ROSCOSMOSがフォボス探査機によるサンプルリターン計画を再開/Sea Launchが2年ぶり復活、ゼニット-3SLによる通信衛星打ち上げ成功/SLSとLiberty

ROSCOSMOSがフォボス探査機によるサンプルリターン計画を再開

http://www.marsdaily.com/reports/Russia_to_resume_deep_space_explorations_with_Phobos_expedition_999.html

実現すれば、旧ソ連崩壊からの20年にわたる惑星探査の断絶を埋めるものとなる。計画には50億ルーブルが費やされ、3年かけてフォボスから200gのサンプルを持ち帰る計画。うまくいけば2014年に完了する見通し。
難易度は低くないが、もと宇宙・科学大国としてこれぐらいできなきゃ嘘、という勢いである。計画立案から数えるとかなり昔のことになってしまうが、基本的には塩漬け期間が長かっただけのはず。

探査機にはバクテリアのカプセルが搭載され、研究材料に供されることになっている。個数はロシアのが2個、米国のが1個。

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Sea Launchが2年ぶり復活、ゼニット-3SLによる通信衛星打ち上げ成功

http://www.space-travel.com/reports/Sea_Launch_resumes_operations_after_2_year_break_999.html

SeaLaunchは1999年、エネルギア25%、ボーイング40%、ノルウェーのAker ASA(プラットフォームを建造したとこ)が20%、ウクライナのSDO Yuzhnoye/PO Yuzhmashが15%という出資比率で設立された。そして専用のゼニットと自航式の海上打ち上げプラットフォームを用い、2009年までに30回中27回の打ち上げを成功させた。その後、リーマンショックで一旦潰れる。しかしその翌年、2010年7月にエネルギアの子会社EOLの95%出資で再出発することになった。最初にこの海上プラットフォーム構想が出てきたときはかなりのインパクトがあったけど、後に続くものもなかったし、言うほどアドバンテージはなかった、みたいな感じになっている。

今回打ち上げられたペイロード、アトランティックバード7は、Eutelsatが発注し、EADSアストリウムが製作した通信衛星。重量4.6ton。

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今更だが、NASAのSLSについても触れておかなければなるまい。とりあえずアストロアーツの記事を。

http://www.astroarts.co.jp/news/2011/09/21sls/index-j.shtml

ATKのLiberty Launch Systemは、スペースシャトル後継民間ロケット開発を支援する、Space Actの出資対象から外れて終わった…かと思いきや、9月13日に大逆転、NASAとの契約を取り付けたらしい。

http://www.space.com/12930-nasa-deal-liberty-rocket-space-taxis-atk.html

http://www.nasaspaceflight.com/2011/09/atk-liberty-via-unfunded-nasa-space-act-agreement/

2012年にCCDev-3に進めるかどうか。ものとしてはAres Iにも近く、ありものの組み合わせという意味ではSLSと枝分かれしたものと言えなくもない。

空自F-X入札締切/BAEシステムズの人員削減策とタイフーンのライン縮小/ガゼルの無人機化について/SELEXガリレオのUAV搭載オープンアーキテクチャペイロード

空自F-X入札締切

まあ今更とりあげるまでもないが、FloghtGlobalの記事ではボーイングのみ次の次のFXXに言及してるので。

http://www.flightglobal.com/news/articles/boeing-willing-to-let-japan-develop-new-deriviative-of-fa-18-343016/

新戦闘機開発も支援したい的なことが書かれているが、言葉通りならF/A-18Eのブロック3とかF-15SEとか、理想としては同社の提唱する第6世代戦闘機構想につなげたいところだろう。
いくらボーイングでも、一社で独自開発するのは極めて難しい。これまでより漸進的なアプローチで時間をかけてやるにしても、投入可能なリソースには限界がある。しかし開発パートナーを得ることでこれを2020年代初頭とかまでに前倒しして開発できれば、最後の有人戦闘機の有力候補F-35一色、という状況はまた大きく動く。かもしれない。

RF-15が無理っぽくなった今、RF-4の後継にいいかもしれん。
F/A-18Eは、現実的な選択肢ではある。なんつっても戦爆としては格が違う(あれ?)。フルスペックのEA-18Gも買えるかも。

F-35は運用能力獲得までのスケジュール的な意味で凄い曲芸が必要だし、タイフーンは実際にどこまでやれるかわからん(EJ200とめておーるは素敵)。そりゃ面白さでいえばタイフーン一択だけど、面白さで選定されるのは困る。

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BAEシステムズの人員削減策とタイフーンのライン縮小

http://www.flightglobal.com/news/articles/bae-reveals-dramatic-cut-to-typhoon-production-rate-362594/

BAEシステムズは従来、ウォートンなど英国内の4箇所に最終組立工場を有し、年間60機程度の製造能力を確保していたが、コンソーシアム4ヶ国の予算難による、調達ペースの減速などに対応する必要が出てきた。人員削減の規模は、BAEシステムズ全体で3000人に上り、うち843人がタイフーンに関係する、ウォートン、プレストン、ヨークシャーの3工場の分となる。これにより、製造能力は年間60機から35機まで引き下げられる見通し。
人員削減は、ハリアーやトーネードF.3の早期退役、F-35の生産遅延の影響も受けている模様。

この決定には、ライン存続を優先するという意味合いが大きいものの、新規の輸出も含めてトランシェ3のオーダーが流動的なところも関係する。

でもよく考えたら、日本のF-XもインドのMMRCAも概ね年内には結論が出る話じゃないかとおもた。去年から製造計画修正のリミット(製造完了時期が決まる)は、今年2011年までと言われており、ギリギリまで待ってQ3末のこの時期に発表となったのかもしれないが、定かでない。
いや日本もインドも本音はライセンス生産が主体だろうから、英国で組み立てるのは一部でしかないか。ついでにどっちも結論先送りしまくりだしな。

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ガゼルの無人機化について

http://www.flightglobal.com/articles/2011/09/15/362082/dsei-qinetiq-northrop-offer-uk-unmanned-gazelle-conversion.html

