.html

ロシア、ヴォロネジ工場での製造分担は、現状では10%だが、2014年までに50%を移転する計画となっている。

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ロシア空挺軍がNBC防護偵察車輌RKhM-5の試験を完了

http://en.rian.ru/mlitary_news/20120312/172111198.html

ロシア国防省の発表では、3輌製作されたNBC防護偵察車輌RKhM-5の試験が完了したとのこと。
こんなの。かなり現代的なNBC戦車輌になってるみたい。狭そうだけど。

http://www.youtube.com/watch?v=_ORjp0-p-iA

プスコフに2輌、ツーラに1輌が存在する。

Ka-52が訓練中に墜落/ロシア空軍は2012年内に6機のSu-35を受領する/ロシア軍はSu-30SMを30機発注/ベトナムがイルクートに小型UAV製造を発注/ロシア空軍が新型巡航ミサイルを配備

Ka-52が訓練中に墜落

http://en.rian.ru/mlitary_news/20120313/172126655.html

モスクワ時間で3月13日午前8時45分頃、トヴェリ州の古都トルジョーク近郊で、訓練中のKa-52が墜落、乗員2名が死亡している。墜落地点はトルジョーク航空基地の西方約10kmで、1名は即死状態、もう1名は病院搬送後に死亡と報じられた。
国防省からはフライトレコーダを解析することが発表されているものの、Ka-52の飛行停止などの措置はとらないとのこと。

なお、Ka-52の墜落事故はこれが初めてとなる。が、原型となった単座型のKa-50では1998年6月、飛行展示中の墜落事故が1件あった。この時はトルジョーク基地の司令官が死亡しており、事故調査の結果、激しい機動飛行を実施した際に、上下のローターが接触したものとされた。
今回の事故と関連するかは不明。ただ1994年開発から2008年の量産開始まで相当の時間が経過してるので、何らかの対策は取られてそうだ。

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ロシア空軍は2012年内に6機のSu-35を受領する

http://en.rian.ru/mlitary_news/20120312/172116202.html

Su-35の試験はボルガ地方のアフトゥビンスク試験・訓練場で行われており、既に最終段階にあるとのこと。
今のところ2012年内に6機のSu-35が引き渡される見通しで、これは2009年契約の48機のうちの最初のバッチとなる。

輸出に関しては中国の他、東南アジア、中東、南米諸国への売り込みが進められているという。Su-27のユーザを中心と考えれば、大体予想は付くだろう。ただし輸出について言及されてから、既に2年ぐらい経過してたりもする。

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ロシア軍はSu-30SMを30機発注

http://www.en.rian.ru/mlitary_news/20120322/172317814.html

ロシア国防省は3月22日、Su-30SM×30機の製造をイルクートに発注したと発表。2015年までに納入される契約となっている。金額は明らかにされなかった。

Su-30SMは、インド向けで開発したSu-30MKIのロシア仕様に近いマルチロール戦闘機とされ、TVC付きのエンジンが特徴となっている。
2011年8月、イルクートが発表したところでは、空軍向け28機、海軍向け12機(海軍のSu-24の代替)の計40機を製造するとされていた。30機ということは空軍向けなのか。

 

ついでだからSu-27/30/34とT-50の。

http://englishrussia.com/2011/12/07/the-sukhoi-aircrafts-photo-collection/

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ベトナムがイルクートに小型UAV製造を発注

http://en.rian.ru/mlitary_news/20120315/172178844.html

イズベスチヤ紙が報じたところでは3月15日、イルクートはベトナムから小型UAVの製造を受注したとのこと。
金額は1000万ドル程度で、機体重量は100kgクラスとされる。機体と遠隔操作ステーションの他、契約には、ベトナム航空宇宙機構(VASA)に技術移転(運用と整備、製造まで)するところまで含まれる模様。
イルクートはベラルーシ向けのUAVを製造・納入した実績がある。

