F/A-18FにCFTモックアップを装備した実機が公開される
http://www.flightglobal.com/news/articles/lima-conformal-tanks-add-fuel-to-super-hornet-campaign-383904/
マレーシアで開催の今年のLIMAにて、ボーイングがF/A-18E/FのCFT装備状態を見せている。CFT本体はモックアップとのことで、実際には使用できない。地上展示に入る前に取り付けられたとある。
F?A-18E/FのCFTに関しては、インターナショナルロードマップとして発表されたものの一部であるが、本国USNがこの夏に試験を予定している。同機種はマレーシアのMRCA向け提案にも入っているので、今回の展示となったようだ。
CFTの容量は全部で3500ポンド。
USNで本当に採用する気があるかどうかは、微妙なところだろうか。現時点では可能なオプションの一つとしてテストしておくだけ、といった感じではある。
とは言え、F/A-18E/Fの遷音速までの加速性能の悪さは、主に機体の抗力の大きさに起因するものであることがわかっており、CFTで抗力が低下することはあり得ないので、パワー不足がより深刻になるだけなのではといった否定的な意見もある。F414の増強型EPEはまだ実物が無く、ファンと高圧タービンコアの再設計が必要とされるため、これをもって解決できるかどうかは定かでない。
http://www.flightglobal.com/news/articles/us-navy-may-add-conformal-fuel-tanks-to-fa-18ef-super-hornet-fleet-383701/
しかしながらF-35Cの開発遅延がさらに深刻化するとF/A-18E/Fの能力向上を本気で考えなければならなくなるので、何でも試しておくに越したことはない、みたいなことをティールグループのアナリストがコメントしてる。
どちらにしても財政の問題は短期的に解決できるもんではないので、装備化までの道程は長い。
今年のLIMAでは、MRCA提案予定の残りの機種、ラファール、グリペン、タイフーンもフライトを実施した。
ここでは18機程度の導入が予想されているものの、正式なRfPはまだ出てない。また早くから整備性の問題が指摘されたMiG-29Nについて、稼働機数が8機程度まで落ち込んでいるとも言われ、こちらの代替としても2015年以降に10機程度は必要という。
またマレーシア向けのF/A-18Dは、8機が1997年に引き渡された。
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マレーシア向けAEW&Cについて
http://www.flightglobal.com/news/articles/lima-northrop-saab-eye-malaysian-aew-requirement-383892/
同じくLIMAにて、サーブとノースロップグラマンがAEW&Cの提案を計画しているとの報道。今年のLIMAではノースロップグラマンが初めてブースを構えてE-2Dのオペレータ席などを展示した。
E-2Dは今のところUSN向け75機を受注し、国際的な売り込みの最中となっている。メーカーの提案としては、マレーシアに配備することを想定した場合、4機あれば持続的な領域監視が可能としている。4機ならCVN1隻分の機数と同じだ。
サーブが提案しようとしているのはEMB-145などにERIEYEを搭載したAEW&C機で、隣国タイ向けではサーブ340+ERIEYEの2機をグリペン12機をセットで売り込むことに成功している。
サーブの売り文句は、50%の価格で80%の性能というもの。E-2DというかノースロップグラマンのAEWレーダーを意識した言い回しと思われる。契約上のその他の強みは、技術移転とかオフセットの部分になる。
業界筋では、同国のAEW&Cへの潜在的な需要は根強いと見られているものの、財政的な問題も指摘されるところらしい。
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LIMAでの その他展示
・インドネシア空軍のCN295
http://www.flightglobal.com/news/articles/lima-indonesia-displays-new-c295-383957/
インドネシア製のC295のうち、インドネシア空軍向けはCN295となっている。2012年2月のシンガポールエアショーにて調達契約された9機のうちの最初のバッチの2機。のうちの1機がLIMAにて展示された。
・マレーシア空軍のEC725
http://www.flightglobal.com/news/articles/lima-malaysian-ec725-makes-show-debut-383955/
展示されたのは2012年12月に引き渡された機体で、2014年1月までに10機が引き渡される予定。
まだIOCは獲得していない。
この他、回転翼機関係では、アグスタウェストランドとAW139×6機およびAW189×2機の調達契約が結ばれている。
http://www.flightglobal.com/news/articles/lima-weststar-signs-helicopter-deals-with-agustawestland-eurocopter-383934/
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KF-X計画の遅延についてインドネシアが言及
http://www.flightglobal.com/news/articles/indonesia-confirms-18-month-k-fx-delay-383258/
KF-X計画は3段階に分けて進行することになっている。最初のフェーズはtechnology developmentで、これは2012年12月に完了した。韓国内に設置された共同のR&Dセンターには、インドネシアからも37人が派遣されている。
この後、試作機製造を含むengineering and manufacturingを経て、製造・マーケティング段階のjoint production and joint marketingに至る筋書き。
インドネシア国防省の声明によると、engineering and manufacturingのフェーズに関して、未だ韓国の議会が承認していない旨がDAPAを通じて連絡されたとのこと。DAPAは、昨年末の選挙の影響で遅れたと説明しており、またこれまでに費やした巨額の費用を無駄にすることなく、計画を進行させるとも述べている模様。開発計画全体の費用は50億ドル規模で、インドネシアは20%を負担することになっている。
冒頭にある18ヶ月の遅れというのはよくわからんが、単に韓国の現政権があんまり肯定的ではないのかもしれない。
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スウェーデンがグリペンE開発完了までの予算を承認
http://www.flightglobal.com/news/articles/saab-gets-deal-to-complete-gripen-e-development-383850/
スウェーデンでは空軍のグリペンC×60機をグリペンE仕様に改修する計画を承認しており、これを進める上で必要な契約を相次いで締結している。
今年の2月中旬(FY2014まで、金額は25億クローネ)と3月22日の契約(FY2015~2023まで、金額は107億クローネ)により、開発作業に関わる契約は全て締結されたとのことで、各種の試験機材やリグ、シミュレータまで含め、開発の目処が立った形となる。
引き渡しは2018年から2026年までを予定している。
一方、スイス向けの22機は、取引全体で最大472億クローネという金額が示されてる。