QinetiQはノースロップグラマンと組んで、ユーロコプター・ガゼル(SA341か342)の無人機型開発に取り組むと発表した。MQ-8Bファイアスカウトのマネジメントシステムを流用することで、低コスト、短期間での開発を目論む。実質的にはMQ-8C Fire-Xと地続きという感じだな。
QinetiQはこの無人化ガゼルを数年間運用する予定で、2020年代の海軍向けVTUASについての要求事項と、意思決定プロセスについての知見が得られると考えている。
試験は同社のAberporthにあるUAVセンターを使って行う予定で、12か月以内に1000万ポンドの費用でデモンストレーションを実施可能と述べている。

ただし肝心の海軍の方では、まだ艦載戦術UAVについての議論がまとまってないとされ、これが進展すれば2024年頃にIOC獲得といった感じのようだ。

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SELEXガリレオのUAV搭載オープンアーキテクチャペイロード

http://www.flightglobal.com/articles/2011/09/15/362083/dsei-predator-b-ready-for-payload-sovereignty-test.html

SELEXガリレオとゼネラルアトミクスが共同で開発しているもので、センサ、コントロール、データマネジメントを含むオープンアーキテクチャコンセプトとなる。
このほど研究室レベルでの適合試験を完了し、12月初旬からMQ-9プレデターBの実機に搭載して飛行試験を行う計画。

試験機にはSELEXガリレオのシースプレイ7500Eレーダーのインテグレーションが行われている。飛行試験は米国カリフォルニア州パームデールにある、GAのオペレーションセンターで実施予定。

SELEXガリレオでは、全体をSkyISTARオープンアーキテクチャコンセプトと呼んでおり、大規模なシステムで運用されるMQ-9など普通サイズのMALE-UAVよりも、さらに小規模のシステムとエアフレームへ適合させることを目指す。
小型UAVのデモンストレータとしては、SELEXガリレオ自身の設計したFalco Evo UAVへの搭載を計画している。これは2012年初頭を予定。

SkyISTARは、レーダー、EOセンサ、ELINT/COMINTペイロードといった各種センサ、マネジメントシステム、さらに自己防御システムなどを統合するように設計され、単一のシームレスな映像をオペレータに提供する。

ソフトウェアなどはそのままで、単に搭載したペイロードを変更できるのが利点ということになっている。
この手のプラグアンドプレイ的なコンセプトは、数社が提案しているものの、本格的に実用に至ったものはまだない。

イラク空軍向けF-16/イランがMD用レーダー配備に関してトルコを非難/放棄されたリビア軍装備の拡散

イラク空軍向けF-16

http://www.spacewar.com/reports/Iraq_finally_signs_up_for_F-16_jets_999.html

イラク空軍でF-16 Block52の導入がスタートする模様。最初の発注は18機で、非公式には最終的には5個SQぶん、96機を購入・配備する計画とされている。
イラク駐留の米空軍准将が9月14日に述べたところによると、バグダッド近郊に配備される2個SQ、36機が最初のロットになる模様。バグダッドに近い航空基地としては、市街地から50マイルほど北方のBalad空軍基地というのがある。

しかしイラク戦後、8年半に及ぶ空白期間を埋めるのは容易でなく、空軍に戦闘機パイロットが不在という状況にある。
それでも導入を進めるのは、マリキ政権の思惑にも関連する。マリキ政権の支持基盤はスンニ派だが、彼らはシーア派よりも数の上で劣勢であり、今年末の米軍撤退後の状況を不安視している。対してイラク国内のシーア派、特に強硬派はイランと繋がってるので、米軍撤退後はそのプレゼンスを残さず引き揚げることを望む。
ここで米国製戦闘機の導入を決まると、機体があっても扱う人員がろくにいない状態のため、米国の支援は欠かせない。主契約のLMだけでなく、軍事請負企業などが一種の軍事顧問のような形で現地に入ることになり、高度な航空作戦能力の再取得というスパンで考えれば、その期間も数年単位となる。
こうした事情から、実際に部隊が編成され、運用が始まるのは早くても2015~2016年とみられる。LMは2013年ごろからの引き渡しを予定しているようだ。

マリキ政権としては、米軍撤退後のこのような形の軍事力の残存は、あくまで「訓練」が名目であり、議会に諮る必要はない、という立場を表明しているが、野党勢力と揉めるのは目に見えている。

明るい材料は、原油高で当面の予算には困らなさそうなところ。2010年秋の時点では18機としていたのが、今年7月になると「2020年までに36機」と倍増させた。この月は原油の売り上げが73億ドルに達し、5か月連続で70億ドル超えを達成したとのこと。

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イランがMD用レーダー配備に関してトルコを非難

http://www.spacewar.com/reports/Turkeys_NATO_radar_to_protect_arch-foe_Iran_999.html

イラン国営通信は、MDのためのレーダー設置に関してトルコを非難した。
イスラム世界の究極の敵であるイスラエルを守るものに手を貸すとは何事か、という論理だが、トルコとイランの関係が核関連の経済制裁の件が出るまでまあまあ良好だったこともあり、えらく複雑な話になっている。
アフマディーネジャド大統領の見解では、ホロコーストはユダヤ人の嘘、という立場をとる。あと、トルコは兄弟。

http://www.spacewar.com/reports/Ahmadinejad_criticises_brother_Turkey_over_missile_shield_999.html

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放棄されたリビア軍装備の拡散

http://www.spacewar.com/reports/Looted_Libyan_missiles_dangerous_but_difficult_to_use_999.html

リビアにおける戦闘の中で、カダフィ派が放棄していった装備の中には、SA-7のようなMANPADSも含まれる。もしもこれがテロリストの手に渡ったら…という危険性は生じるものの、全部揃ってないと使えないし、保管状態が悪ければあっという間に劣化してガラクタになるからそんなにリスクにはならん、というのが専門家の見解らしい。

実際に、サハラ以南の武器密売市場へ流れたという話もあるようだ。アラビア語の取扱説明書を探してるとか何とか。これはフランスの専門家筋が語ったもの。
またあるジャーナリストが武器貯蔵施設でミサイルの空の木箱を見たという話もあるが、SA-7本体は通常、熱電池(9B17)と別に保管されることになっており、掠奪者はそれを知らずに熱電池を持っていかなかったらしい、というオチがついている。

