USAF関連。
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2013年前半のUSAF爆撃機群に関するまとめ
今年はB-2配備20周年。
http://www.afgsc.af.mil/news/story.asp?id=123336776
2月19日、ミズーリ州ホワイトマンAFBにおいて、B-2配備20周年を記念する式典が催されている。509th BW指揮官、Thomas Bussiere准将の訓辞によるとB-2は過去4つの武力紛争(後述)に投入されたとのこと。
また、4月1日はIOC獲得から16年の節目にあたり、12月17日はライト兄弟の初飛行の日(1908年)として有名だが、509th BWの前身、509th Composite Wingが1944年にユタ州Wendoverで編成された日でもあり、更にホワイトマンAFB所属の最初のB-2、スピリットオブミズーリが配備された日でもある。
B-2の起源を辿れば1979年スタートのATB計画にまで遡る。言うまでもなく当時は冷戦の最中であり、核戦力三本柱いわゆるトライアッドの一つを担うものとして考えられていた。今では核爆撃というオプションは現実味を失いつつあるものの、最初から高度のステルス性を与えられていることで、今なおB-2は最も厳重に防御された領域への侵攻すら可能で、核戦力としての意義を保持し続けている…と、少なくともUSAFの公式見解はそうなっている。
1980年代に設計、製造が進められ、1988年初公開。75機の製造が計画されていたが旧ソ連崩壊により21機に削減され、1機が事故で失われて20機となり現在に至る。機体名はスピリットオブアメリカとキティホークを除けば州名が付けられた。
戦略爆撃機として配備された後、最初の改修は通常兵器の運用能力の付与となった。そして1999年、コソボでNATOの作戦に参加。このときのソーティ数はNATO軍全体の1%に過ぎなかったが、目標の11%を攻撃したとされている。
2001年9月11日以降は、アフガニスタンで「テロとの戦い」が始まる。
2003年、「イラクの自由」作戦において開戦後最初の爆撃(“shock and awe” campaign)を行う。戦争全体では投下した爆弾の量は、100万ポンド以上に達した。
2012年、NATOの対リビア軍事行動である「オデッセイの夜明け」作戦に3機が参加。25時間かけて欧州へ進出し、航空機のシェルター破壊任務を遂行、2000ポンドJDAMを45発投下した。
同じ4月1日にはスピリットオブフロリダが7000飛行時間を記録。
http://www.af.mil/news/story.asp?id=123343279
この機体は2007年5月に最初に5000飛行時間に達した機体でもあり、6000時間を記録したのは2010年1月で、これも最初だった。
最近の改修計画としては、衛星通信に関するものと自己防御システムに関するものがある。
前者は5月15日付。
http://www.irconnect.com/noc/press/pages/news_releases.html?d=10032612
Advanced Extremely High Frequency (AEHF)通信衛星に対応するための改修で、現時点では地上での実証試験が進められている状態。レドンドビーチのノースロップグラマンの施設で4月15日にデモンストレーションを行ったとある。
自社製のAESA型アンテナと海軍のマルチバンド端末により、AEHFの模擬ペイロードを使って行われた。当然ながら、メインはアンテナ。この改修については他にもいろいろなものが含まれてる件は前にも書いたので省略。
現用のMilstarの後継となるAEHF衛星は2001年から開発が始まっているが、まだ6機中2機しか軌道に上がってない。
http://en.wikipedia.org/wiki/Advanced_Extremely_High_Frequency
後者は2月14日付。
http://www.irconnect.com/noc/press/pages/news_releases.html?d=10021861
Defensive management System (DMS)と呼ばれ、現在TDフェーズ2という段階にある。ノースロップグラマンがシステムインテグレータとして受注しており、想定される脅威・環境に対抗可能なシステムを設計、アンテナやアビオニクスといったハード、ソフトをとりまとめてEMDフェーズに備えることになる。新規開発の技術を避けて、実証済みの技術を用いて開発リスクを下げると称している。
B-2が20年目を迎えた一方、それよりも更に以前の爆撃機もアップグレード改修が行われてる。
B-1の最新の改修については、
http://www.acc.af.mil/news/story.asp?id=123334294
337th TESが、Sustainment-Block 16(SB-16)と呼ばれる大規模な改修計画の実証試験を担当する。B-1の改修としては最も大がかりなものとされ、Fully Integrated Data Link(後方操縦席のデジタルアビオニクス部分を変更してLink 16に対応、Joint Range Extension Applications ProtocolによりBLOSでも運用可)とCentral Integrated Test System(後方操縦席のコンピュータ交換とカラーMFDの追加)、Vertical Situation Display Upgrade(前方操縦席(パイロット席とコパイロット席)の2台のモノクロディスプレイを4台のカラーMFDに交換)など。
肝の部分はデータリンクで他はそれを使うためのUIの改善といった感じ。Link 16およびJREAPなどの実証にはUHF無線とLink 16のネットワークが必要なため、その設備を準備するのに50万ドルかかったとある。
337th TESの実証試験は訓練計画にも関連しており、7th BWでの訓練が円滑に行えるよう、機材到着前から整備班含め準備しているとのこと。実証試験は4月からエドワーズAFBで開始予定。
実際にFIDL、VDSUの試験で改修機を飛行させた経験があるパイロットは、全く新しい機体だと思って扱わなければならないぐらい、劇的に変わった、と述べている。
Sniper ATP-SEがダイスAFBのB-1に装備される。
http://www.acc.af.mil/news/story.asp?id=123345084