これらのUAVは民間セクタで用いられる予定であるが、将来の軍事利用も考えられているようだ。
報道に対してVASAはコメントを出していない。

 

しかしMTOW100kg級に該当する機種が見あたらない。Irkut-200以外は10kg以下っていうか100kgでミニUAVってのが何か変な気がするが。誤記か新規開発機か?

http://www.irkut.com/en/services/projects/muas/

ついでにロシアでの2月のUAV試験を報じた映像ニュース。

http://en.rian.ru/video/20120210/171248710.html

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ロシア空軍が新型巡航ミサイルを配備

http://en.rian.ru/mlitary_news/20120320/172284223.html

3月20日、ロシア国防相は空軍が新型巡航ミサイルを配備したと発表。空中発射型の長距離巡航ミサイルであるという以外の情報は、全く明らかにされていない。

空軍司令官が過去に言及したところでは、Taktitcheskoye Raketnoye Vooruzhenie が開発を担当したようだ。詳しい仕様は機密事項であるが、第5世代戦闘機に搭載可能であるとも述べている。

国際戦略研究所の専門家によると、Kh-555かKh-101/102ではないかとのこと。
Kh-555は、Tu-95とTu-160が搭載していた核搭載巡航ミサイルKh-55(1984年配備)の通常弾頭型。
Kh-101はRaduga設計局が開発した核搭載ステルス巡航ミサイル、Kh-102はKh-101の通常弾頭型とされるもので、Globalsecurityによれば1998年10月に試験発射が行われたという。またこれはKh-555の派生型とする説もある。

Kh-555は試験の映像とか出てくるが、

http://www.youtube.com/watch?v=8AgOjKGroWg

Kh-101/102は情報がグロセキュしかない。

http://www.globalsecurity.org/wmd/world/russia/kh-101.htm

後者は何だかよくわからんということであるが、どちらにしても戦略爆撃機の近代化と密接に関係しているのは確実と言える。

CeBIT 2012でのTrinityデモ/GeForce GTX680/その他

CeBIT 2012でのTrinityデモ

http://www.tomshardware.com/news/AMD-Trinity-Piledriver-VCE-Demo,15009.html

デモンストレーションを行った試作品は、ノートPCとミニタワーのふたつ。

ノートPCのデモは、ULVのTDP35W版。DiRT4を1366×768、4xAAで動作させたもの。
ミニタワーのデモは、同じくDiRT4を3画面の5040×1050で、noAAで描画設定を落としたものだったようだ。TDP100Wクラスと思われる。

中国の方でベンチマーク数値リークが出てきているが、それを信じるなら、CPU性能は最上位のA10-5800KでFX-4100並になりそう。
大雑把に言うと、FX-4100からL3が無くなった分だけ消費電力とパフォーマンスが下がり、クロック向上(IPCも微妙に向上?)で補うという感じになるはず。FX-4100はi3-2100と概ね同等であり、これにGPUを統合して100W以下に収まれば、そんなに悪くないような気もする。
しかしPiledriverがこの程度じゃ、秋以降の次のFXでもまだダメかもしれん。

何にせよ第一世代FX=Bulldozerの最大の問題は消費電力だったわけで、第二世代のPiledriverがまともに供給されるんだったら、後出しだけどもなんつーか、去年無理してデスクトップ向けにFX出さなくても良かったんじゃないかっていうね。低クロックのクラウド鯖向けだけにしてさ。結局Ivybridge出てこなかったし、悪評付いただけで終わってるのが何とも。

GPUの能力は想定されてる通りに向上しそうなのだけども、メモリがボトルネックになるのも顕著になってくるわけで、どこかで根本的な転換が必要になってきそうだ。

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GeForce GTX680

http://news.mynavi.jp/special/2012/kepler/menu.html

発売直前までモデルナンバーの情報が混乱していたが、最終的にはミドルで開発したのを。暫定ハイエンドとして頑張って7970に勝てるよう調整してきた感じ。ゲーム向けとしては合目的なんで、GPGPUのパフォーマンスがどうしても欲しいというケース以外では、大きな問題は無いだろう。AMDが巨大1チップ路線から離れている以上、主戦場はこのレンジになるわけで、NVは勝負をかけるポイントをよくわかっていると言えよう。