こうなると、正規ルート以外での熱電池の入手は、一般的にはかなり困難らしく、アルカイダ系のAQIMなんかじゃ無理、という見解もある。

しかしその他、ローテクな小銃類などは市民が闇市場に叩き売ったりして、えらいことになってるらしい。

http://www.spacewar.com/reports/Fears_over_mass_spread_of_Libya_weapons_999.html

リビアの新しい政府がどう対応するにせよ、全てをコントロールするのはほとんど不可能そうに思える。市民の武装解除から始めなければならない。

エジプト向けC-295が納入される/RAFのタイフーンなどがリビア派遣から帰還/パキスタンの核の傘

エジプト向けC-295が納入される

http://www.flightglobal.com/articles/2011/09/25/362501/picture-egypt-takes-delivery-of-first-c-295-transport.html

エジプトは2010年10月、エアバスミリタリーに対してC-295×3機を発注しており、年内に全機を揃えて配備する計画。今回納入されたのが最初の1機となる。
この機体、エンジンはカナダP&WのPW127Gの双発で、最終組立はサン・パプロ工場で行われた。元はCASAの施設のはず。

エジプト空軍の保有するその他の主要な輸送機は、An-74×3機、C-130H×24機とのこと。
C-295は軽~中輸送機ということになる。

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RAFのタイフーンなどがリビア派遣から帰還

http://www.flightglobal.com/news/articles/typhoons-sea-kings-return-to-uk-after-libyan-duties-362540/

9月16日、タイフーン×4機が、展開先のイタリアのジョヤ・デル・コレ基地から、RAFコニングに帰還した。
作戦中の飛行時間は、空中哨戒から対地攻撃まで全部含めた累計で3000時間を超えたとのこと。

また、英海軍、857NASのシーキング×2機もRNAS Culdrose(カルロス?)に帰還。こちらはHMSオーシャンでの4か月間の展開を終えた。5月下旬から2機合わせて100回の出撃を記録している。
5機投入されたアパッチAH.1の支援と、カダフィ側勢力のリアルタイム監視などに、機載レーダーのサーチウォーター2000が威力を発揮した。

リビア方面の作戦は、ジョヤ・デル・コレ空軍基地に展開する分のトーネードGR.4×16機、アパッチAH.1×2機が主体となって継続される。支援には空中給油機のトライスターとVC10、E-3D、センチネルR.1も残る。
また上記のとおり、HMSオーシャンもNATOのミッションから外れた。

アフガニスタンでも活躍する英海軍のシーキングであるが、2016年頃には全機が退役する見込み。
サーチウォーター2000を提供しているタレスUKでは、ケルベロスミッションシステムをAW101マーリンHM.2へ載せ替えるプランを提案している。

http://www.flightglobal.com/news/articles/dsei-thales-outlines-sea-king-7-replacement-proposal-362116/

HM.2への改修は英国LMが担当。タレスの案ではエレベーターのレールを介して胴体に取り付けるとあるが、よくわからん。

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パキスタンの核の傘

http://www.spacedaily.com/reports/Saudis_eye_Pakistani_nukes_to_face_Iran_999.html

サウジアラビアは、以前から宗教が近いパキスタンとの結びつきが強かったが、現在はイランの核開発への対抗軸として、一足先に核保有国となったパキスタンとの軍事協力を一層強化する方向にあるそうだ。

インドとパキスタンの対立、それにまつわる対中関係といった構図がクローズアップされがちだが、見方を変えるとパキスタンは、イスラム教スンニ派勢力圏の最前線で唯一の核保有国で、軍事大国でもある。
パキスタンでは、サウジアラビア有事(イランの軍事行動や民主化勢力の蜂起など)に備えて2個師団が待機してるという。また、現実に核兵器の使用に踏み切るかはともかく、サウジアラビアの脅威に対して、パキスタンの核抑止力を行使するところまでは確実と見られているようだ。

サウジアラビアをはじめとするGCC諸国が、パキスタンの核開発に資金を供給していたというのもほぼ定説になっている(パキスタン核開発の父・カーン博士が50回ものサウジ詣でを繰り返していた件などが公式に認められている)し、1994年にはフセイン体制下のイラクに対して50億ドルもの核開発資金を供給していたという亡命者の証言もある。一連の出来事は、ある意味ではスンニ派対シーア派の1300年の抗争の歴史の一項目に数えても差し支えないのかもしれないが、その過程で核技術の拡散が起こったりもしているので、まあ勘弁して欲しいよないろいろと。迷惑なんで。
ていうか北経由で核技術がシーア派諸国に入っていったわけだが。

公式なソースはないものの、専門家の見方では、パキスタンの核武装のペースは極めて速く、すぐに英国を抜いて世界第5位(弾頭保有数?)になるとされている。また人口は世界第6位で、間もなくインドネシアを抜いて世界最大のムスリム国家となるとも。
1発あたりの弾頭規模は大きくないし、ミサイルなどの運搬手段も初歩的なレベルだが、しかしこの手の核保有国は冷戦期の大国と異なり、どういう運用を考えてるのかよくわかんないのが一番怖い。

中パ関係では、新疆ウイグル自治区でのテロに関連して会談が持たれた模様。

http://www.spacewar.com/reports/Pakistan_in_anti-terror_pledge_to_China_999.html

この話の前段として、中国メディアが7月末、パキスタン国内のキャンプで、テロ事件を起こした東トルキスタンムスリム運動(ETIM)のテロリストが訓練されていたと報道。
なお、パキスタンはハッカニネットワーク対策で米国と揉めてる真っ最中。

日本エイサーから突如発表されたZambeziデスクトップPCほか/auのスマートフォン冬モデル/ZOTAC A75ITX-A-E

日本エイサーから突如発表されたZambeziデスクトップPC

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20110927_479817.html

発売は11月中旬以降で8コアCPU、店頭予想価格7万前後。
さらにマザーボードは自作市場に姿を見せてない980G。Ultrabookだけかと思ってたらこんなのが。