4月15日付。ATP-SEはネットワーク関係が強化されたもので、Link 16相当の双方向データリンクに対応するため、地上との交信・情報共有が迅速化され、中継能力も備えるようになる。前世代型は1方向データリンクだったので、その違いは大きい。
またデータリンクの情報を保存できるというのも新しい機能で、訓練や分析に有用なデータが残せる。
ATP-SEは前世代のATPと互換性があり、ATPが搭載可能な機種全て(USAFではB-52、F-15E、A-10、
F-16)に搭載できることになっているが、予め訓練が開始されていたこともあってダイスAFBのB-1が最初に装備することになった。
2nd BWのB-52HにはSniper XR、AN/AAQ-33が装備される。
http://www.afgsc.af.mil/news/story.asp?id=123341194
ATP-SEよりは旧式だが、従来はLGBを投弾するのに5分間程度、30から40のボタン操作を行う必要があったのに対して、わずか2、3秒で済むという。60年物の爆撃機でも金をかければここまでやれる。あと25年飛べるという調査結果もあるので、数は減らしつつもしぶとく飛び続ける公算。
またティンカーAFBでは7月から衛星通信システムCombat Network Communications Technology (CONECT)の装備がスタートする。
http://www.tinker.af.mil/news/story.asp?id=123353771
これまでB-52では飛行前にアップロードされたミッションデータに従って任務を遂行することしかできなかったが、CONECTの装備によって飛行中にミッションデータを入れ替えることが可能となる。よつて、より柔軟な運用ができることになる。試験はここ数年、エドワーズAFBで行われていた。
主体は衛星通信装備だが、乗員向けの装備としては、最新端末への更新、ノイズキャンセル型のヘッドセットやデジタルインタホンなども含まれてる。
ボーイングが主契約で金額は7600万ドル。この中にはメンテナンスほかの支援と、LRIPの製造が含まれる。LRIP 1は3月契約で8機分、LRIP 2は来年3月契約予定で10機分。全率生産は2015年1月契約見込みで10機分。FY2014での予算は30機分。
最初の改修は、ティンカーAFBでのprogrammed depot maintenanceに合わせて行われる。7月から翌年4月までというから約9ヶ月を要する。
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F-22 Combined Test Forceが1000ソーティを達成
http://www.edwards.af.mil/news/story.asp?id=123345680
4月24日付。
4月19日、エドワーズAFB所属のF-22 CTFにおいて、1000ソーティが記録された。機体は2001年10月に配備されたテールナンバー4007で、飛行しているF-22としては最も古い。AIM-9Mを初めて発射し、2度目にQF-4を撃墜した機体でもある。
着陸後、末尾の007にちなんでジェームス・ボンドのテーマで出迎えられたそうだ。
この飛行は、最新のソフトウェア改修であるインクリメント3.2Aでの初の試験飛行だったため、パイロットはボーイング社のテストパイロットだった。
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2012年度のCollier TrophyにMC-12がノミネートされる
http://www.acc.af.mil/news/story.asp?id=123339451
米国航空界のアカデミー賞的なものであるが、MC-12とかえらく地味だなと思ったが、本機はUSAFとしてP-51以来のスピード採用であり、かつアフガニスタンで目覚ましい働き(記事によると710名のタリバン指導者、爆弾製造者、野戦指揮官の殺傷および逮捕に直接関わり、プロジェクトリバティ全体で3000名の反政府勢力の兵員を排除したとある)を見せた、というのがノミネート理由となっている。
ちなみに結果は3月12日に発表、5月9日に授賞式が行われ、
http://naa.aero/html/awards/index.cfm?cmsid=62
JPLの火星科学研究所とキュリオシティのチームが選ばれている。
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F-15SAが2月20日に初飛行
http://www.wpafb.af.mil/news/story.asp?id=123339926
各国に改修が進んだ新造F-15が輸出されるようになって、何かUSAF本国仕様のF-15が相対的に性能低くなりそうな情勢であるが、2月にサウジアラビア向けF-15SAが初飛行している。この機体はF-15シリーズとしては試験機F-15 S/MTD以来のデジタルFBWを備えたものとなり、その他ハードポイント増設やIRST、スナイパーXR、AESAレーダーなど、イスラエル配慮で微妙にダウングレードされていたS型を、E型相当以上にアップグレードする形になる。
当面は3機体制で米国内での試験が続けられ、2015年から2019年にかけてデリバリ予定。
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ドイツ駐留の81st FWが解散、欧州のA-10装備部隊が姿を消すことに
http://www.af.mil/news/story.asp?id=123352839
ドイツ駐留の52nd FWは、F-16とA-10を運用してきて、隷下の81st FW(シュパンダーレム基地)にはA-10が配備されていた。この部隊は71年の歴史がある飛行隊であったが、6月18日をもって解散となり、A-10を運用する部隊は無くなった。これは欧州でのA-10の歴史が終わることも意味する。
欧州のA-10は、最大で6個SQが配備されていた。押し寄せるワルシャワ条約機構軍の戦車軍団をちぎっては投げちぎっては投げ(最後は核でry)いった情景がよくイメージされていたものである。
最後のソーティの様子が公式動画であった。
http://www.youtube.com/watch?v=yNUhA_qffqM
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