Geforce、Radeon双方の独自機能が、DX11.1の枠内でどれだけ使われることになるのかは謎だが、ミドルウェア屋の対応のみならず、コンシューマゲーム機への採用動向にも左右されそうだ。

しかし449ドルが6万。いろいろと酷い。7970対抗の値付けとしても、幾らなんでもカモられ過ぎな気が。
言うほどの性能差が体感できるか微妙な線だし、VRAMが256bitの2GB限定じゃ足りないという用途がないわけでもない。

個人的には、デュアルリンクのDVIが2本あるのはイイ。とは言え10年目ぐらい?のL565がそろそろ死にそうだから、普通にDisplayPortに移行することになるかもしれないが。
あと、このクラスは要らんので普通のミドルを。

それはそれとして解禁日に一斉に記事投下されまくり(普段は2~3日遅れで記事を上げてくる人までも)で、どんだけ広告費撒いたんだよと以下略。
根本的に日本NVの方が国内市場を重視してる感じはするが。

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GiadaからCore i5-2467MオンボードM/B

http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20120324/ni_cmihm65ti5.html

UL V版のモバイルi5なので、クロックは低め。こうした形のレイアウトはThin Mini-ITXとかなら意味を持ってくるかも知れないが、なんつーか好事家向け。価格も含めて。

mSATAとSO-DIMMが各1というのは、普通のPCというよりノートPCの基板に近い。

モバイル系のCPUが載るM/Bは他にも出てた。

http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20120324/etc_commell2.html

SIMソケット付きとか、本来の用途が何なのかよくわからんな。組込系なんだろうけど。

http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20120324/etc_commell3.html

なんか色々あったのね。

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AMD FX-4170

http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20120324/etc_amd4.html

公式アナウンスがないまま出たっぽい。

SpaceXのDragon宇宙機が4月30日の打ち上げを準備/MT AerospaceがIXV再突入体の製造で下請契約/サウスウエスト研究所(SwRI)がXCORと契約/嫦娥3号以降の嫦娥計画について/ROSCOSMOSが2030年までの宇宙計画の草案提出

SpaceXのDragon宇宙機が4月30日の打ち上げを準備

http://www.space-travel.com/reports/SpaceX_NASA_readies_for_April_30_launch_to_ISS_999.html

3月20日、NASAのISSマネージャであるMike Suffredini氏は、Dragonの打ち上げ準備が、4月30日を目標として進行中と述べた。当初は2月の打ち上げで計画していたが、技術的問題の為に延期された経緯がある。

もう一方の当事者、SpaceXの広報は正式な打ち上げ日について、最終承認が4月16日のFlight Readiness Reviewの後になると言っている。

このフライトの目的は、ISSへのフライバイ(距離2マイル程度)を含む軌道周回と、ISSのロボットアームを使用した係留など。試験や検証のスケジュールを消化して再突入した後はフロリダに着水、回収される段取りとなる。
NASAが推進する民間開発の有人宇宙機としては、これが最先端を走ってる状況に変わりは無い。

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MT AerospaceがIXV再突入体の製造で下請契約

http://www.space-travel.com/reports/MT_Aerospace_to_manufacture_flight_hardware_for_IXV_reentry_vehicle_999.html

IXVはESAの計画の一つで、大気圏再突入の実験を含んでいる。主契約はタレス・アレニア・スペース・イタリアで、今回ドイツのアウグスブルクにあるMT Aerospaceが下請で実験機の製造を行うことで契約締結された。

IXYの再突入体はセラミック製の全長0.8m、重量37kgと小型軽量な機体で、リフティングボディの後端にフラップが付いている。
MT Aerospaceの技術は熱防護システムの方で、特許取得済みの耐熱性繊維強化セラミックが使用される予定。