エイサーのこの手の製品でオンボードGPUで…と見ていくと

http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1104/12/news051.html

メーカー推定価格で比べると、i5-2400モデルに近い。これは4月発売。
あまり参考にはならないが、FX8120で200ドル前後という説に、信憑性がちょっと出てくるかもしれない。

一方Ultrabookの第一世代は、i7+SSDで15万、i3+HDDで9万という相場が何となく見えた感。どこのメーカーも似たようなもんであろう。

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20110927_479836.html

と言いつつエイサーはTimelineを継続するし、ASUSもUの付くモデルを継続する。
在来薄型1スピンドルなので、TDP高く、やや厚く、200gかそこら重く、その分安い。U36SDはi7搭載でも10万を割る。
こうなると、どうしてもMacBookみたいな金属ボディがイイだとか、現状のUltrabookは単にそういう人向けな気がする…

エイサーのタブレット製品は、どれもコンテンツのプリインストールに力を入れているが、7インチタブレットも同様で、手塚漫画が読める(試用48時間は無料)。7インチタブレットは、だいたい漫画単行本と同等の大きさだ。

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20110927_479820.html

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auのスマートフォン冬モデル

Tegra2搭載デバイスはスマートフォンにも増えて来つつあるみたい。

KDDIの発表に出てたモトローラ製とかHTC製とか。いずれもWiMAX対応で、大容量バッテリの分は重い。

http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20110926_479338.html

http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20110926_479321.html

厳密にはタブレット向けと型番が違うらしい。

http://ednjapan.cancom-j.com/issue/2011/9/91/8529/3

スマートフォン向けは、LPDDR2対応でGPUクロック1割ダウン、300MHzのTegra AP20。
タブレット向けはTegra T20だそうだ。

日本メーカーでもWiMAX対応端末が進行中。富士通と京セラ。

http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20110926_479319.html

http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20110926_479339.html

どちらも上の2機種よりもバッテリ容量分、軽い。わかりやすい。
CPUは富士通のがOMAP4330の1.2GHz、京セラのがMSM8655の1.4GHz。この冬のSnapdragonは1.4GHzか。

ただWiMAXは先日大規模障害起こしたりで、インフラとしては未だ脆弱な部分がある点は否めず。

http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20110928_480211.html

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残りのキャリアの発表は、ソフトバンクが29日、ドコモは10月とされている。

最近のドコモは端末のソフトウェア周りのトラブルが目に見えて多い上、スマートフォンへのiモードメール関係の対応が中途半端すぎて買う気にならん。そろそろ何とかしていただきたい。そのへんちゃんとなってARROWSのドコモ版出たら買ってもいい。

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ZOTAC A75ITX-A-E

http://ascii.jp/elem/000/000/636/636623/

Mini-ITXのA75マザーが増えたみたいだが、入荷数は少ないっぽい。どのみちDisplayPortは無い。

海外(の一部?)だと、ASUSのF1A75-I Deluxeが先に出たみたいで、対決レビューとかがあった。

http://www.hardwareheaven.com/reviews/1265/pg1/zotac-a75-itx-wifi-vs-asus-f1a75-i-deluxe-mini-itx-motherboards-review-introduction.html

F1A75-I DeluxeはDisplayPortアリだけど、この仕様ならZOTACより更に高価そうだなあ。入荷しなけりゃ買えませんけど。
性能比較に関しては、APU内部の動作に依存する部分が多いためか、差は非常に小さいと言えよう。

米空軍の緊縮予算に影響を受ける装備計画について/台湾のF-16A/Bアップグレードが米政府により承認される/米陸軍がCH-47の更なる派生型を研究/LM/ノースロップグラマンがNGM開発継続を表明/CHAMPの最初の飛行試験実施

米空軍の緊縮予算に影響を受ける装備計画について

http://www.flightglobal.com/articles/2011/09/22/362360/trainers-and-helicopters-stuck-in-usaf-budget-limbo.html

軍事予算の縮小に関しては空軍に限った話ではなく、米国の財政問題が根底にあるのは言うまでもないところだが、近年の米空軍においては、自爆気味の選定失敗例や開発難航例が現在進行形で存在するため、厳しく見られるのも当然という部分がある。

9月19日、空軍の航空宇宙カンファレンスで、空軍長官が基調講演に立った。この時、厳しい財政状況の中で、将来にわたり空軍の優位性を維持するために不可欠である、として挙げたのが、F-35とKC-46A、それに偵察衛星だったとのこと。偵察衛星についてもある意味F-35以上の大失敗をやらかしてるのだが、ここでは触れない。

じゃあ名前が挙がらなかった計画はどうなるの?というのがこの記事の趣旨で、T-X、CVLSP、CSARと軽攻撃/航空支援/練習機の4つを取り上げている。

この中で、業界的にも一番大きいのはT-38C×約450機の後継機となるT-X。LMがT-50、北米アレニアがM.346/T-100、BAEシステムズ/ノースロップグラマンのホークのほか、ボーイングはV字尾翼の新型機構想(Advanced Training Concepts)を明らかにしている。

http://www.flightglobal.com/blogs/the-dewline/2011/09/photos-fighter-bomber-trainer.html

2020年前後のT-38C更新を想定しているようだ。F/A-18似というか若干ノースロップくさい。
アレニアは米国でのパートナーが未定。でかいとこは別個に提案してるので、やや苦しいか。

T-38Cは飛行停止に繋がる墜落事故、CVLSPはUH-1の能力不足が言われており、どちらもあまり時間は残されてない。CVLSPの方はストップギャップのH-70系でごまかされそうな気もするが。CSARの来年度予算は未定、CVLSPはドラフト版RfPのまま止まってる。

さらに一番切られそうなのは軽攻撃機。今のところ、EMB-314スーパーツカノの米軍向けA-29とビーチクラフト/LMのAT-6が提案済みではあるものの、全くの新規導入になるし、両院議会でも中止の話が出てるとか。

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台湾のF-16A/Bアップグレードが米政府により承認される

http://www.flightglobal.com/news/articles/usa-approves-53bn-upgrade-for-taiwans-f-16s-362406/

AESAの輸出も認められるようで、金額は53億ドルにのぼる。
内訳としては、AESAレーダー×176、ALQ-213×176、JHMCS×128で、新兵装はAIM-9Xとその他の対地兵装、アビオニクス更新など。F100-PW-220から-229へのエンジンアップグレードはメーカー調査中となっている。
なお現在、台湾が保有するF-16A/Bの総数は152機。
主契約はLM。AESAは2種類存在するが、台湾のイベントに出展した方ならノースロップグラマンのSABRとなるだろう。
Block 15 OCU相当ながら、空対空作戦能力はBlock50並に向上すると思われる。

これと別のスペアパーツと兵站支援についてはF-5やC-130H、経国を対象とする5200万ドル分の取引となる。
パイロット訓練の5億ドル分には、アリゾナ州ルークAFBへのパイロット派遣なども含む。

追加66機の方は10月1日に、米国務省の結論が議会に上がることになっているものの、却下される可能性が高いと考えられている。

関連して9月14日の台湾の報道では、

http://www.sinodaily.com/reports/Taiwan_crash_sparks_calls_for_US_jets_sale_999.html

台湾空軍のF-5FとRF-5が墜落し、搭乗員3名が死亡するという事故があった。
2機は9月13日19時52分に台湾東部の花蓮空軍基地から離陸し、その13分後にレーダーから消失。山腹に衝突する形で墜落したようだ。霧で視界は悪かった模様。

原因調査のため、同型機の飛行は一時停止された。夜間飛行で霧という状況からすると、パイロットエラーの可能性が高いか。老朽化が直接の原因でなくても、就役から35年以上経過した機体と、最新の航法装置を備えた機体とでは、安全性が全然違うのは確かだ。
というか元々F-5に全天候作戦能力は無い。

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米陸軍がCH-47の更なる派生型を研究

http://www.flightglobal.com/news/articles/us-army-moves-to-set-up-possible-growth-variant-of-ch-47-chinook-362408/

CH-47Hは2020年代の就役を見込んだ派生型となる。9月初めには、米陸軍のレッドストーン兵器廠内に近代化プログラムオフィスが設置されているとのこと。

H型が実現すると第4世代チヌーク(A~Cが最初、Dが2番目、FとMH-47Gが3番目?)になるが、まだ先の話でもあるためか、詳細はまだ検討中らしい。
これまでボーイングが提示したアップグレード案では、ローターハブ、トランスミッションの改良で揚力が1ton程度増加できるほか、金はかかるがリエンジンによる能力向上も可能としていたようだ。具体的には、F型のハネウェルT55(4870shp)を7500shp級のエンジンに換装した場合、輸送能力は29500kgまで向上できるとした。
さらに最大離陸重量を34000kgまで引き上げることも不可能ではないとするが、C-17Aで輸送不可能になって陸軍のポリシーから外れてしまい、現実的ではない。

2020年代以降というのは、CH-47F/Gの製造が2019年までの契約になってるかららしい。5年間の複数年契約、155機調達という計画に続き、FY2013で次の複数年契約が交渉中とのこと。しかし予算(略)

CSAR-Xで失敗した派生型のHH-47では、エンジンの大幅パワーアップなどは含んでなかった。
対してH型は普通の能力向上型と言える。さらなる高出力エンジンが搭載されるようなら、D型以来の大きなアップデートになるだろう。

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LM/ノースロップグラマンがNGM開発継続を表明

http://www.flightglobal.com/news/articles/lockheed-martin-stays-in-competition-to-replace-amraam-harm-with-new-missile-362403/

次世代の航空機用ミサイルは、対空と対地の両方に使えるNGMとして研究されているもの。かつてはJDRADMという名前だった。
これに関しては、LM/ノースロップグラマン/ATKとボーイング/レイセオンが、DARPAとのデモンストレーション契約triple target terminator (T3) 計画の受注を競う形となっていたが、昨年ボーイング/レイセオンの勝ちに終わる。負けた方からはATKが脱落したものの、LM/ノースロップグラマンのチームは残って開発を続けている。
現用のAIM-120とAGM-88はいずれもレイセオン製なので、そっちが有利と言えば有利だ。

LMのブースにNGMとして展示されたものの画像が出ているが、その正体は明らかでない。
どのような計画にしても、AIM-120Dと似たようなサイズ・形状に納めないとF-22やF-35のウェポンベイには収まらないので、あまり外観に意味はないかもしれない。弾頭、信管、シーカの方がより重要。

NGMの本格的なプロトタイプ製作とデモンストレーションは、2012年からスタートする予定となっている。

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CHAMPの最初の飛行試験実施

http://www.spacedaily.com/reports/Boeing_CHAMP_Missile_Completes_First_Flight_Test_999.html

CHAMPはCounter-electronics High-powered Microwave Advanced Missile Projectのアノニム。物理的に目標を破壊する代わりに、高エネルギーのマイクロ波を放出し、電子機器を無力化するミサイルということになる。ボーイングがAFRLと開発しているもの。またマイクロ波発振部はKtechという企業が担当している。契約期間は2009年4月から3年間。

AMD A4-3400発売/HP ZR2740w/メニーコア時代宣言その他

AMD A4-3400

http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20110924/ni_ca43400.html

TDP65Wだが2コアTC無しモデルになる。バルク扱いらしく、まだこの辺の店では見かけなかった。

というかA8-3850とA6-3650が軒並み売り切れてた。元々TC無しのモデルナンバー半端なものは主力モデル扱いではないだろう、とは思ったが、TCありの店頭在庫が3コアのA6-3500だけになるという事態は流石に予想できなかった。
3コアでもそれなりのパフォーマンスはあるみたい。

歩留まりが悪いのか完全な供給不足なのか、TDP65W版はエルミタージュ秋葉原では11月投入説が出ていた。今の時点ではメーカーPCでもあんまり無い。

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Zambeziは10月12日ロンチ説があるようだがトルコサイトはもういいわ。

一方、i7-2700Kは、存在が明らかになった後も

http://www.cpu-world.com/news_2011/2011090901_Intel_Core_i7-2700K_CPU_is_in_the_works.html