飛行計画としては、ヴェガで打ち上げられた後、高度450km付近から再突入して最大速度は7.5km/s程度、最高温度1900℃になり、最大gは5.7と計算されている。
今のところ2013年後半までに製作され、2014年に実験がおこなわれる見込み。

静止軌道付近まで上がるので、かつて日本で計画されたDASH(H-IIの打ち上げ失敗で終了)に近い感じだ。

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サウスウエスト研究所(SwRI)がXCORと契約

http://www.space-travel.com/reports/SwRI_and_XCOR_agree_to_pioneering_research_test_flight_missions_999.html

2011年、SwRIとXCORは、6回のLynxを使用した弾道飛行ミッション(オプション契約で3回追加)を行う協定に合意した。明けて2012年、1または2回のミッションについて正式契約が締結されたとのこと。
これにより、通常の商業ミッションよりもSwRIの科学ミッションが先に実施される公算となった。

SwRIからはアラン・スターン博士をリーダーとして3名が参加する。2010年から0g飛行や遠心分離機タイプの高g訓練、F-104への搭乗といった準備を続けてきたそうだ。
弾道飛行による微小重力実験は、これまで全く不可能だったというわけではないものの、コストの割に微小重力状態の継続時間が長いというのも大きなメリット。
加えて、研究者が直に操作できるというのは大きいみたい。単に実験装置を航空機に積んで飛んでもらうよりも、大きな成果が期待できる。

この発表は2月末のNext Generation Suborbital Researchers Conference (NSRC) 2012というので行われたみたいで、XCOR関係ではペイロードインテグレーターの新規参入も報じられている。

http://www.space-travel.com/reports/XCOR_Announces_New_Lynx_Vehicle_Payload_Integrators_999.html

ペイロードインテグレーターは、Lynx用の実験装置などを開発・標準化して、切り売りする担当。新たにスペインのEMXYS、テキサスA&Mの宇宙工学研究センター、惑星科学協会といった名前が挙がる。これまでSwRIなど学術系を中心に7つほどの組織が関わるものになっており、地道に営業活動を結実させつつあるようだ。

XCORはペイロードインテグレーターを統括して、会議を通じて情報を共有したり、各種の調整、とりまとめを行う。

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嫦娥3号以降の嫦娥計画について

http://www.spacedaily.com/reports/Chinas_Lunar_Docking_999.html

中国の月探査関連は嫦娥計画と名付けられており、嫦娥2号までの周回探査機は一応の成功に終わっている。
これに続くのは表面探査ということで、嫦娥3号の準備が進行中。

嫦娥3号は2013年に打ち上げ、月面探査車の投入を含む月面着陸を目指す。その2年後、2015年には嫦娥4号。これは3号と同様のミッションが計画されており、事が計画通りに進むなら、さらに2年後、2017年の嫦娥5号で、サンプルリターン計画を遂行することとなっている。

着陸機に関しては発表当初、旧ソ連が1960年代と1970年代を通じて月面探査に投入した、ルナー探査機の影響が指摘された。月面車ルノホートが投入可能である点や、ルノホートの代わりにサンプルリターン用の機材と小型ロケットが搭載可能である点も同じであったりした。

が、嫦娥5号のサンプルリターン計画は、後に変更されたようで、現在は月軌道を周回する宇宙機(輸送機)と、サンプルリターンのための着陸機を別々にする形をとる、小規模なアポロ計画のような方針になっているという。

どのようなハードウェアになるのかはまだはっきりしていないが、想像図を見た感じでは、輸送機と着陸機を別々に打ち上げ、地球軌道上でドッキングして月に向かうような感じではある。

変更されたとすれば、単により大きな成果を求めたというよりも、嫦娥5号を将来の月面有人探査へのステップとして位置付けた、という可能性が高い。神舟8号などのランデブー実験を、その前段階と捉えることもできるだろう。