価格情報は錯綜している。

http://vr-zone.com/articles/intel-s-upcoming-core-i7-2700k-expected-to-cost-more-than-the-2600k/13616.html

i7-2600Kを置き換えるというのが普通だと思うけど併売で上位モデルとする説もある。2600Kフェードアウト後値下げとかならありそうだ。OC耐性の高い特別な選別石の可能性も否定できないがキリがないので止め。

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HP ZR2740w

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20110922_479161.html

最近ちょっと気になる27インチWQXGA…じゃなくて縦1440の16:9だった。2560×1440。面積は、720pのちょうど4倍か。DELLではWQHDと呼んでる解像度だ。U2711の方が入力端子多く価格は安い。

このクラス買うんならNECのLCD-PA271がイイが、値段が倍以上違う。

解像度的にはマルチモニタじゃなくてもかなり広いから、1台にできるかなあ、という話。サブにしたL565の劣化が最近著しく、そろそろ次を考えないといかん。

現状は、SXGAのサブモニタで最適(と思われる)配置にしている。スペース的にも、ワイド画面を横に並べるのはあまり美しくない。ワイドモニタの縦画面というのも面白くはあるが、液晶は画素固定だから、下手な選択をして失敗したら買い直すしかないのが恐ろしいところ。

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マルチモニタと言えばWin8関係の記事があった。

http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1109/16/news042.html

本田雅一がITMediaに抜かれた模様。インプレスの方が見易くて好きなんだが。以前は広告の分ITMediaの方が重かったが、今は大差ないかも。でも時々画像表示されなかったりする不具合はまだある。

あえてLonghorn(理想)に言及してるのがさすがだ。Vistaって妥協が多かったよな。ものすごく。でも7はVistaがなければ生まれなかった。
というかむしろ7とVistaの違いがよくわからん。Vista導入時からUIは全部新しくしてたし。

8入れても、たぶん今まで通りの使い方になるなこれは。

KDDIのiPhoneの記事も基本的なところを押さえてて判りやすい。

http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1109/23/news007.html

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IDFでメニーコア時代宣言が出てたみたい。

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/event/20110920_478686.html

呼称はMIC(マイク:Many Integrated Core)アーキテクチャ。CERNの技術者なんかも登壇したとのこと。
内蔵GPU使うのと併用なら、やっぱHPC限定じゃねぇか、という感じなんですがどうなのか。22nmのHPC向けもまだ製品になってないし、少なくとも数年はコンシューマに下りてこなさそう。

MICを構成するIAコアの詳細は非公開のようだ。Pentiumを一杯に詰めたララビーとも異なるようだが…

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購入候補に入れてたMini-ITXケースが在庫処分値で売ってたので買ってきた。しかしまだ使い道は確定してない。

E-350とかAtomなら安いのあるけど、Display Port付きが欲しいんだよなぁ。ただ来年でも次世代プラットフォームで入れ替える前提なら何でもいいわけで、そこまではっきり用途が決まってないのが問題だ。つまり、間に合わせで組んでも使わない可能性が大。

ATX電源対応、ベイの数は一通りあるから、メインで使えるようにしてもいいし、鯖的サブマシンでもいい。
つまりIntel純正のMini-ITXマザーに2500Kとかか。凄く今更。
そして今使ってるゲーミングケース的タワーケースはどうするのか。やっぱ鯖か。

F-22の飛行再開に目途/リノエアレース、アンリミテッドクラスのP-51Dが墜落/シコルスキーが将来大型ヘリコプターとしてCH-53Kを米軍に提案/米空軍T-X選定でBAEシステムズがノースロップグラマンのパートナーに/F-35関連

F-22の飛行再開に目途

http://www.flightglobal.com/articles/2011/09/20/362304/usaf-clears-f-22s-for-flight-after-inspections.html

トラブルの元となった、機上酸素発生装置、onboard oxygen generation systems (OBOGS)に関する対応がまとまる。全機の検査を行い、日常点検にも追加した上で飛行再開となる予定。調査では、2008年からの3年間に、これに起因する低酸素症と見られる症例が12回ほど記録されていたとのこと。

OBOGSを供給しているメーカーはハネウェルとコブハムだが、これまで大きな不具合の原因となった例はなかったようだ。この種の装置は、それ以前の酸素タンクに代わり、1970年代の終わりから1980年代にかけ、様々な種類の航空機に搭載されるようになっていった。
一般論としては、OBOGSはエンジンのブリードエアを利用するので、フィルタなど濾過機構の働きは重要だ。

LMではF-35やT-6、その他の機種でも検査を実施する模様。

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リノエアレース、アンリミテッドクラスのP-51Dが墜落

http://www.flightglobal.com/articles/2011/09/17/362192/reno-found-component-could-be-p-51d-elevator-trim-tab.html

既報の通り。

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シコルスキーが将来大型ヘリコプターとしてCH-53Kを米軍に提案

http://www.flightglobal.com/articles/2011/09/15/362091/sikorsky-reveals-plan-to-offer-ch-53ks-to-usaf-us-army.html

まだ先の話になるものの、シコルスキーは開発中のCH-53Kを米軍向けに提案する、と正式に発表した。

K型は海兵隊のCH-53D/Eの後継機として開発されており、7500shpのGE38を3発搭載する。シコルスキーではこれを、陸軍のCH-47F/Gの後継機、さらに特殊戦向けとしても提案する計画。CH-47F/Gの後継となると、2020年代の初めということになる。
CH-53Kの積載能力は15.9tonと基本型のC-130Jにも迫るものだが、コスト面はどうなるんかね。今は3発機も珍しくはなくなったけど。

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米空軍T-X選定でBAEシステムズがノースロップグラマンのパートナーに

http://baesystems.com/Newsroom/NewsReleases/autoGen_111819145732.html

BAEシステムズの提案するホークを、ノースロップグラマンが米国メーカーとして売り込むという図になる。T-45ゴスホークの時はボーイングだったが、今回はノースロップグラマンになった。この種のパートナーシップが空中分解することも無いわけではない。KC-Xの時がそうだった(ついでにKC-45の当事者の片方がノースロップグラマン)。

今回、BAEシステムズが提案するのはHawk Advanced Jet Training System (AJTS)で、LIFT型のホーク120シリーズを第5世代戦闘機の操縦訓練に適合させたものになるはず。メーカー呼称ホーク128を、RAFではホークT.2として採用した。

BAEシステムズではシミュレータを持って米国をまわる日程を公開している。

http://www.baesystems.com/Newsroom/NewsReleases/autoGen_11181314383.html

コクピットにはF-35と同様の大型タッチパネルなどを装備するみたい。エアフレームはともかく、中身はかなり変更ありそうだ。

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F-35関連で幾つか。

 

静強度試験完了とのプレスリリース

http://www.lockheedmartin.com/news/press_releases/2011/110919ae_f35_static.html

フライトエンベロープに従って外部から荷重をかけ、機体の数百カ所で測定を行った。
要求強度の115%荷重をクリアし、最終結果としては150%まで耐えたとされている。

 

2011年8月31日現在のSDDフェーズ飛行試験の進捗

http://www.lockheedmartin.com/news/press_releases/2011/110920ae_f35_642-flt-tests.html

7月末から8月末までの期間、IPPの問題(15日間飛行停止)に加え、NASパタクセントリバーでは8月23日の地震とハリケーン(アイリーン)という天災の影響も受けることになった。年次飛行計画の残りは8%。

大きなマイルストンとしては、

・BF-1が無風状態で高度40ftのホバリングと、高度150ftからの2度の垂直着陸を実施。(8月31日)

・AF-10、AF-11がフロリダ州エグリンAFBに到着、先に引き渡された33FWのAF-8、F-9と合流。(8月31日)

・CV型の静強度試験完了をもって、静強度試験の全てが完了。なおCV型の試験機のコードはCG-1。場所はLMのフォートワース工場。(8月29日)

・CF-2によるJBD試験完了。場所はレークハースト。(6月25日~8月13日)

・AF-7によりCTOL型の最後の完熟飛行実施。(8月31日)

各型の飛行回数は、A型314回、B型226回、C型102回。
2006年AA-1の初飛行から数えると累計1202回になったとのこと。

 

B型のテストパイロット4名が艦上トライアルに向けた訓練に移行

http://www.jsf.mil/news/docs/20110920_SHIPTRIALS.pdf

9月14日からexpeditionary airfield (EAF)におけるfield carrier landing practice (FCLP)を開始したとのこと。
艦上トライアルは、今秋からUSSワスプ(LHD1)で実施予定となっている。

QinetiQが英国ウエストウェールズのUAV開発試験設備をアピール/MBDA Fire Shadow/RAFがMBDA Brimstoneを追加発注/Blast回転翼機着陸支援システム/リンクスワイルドキャットの試験完了近付く

QinetiQが英国ウエストウェールズのUAV開発試験設備をアピール

http://www.flightglobal.com/articles/2011/09/16/362166/dsei-qinetiq-seeks-more-users-for-welsh-uav-centre.html

QinetiQが所有するウエストウェールズUAVセンターは、無人機専用の広大なテストレンジも有しており、これを社外ユーザにも使ってもらおうということで、大々的に誘致を開始している。
最近ではWK450ウォッチキーパーの試験で2500時間ほど飛行させているとか。

7月下旬、英国民間航空局CAAは、UAVセンターのあるAberporthから500平方マイルの領域をUAVの試験に供することを認めた。事実上英国内で唯一の無人機試験空域ということになる。
ここまで3年かかったとのことだが、もともとQinetiQがAberporthに施設を建設したのも、ウェールズ議会の後押しがあってのことで、政治的にも推進する方向にあった。

今のところWK450の試験は2014年まで続くことになっている。英軍向けの54機全てが、ここで飛行試験を行う計画。

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MBDA Fire Shadow

http://www.flightglobal.com/articles/2011/09/16/362143/dsei-mbda-advances-fire-shadow-loitering-munition-tests.html

MBDAが開発中のファイアシャドウは、2012年から英軍向けに納入される計画。
これは長時間滞空可能な巡航ミサイルあるいは自爆型UAVといったもの。スウェーデン、Vidselテストレンジで行われた試験では、人間のオペレータが介在するマンインザループで目標を選択し、攻撃する能力を実証したとのこと。
地上発射型ファイアシャドウは射程100km、最大滞空時間は6時間にも達するという。

MBDAのイメージ図には、水上艦艇の甲板から発射されるものもある。
リビアで実施したような、揚陸艦から攻撃ヘリコプターを進出させるミッションにも適合させるかもしれない。

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RAFがMBDA Brimstoneを追加発注

http://www.flightglobal.com/articles/2011/09/15/362077/dsei-mbda-reveals-fresh-order-for-dual-mode-brimstone.html

8月11日に契約締結され、9月14日のDSEiで公表された。
主にRAFのトーネードGR.4が運用するブリムストンASMは、2008年からのアフガニスタンとリビアの作戦で使用され、この契約はその補充分となる。全てデュアルモードシーカを有するタイプで、在庫分150発以上のシーカ更新も昨年末にMBDAへ発注しており、今年半ばから開始されているようだ。

アフガニスタンとリビアでの運用実績に関し、MBDAではミッション達成率98%以上としている。その標的となったのはMBT、装甲車輛、ロケット砲を搭載したピックアップトラック、沿岸レーダーサイトのアンテナなど。
こうした実績から、フランス、米国をはじめとする海外顧客の関心も集まっているとか。
またMBDAは、海上プラットフォームへの適合についても触れている。

この他にも、最近使用された航空用兵器としてペイヴウェイIVの追加発注という話も出てるそうだ。こちらも同じくトーネードGR.4が搭載する。500ポンドでレイセオン製。

ブリムストンのミリ波レーダー開発は、BAEシステムズのBlast回転翼機着陸支援システムにも応用された。

http://www.flightglobal.com/articles/2011/09/14/362043/dsei-baes-blast-technology-to-see-through-brownout.html

簡単に言うと、レーダーで取得した映像がHMD、HUDなどのコクピット内の表示装置と統合され、視界不良時の状況確認を容易にするために使われる。

ブリムストンに搭載されたそれは、直径7インチに収まり、重量は4.5~6.8kg。使用周波数は94GHz。回転翼機に搭載するとなれば、交換可能なケーブルとハーネスその他が付いて13.6~15.9kgとなるが、競合する他のシステムよりも格段に軽量であるとのこと。V-22や大型ヘリコプターから、AH-6クラスの小型ヘリコプターまで搭載できるようになる。