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ROSCOSMOSが2030年までの宇宙計画の草案提出

http://www.space-travel.com/reports/Russia_Drafts_New_Space_Exploration_Strategy_999.html

3月13日のコメルサント・ビジネス紙が報じたところによると、ロシア宇宙機関ROSCOSMOSは、2030年までの宇宙関連戦略についての草案を、政府へ提出したという。

この草案によると、目標とするのはロシアの宇宙産業が、将来にわたって世界トップ3のレベルを維持し、それを確実なものとすること。
また、2011年の宇宙市場におけるロシアのシェア(?)が0.5%に留まったのを受け、2030年までは10%まで引き上げる方針を示した。衛星含めた金額ベースの事かしら。

衛星関連の具体的な目標としては、2020年までに人工衛星の完全国産化(特に電子機器を指す)を達成し、2030年までには軍民合わせたロシア国内需要の95%を満たすとする。

探査関連では、月への有人飛行、金星探査と木星探査を挙げ、火星への恒久観測ステーション建設計画は、国際共同で行う予定としている。

その他、軌道上のゴミ掃除とか、いわゆるNEO対策にも注力するとのこと。

とりあえず思いついたこと全部書きましたという感じではあるが、同紙は大統領直下に調整のための独立機関が設けられる可能性を指摘している。

この10年は前進するどころか失敗が続いちゃってるからなあ。辛うじてGLONASSは面目を保ったが、Kliperはどっかいっちゃったし…

CHEETAHが歩行型ロボットの陸上速度記録を更新/NRLの消防ロボットSAFFiR/Robo-Gloveの開発

CHEETAHが歩行型ロボットの陸上速度記録を更新

http://www.gizmag.com/cheetah-robot-speed-record/21723/

ボストンダイナミクスがDARPAと開発契約を結んで約1年、4足歩行型ロボットのCHEETAHが、速度記録を達成したと発表している。

走りはチータというよりウサギみたいだが。

速度は18mph(29km/h)で、MITが制作した1989年のPlanar Bipedによる13.1mph(21km/h)を上回った。ただアレは時代が時代とは言え、2足歩行というより割り箸が歩いてるような感じだったので、見た目はさすがに進歩を感じさせる。

http://www.ai.mit.edu/projects/leglab/robots/robots.html

記録と言ったところで、単に歩く速度が必要とされるかどうかの話で、誰もやんなかっただけのような感じでもあるが、1年でここまで組み上げるのは中々できないと思う。

機構的にはかなり固まってるように見えても、現時点でのCHEETAHは、動力となる油圧系が外部に置かれている。自律的に動き回るまでには、まだまだ時間がかかると思われる。

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NRLの消防ロボットSAFFiR

http://www.nrl.navy.mil/media/news-releases/2012/nrl-designs-robot-for-shipboard-firefighting

http://www.gizmag.com/saffir-shipboard-autonomous-firefighting-robot/21783/

米海軍研究所NRLは、艦船上での消火活動を乗組員と協同して行うという人型ロボット、Shipboard Autonomous Firefighting Robot (SAFFiR)を開発している。
可燃物を満載した作戦行動中の艦船上において、火災が発生する事の恐ろしさは、USNで言えば1960年代のフォレスタルやエンタープライズの事例が真っ先に出てくると思われるが、平時だってボヤ騒ぎはわりとある。それへの対策は、ダメージコントロールの面から見ても疎かにはできない。
しかし、消火活動に当たる乗組員は大きな危険に晒されるし、原則的には外から消防士を呼べるわけでもないから、人的なリソースにも制約がある。

これを解決するためにロボット開発、ということになったものと思われるが、艦船の中というのは、そこかしこに段差があり、垂直方向の移動は主に梯子だったりするので、車輪などでは移動しがたい。艦内を改修するわけにもいかず、結局は乗組員の人間と同じ動きができるものを開発するのが近道だ。…というところまでは論理的に正しい。