着陸時、視界不良にまつわる事故が多発したイラク~アフガニスタンにおける米軍の戦訓が生んだものでもある。4月の試験は米国ユマで、UH-1をテストベッドとして行われた。9月からは次の試験が予定されている。メーカーとしては2013年から低率生産の開始を計画しているが、顧客の要望などによってはスケジュールを前倒し可能としている。
まずは特殊作戦やCSAR向けを想定しているようだ。

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リンクスワイルドキャットの試験完了近付く

http://www.flightglobal.com/articles/2011/09/15/362086/dsei-lynx-wildcat-aces-operating-trials.html

記事中にある画像はDSEiで展示された生産型の3号機だそうだ。

リンクスワイルドキャットの飛行試験における累計飛行時間は、350時間に達した。これとは別に、原型機3機のうち2機合わせて38時間飛んでいる。

最近の試験では、原型1号機を米国コロラド州へ持ち込み、高温・高標高地帯でのトライアルを実施、45時間ほどの飛行時間を記録したとのこと。その他、英国内ではダミーのLMMを搭載し、陸軍と空軍向けの武装状態をシミュレートした8種類の荷重条件下で飛行試験を行ってる。

LMMの仕様。

http://www.thalesgroup.com/Press_Releases/Countries/United_Kingdom/2011/Thales%E2%80%99s_Lightweight_Multirole_Missile_enters_production/

最初の艦上トライアルは10月から、RFAアーガスを使用して実施される。
陸軍向けは2012年3月から訓練飛行を開始し、4月から年内に12機を納入予定となっている。
海軍向けは2013年から納入予定。

メーカーではAW159として海外への売り込みも図っており、潜在顧客としてデンマークを挙げている。

オーストラリア海軍のヘリコプターについて/インドネシア空軍がグロブG120TPのロンチカスタマーに/韓国が艦載ヘリコプターのRfPを準備中か/韓国F-16のアップグレードRfP

オーストラリア海軍のヘリコプターについて

http://www.flightglobal.com/articles/2011/09/19/362199/australian-navy-to-lease-three-bell-429s.html

記事はベル429をリースという内容だが、次世代のヘリコプターに関する話に繋がってる。
ベル429×3機を2012年から4年間リースし、海軍のMRH90の乗員訓練に充てる。年間飛行時間は1500時間程度を計画しているとのこと。費用はサポートとメンテナンス含み26万ドル相当。

6月にはS-70Bを更新するMH-60R×24機の導入を発表している。こちらの金額は31億ドル以上。

MRH90は陸軍のUH-1、UH-60と海軍のシーキングを更新し、46機を導入予定。

しかしMRH90は初期の導入が始まったものの、評価が芳しくない。

http://www.flightglobal.com/articles/2011/09/16/362137/australia-to-conduct-diagnostic-review-of-army-mrh90s.html

10月に正式なレポートが上がってくることになっているが、ここまでエンジンや駆動系のオイルクーラーファンのトラブル、スペアパーツの可用性不足といった問題が相次いでおり、受領機数は陸軍向け(UH-1を更新する分の)13機に留まる。これらは現在、試験と乗員訓練に用いられている。

2010年4月20日、RR/チュルボメカRTM322の1基が故障したインシデントでは、安全に着陸できたものの、その後の事故調査で3か月ほど飛行停止となっている。事故原因は、コンプレッサのブレードがケーシングに接触して分解したためと結論され、検査体制の見直しが行われた。

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インドネシア空軍がグロブG120TPのロンチカスタマーに

http://www.flightglobal.com/articles/2011/09/19/362222/indonesian-win-launches-grobs-g120tp.html

9月19日、グロブは自社のターボプロップ練習機、G120TPがインドネシア空軍の初等練習機として採用されたと発表した。他の候補機種はフィンメカニカ(アレニアアエロマッキ)SF-260TP、パシフィックエアロスペースCT-4とあるが、後者は入札に参加してないと表明している。いずれにせよPC-21やテキサンIIよりは安価で、概ね純練習機と言っていい。

契約にはシミュレータとサポートその他を含み、2012年から納入される予定。機数は18機と見られる。
インドネシア空軍では、6月にEMB-314スーパーツカノ×8機の新規導入を決めており、来年から納入が始まることになっている。こちらは軽攻撃機としての導入となる。

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韓国が艦載ヘリコプターのRfPを準備中か

http://www.flightglobal.com/articles/2011/09/20/362219/seoul-may-issue-naval-helicopter-rfp-in-2012-13.html

米国政府情報筋によると、韓国の次期艦載ヘリコプターは、自国産のKAIスリオン海軍型が第一候補であろうが、独島型に載せるには大きすぎる可能性があると指摘。導入機数の予想などは伝えられていない。

http://www.army-technology.com/projects/kaisurion/

スリオンはUH-1などの代替、KUHとして開発された。一見してわかる通りユーロコプター系で、2009年初飛行。

独自開発が無理と判断されれば輸入しかないわけで、RfPは2013年と予想されている。
現用の艦載ヘリコプターのリンクスで、欧州のNH90やAW101も候補に挙がる。ただし2009年の掃海ヘリコプター×8機の導入では、MH-60Sが選定された(未契約)ため、LM/シコルスキーとしてはMH-60Rが有力と考えているようだ。

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韓国F-16のアップグレードRfP

http://www.flightglobal.com/articles/2011/09/13/361951/south-korea-f-16-upgrade-rfp-imminent.html

9月16日にRfP発出、12月2日締切という日程。
韓国国防庁の発表では、LM、BAEシステムズ、ノースロップグラマン、レイセオンが入札者に含まれる。

主なアップグレード内容はAESAの搭載なので、ノースロップグラマンのSABRか、レイセオンのRACRか、が大きな競合点となる。
業界筋によると、F-15Kに近いミッションコンピュータやデータリンクも提供可能であろうとしている。

ROKAFのF-16保有機数は、F-16C×118機、F-16D×51機。