NRLはここから更に一歩進めて、乗組員とコミュニケーションをとったり、ある程度の自律判断ができるものを考えているようだ。コミュニケーション手段としては、指差しやジェスチャ、自然言語インターフェースなど。
その場の指揮者を識別して、指示に従うというのは、相当に高度な話のよう思えるが、NRLの研究領域はやたらと手広く、The Navy Center for Applied Research in Artificial Intelligence (NCARAI)では1981年からAIなどの研究を続けてきたし、Laboratory for Autonomous Systems Researchではインテリジェントな自動化システムやセンサ技術、UI、ネットワークと通信プラットフォームなど、自律系の研究を一括して取り扱う。
そういうのを集大成して何とかする、という方針みたい。

ハードウェアとしては、バージニア工科大とペンシルベニア大のCHARLI-L1がベースになり、視覚センサ、ガス検知センサ、ステレオIRカメラなどの複数の感覚器を備え、propelled extinguishing agent technology (PEAT) グレネードを投げることができ、6軸の荷重/トルクセンサにより2本の脚で自由に移動したり、荒天時の艦上でもバランスを取って行動可能なものとなっている。主要な構造材はアルミニウムで、関節部はチタニウムのバネが使われ、内部電源で30分程度の消火活動を行える。

PEATグレネードというのはハロンなどに代わる消火器のようなもの。
こんなのとか。

http://www.pyrogen.com/Pyroleaflet.pdf

完成するのはまだ先の話で、2013年9月末頃に実地試験が行われる予定となっている。本物の艦艇を使うわけにはいかないが、退役して実験施設となったUSS Shadwell (現役時LSD-15)の艦内で行う。これもNRL傘下のNavy Technology Center for Safety & Survivabilityが保有するもので、チェサピーク湾に係留されており、様々な条件での火災を想定した実験が可能となっている。

http://www.dcfpnavymil.org/R&D/shadwell.htm

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Robo-Gloveの開発

http://www.spacedaily.com/reports/Robotic_Technology_Lends_More_Than_Just_a_Helping_Hand_999.html

NASAとGMは、2007年から共同してRobonaut 2(R2)を開発し、2011年にISSへ送り込んだが、次のプロジェクトとしてR2の技術をフィードバックしたRobo-Gloveを開発しているとの事。

Robo-Gloveは補助動力のついたごつい手袋のようなもので、何かを長時間握っている際の疲労を軽減するように考えられている。調査によると、連続して工具を握り続けた際、疲労を感じるまで2~3分という結果があるそうで、つまり軽く握るだけで済むなら、もっと長時間握り続ける事ができる。

宇宙服を着て作業する事を想定すると、工具を握る力は15~20ポンド。Robo-Gloveを使えば5~10ポンドで済むという試算がある。無重量状態であることも考えれば、さほど大したことではないようにも聞こえるが、そんなに簡単に終わる作業ばかりじゃないだろうし、メリットはそれなりに大きいようだ。

他のメリットとして、長時間労働や反復動作に起因する負傷を減らせるかもしれない、というのがある。このあたりは本業が自動車のGMらしい着眼点で、要するに力まなくていいなら大分楽、ということか。

R2の手と物を握る動作については、多数の特許が出願されている。R2計画全体での46件の出願のうち、21件は手に関するもので、さらにRobo-Gloveの2件が含まれている。
センサで腱の動作を制御し、適切な力で握るという機構は、R2もRobo-Gloveも基本的に同じ。

Robo-Gloveの最初の試作品は2011年3月に完成、2番目の試作品は3か月後の6月に作られた。ちなみに手袋自体の生地はR2と同じものが使われる。
この2番目の試作品は重量2ポンドで、制御基板とアクチュエータ、小型ディスプレイが取り付けられ、動力工具用のリチウムイオン電池がベルトに外付けされる形になっている。
次はシステムをコンパクト化して再設計する方針で、近々完成するとのこと。